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ベトナム 旅行2019 その3~コーヒー農園で夢が叶う~

こんなに広い空を見たのは、いつぶりでしょうか。11月の終わりで、朝晩はいくぶん涼しいとは言え、日中は強い太陽の光が降り注ぐ暑いベトナム バオロクです。

今回、お邪魔させてもらったベトナム バオロクのFuture Coffee Farmのコーヒー豆の栽培品種は”ロブスタ種”です。コーヒーノキの種別は大きく分けて、アラビカ種とロブスタ種に分かれます。これにプラスしてリベリカ種というものもありますが、これはもうほとんど栽培されていないので基本的にはアラビカ、ロブスタの2種類と考えて良いと思います。

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僕は20代になったばかりの頃から、20代後半までスターバックスに籍を置きそこで様々なコーヒーの知識を得ました。そこで習ったことは、アラビカ種は高品質で最高級の美味しさをもつものあり、アラビカ100%のコーヒーこそ最高の美味しさをもつコーヒーであるということ。それに比べ、ロブスタ種は苦味が強く旨味成分をほとんど含まれておらず美味しくないというものでした。これは、スターバックスに限らず、いろんな店や書籍、雑誌などでもその旨のことが書いてあります。

今回のベトナム を訪問する前に、友人からベトナム のコーヒー豆をもらったことがあります。その豆は、ベトナム の空港やスーパーで大量に販売されていました。”ロブスタ100%”の表記。アラビカ全盛の日本でロブは貴重。僕は初めてのロブに喜んでドリップしてみました。でも、、残念ながら、僕はこのコーヒーを最後まで飲むことができませんでした。スターバックスで学んだように、苦味が強く、味が平坦で、口の中で味の逃げ場がないのです。よく言えば、缶コーヒーの中身が淹れたてになったようなもの。缶コーヒーに比べれば、、、でも、僕は缶コーヒーが苦手なので、やはり飲めないのです。

そういう経緯もあって、多くの人と同じように僕のロブスタ種に対する印象は良くありませんでした。

しかしながら、Future Coffee Farmのトイ・グエンさんが栽培するコーヒー豆は、これまでのロブスタ種の概念を覆す美味しさを持っています。

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ベトナム でこのコーヒー豆を見つけて日本総代理店として初輸入・販売している8coffee roastのハチ店長(写真左)から、初めてサンプルの生豆をもらったとき、僕は感嘆の声を上げました。あまりにもその生豆が美しかったからです。僕は品質の良いブラジルやペルーやコロンビアのアラビカ種のコーヒー豆を取り扱い販売していますが、そのどの豆よりも美しかったです。どんな生豆にも1割から2割くらいは、欠点豆と呼ばれる虫食いや、カビているものなどが含まれます。Future Coffee Farmの豆には、それがほぼないのです。僕はハンドソーティングという欠点豆を取り除く作業を、焙煎前に行いますが、その作業が不要と言っても過言ではないくらいなのです。

実際に試飲してみても、あのお土産でもらったベトナム 産コーヒー豆とはまるで違う。ワイニー製法というワインのような香りが漂う独自の製法を用いていて、とても香りが豊かです。さらに完熟したチェリーのみから採取しているだけあって、豆自体に甘みがあり味に奥行きがあるのです。牛乳に合わせると、まるでミルクチョコレートのような味わいになります。僕のロブスタへの印象は、180度変わりました。今ではどの豆よりも好きな豆となり、ほぼ毎朝トイさんのお豆を楽しんでいます。ベトナム の豆はダメだなんて、知識だけでわかった気になっているとこんなに美味しいものを体験できないまま、僕のコーヒー人生は流れていってしまっていたことでしょう。思い込みは本当にコワイ。

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農園主さんのトイさんの説明を聴きながら、実際にコーヒーチェリーの採取に挑戦。

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コーヒーラバーの僕にとって、まさかコーヒー農園で農作業ができる日がくるなんて!!まさに夢がかなっている瞬間です。


意外にもしっかりと枝にくっついているチェリーのもぎ取るには、結構力が必要でした。僕たちはほんの數十分体験させてもらっただけなので楽しくて仕方ありませんでしたが、これを1日やるとなるとかなりの重労働であることは想像に難くありません。ベトナム の炎天下のもとの手作業で、さらに完熟チェリーだけを見極めて採取するのですから、それはもう大変な作業です。農園のワーカーさんたちには、本当に頭が下がります。

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コーヒーチェリーを実際に試食してみると、爽やかな酸味の中に蜂蜜のようなコクのある甘みを感じました。チェリーを食べることができるのは現地の農園でだけできる最高に贅沢な体験です。

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トイさんが、”あのロブスタ”の品質を向上させ、どんなふうに美味しくさせていったかというお話はまた次の記事で書きたいと思います。僕はトイさんのお話を聴きながら、NHK プロフェッショナル~仕事の流儀~のスガシカオさんの主題歌が流れてました。

本当にすごい取り組みが行われています。コーヒー豆の栽培は、PCやその他の機械やモノを取り扱っているのではなく、自然の木々が相手です。自分たちの作業や取り組みのやり方以外にも、天候などにもその成果が大きく左右され、さらにその結果が出るまでには数ヶ月あるいは数年かかることもあります。とても忍耐力の必要とされる仕事です。

僕たちが毎朝いただくコーヒーは、当たり前にそこにありますが、決して簡単にそして当然にそこにあるものなのではないということを強く感じました。

農園に関わるの多くの従業員の方の汗の結晶です。覗き見たトイさんの両手は、かさぶたが多く比較的新しい怪我のあともありました。情熱がなければできないお仕事です。

僕は、まだまだ規模の小さいコーヒー焙煎販売業ですが、生産者さんと消費者の間にたつ人間として、絶対に徹底的に美味しいものを焙煎して提供しようと熱く想いました。これだけの想いと詰まった”作品”を、さらに僕の想いも込めて広めていきたいと若輩モノながら強く感じたのでありました。

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このベトナム旅行記で訪れたコーヒー農園
Future Coffee Farmのスペシャルティオーガニックロブスタは
オンライン自家焙煎コーヒーショップmasuocafeで販売中です。


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