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描きたい社会の色は?~多様性のひとことでまとめる前に~

「あなたの人生のなかで美しいと感じたものはなんですか?」

20年ほど前に、世界の環境問題に対して100人もの国籍や専門性の違う人が集う場でのチェックインで投げかけられた問いだそうです。

個人的にこの問いかけが好きです。

・海
・星空
・田舎
・気持ちのよい朝
といったように、風景だけに限らず雰囲気やものや人、状態などいろんな100人の"美しい"が共有され、あたたかい場が作られたようです。

共生や多様性の大切さがたくさん説かれるなかで、ほんとうに立場や価値観の異なる他者と協働できるかは別問題です。
いくらその大切さを知っていたとしても、多くの人は関わり方のわからなさに戸惑い、最初は一見関係が良さそうな空気感が作れたとしても、どこかに無理が生じてギクシャクした関係性になりがちです。

今までの日本の教育現場では、「AかBか」といった具合に何か物事を決めるときは多数決の手法が多く取られました。どちらが正しいか、その論拠と証拠を整える力を養い、相手にわかりやすく伝える練習がなされてきました。

時代が変わり複雑で変化の速度が速い時代になると、今までの手法や考え方ではうまくいかないず、その現状を頭では理解できても、なかなか自分が今いる環境で新しいチャレンジを導入することはハードルが高いのがなんとも歯がゆいところです。
今までとは違う手法、つまり多数決とは異なった合意形成の手法を取らなければいけません。

多数決で一番大事なのは会議が始まるまでの準備であって、根回しが基本となります。今まではその連絡調整に時間と労力が割かれていました。
連絡調整の現場が価値観の異なる人との接点であり、フィルターになっていました。だからこそ、本来の人が"会して議する場”では価値観の異なる人と意見を出し合い、すり合わせる文化が日本では醸成されにくかったのかもしれません。
(昔の寄合のように、円を作り座を組み何時間もぶっ通しで会話を重ねることで会を議してたように)

話を戻すと、これからの時代には否が応でももっと今までのスタイルでは苦手とする「異なる価値観を持つ人とのコラボレーション」の場面が増えてきます。

異なる価値観を持つ人とどうすれば協働できるか。

その一つのキーワードになるのが最初の問いかけのようなものなのかもれしれません。

価値観が異なるからこそ、ほどよく秩序立てればカラフルなペンを並べたときのように単色以上に美しくなるかもしれないし、ほどよくばらければ秩序立ってた時からは予想できなかった美しさが生まれるのかもしれません。

『多様性が拓くみらいを考える~多様な個性が生きる対話型リーダーシップ合宿~』まであと残り1週間ほど。


私たちはどんな色の社会を描きたいのか。
自分はその社会のなかで何色なのか。
もしくは何色になりたいのか。

その想いを交換する絵をイメージしただけでももわくわくしてきました。
当日なにが生まれるか楽しみです。

ありがとうございました。

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京都に来てもうすぐ5年目。もっと楽しい活動づくりをしたい・・・。 がんばります!