他のセクシュアリティについて語るという事は
もし日本を知らない方に、日本についてではなく「関西ってどんな所?」と聞かれたらどう答えるでしょうか。私はずっと関東に住んでいるので関西について詳しくはわからないですし、関西でも京都や大阪、奈良など地域で違いがあるでしょう。
それを私がさも関西を知っているかのように話したら、関西にお住まいの方からしたら「何も知らないくせに勝手な事を言っている」と思うはずです。
なのでもし関西について聞かれた場合は「関東に住んでいるので詳しくはわからない」と正直に言う事になると思いますし、自分が関西に足繁く通って感じたり、関西の方に話をあれこれ聞いたりしてから、そう前置きをして話すでしょう(それでも実際にそこに住んでいる関西の様子とは違うと思います)間違った事を話してしまえば、何も知らず関西について尋ねてきた人はそう信じてしまうでしょう。
なので例えばLGBTとは何かと聞かれても、LGBTという用語の一般的な話はしても、ゲイである私が他のセクシュアリティについてさも自分がそうであるかのように語る事をすれば、セクシュアルマイノリティではない人はそれを信じ、誤った情報をまた別の人に伝えてしまうかもしれないからです。
他のセクシュアリティの人からしたら「ゲイのあなたが何を知っているの?勝手な事を言わないで」という話になります。関西というくくりでも京都と大阪で違いがでてくるように、LGBTとひとくくりにされている中でも一つひとつは違うわけです。
『別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫」』の性と愛の章「リボンの騎士」「MW」の中でブルボンヌさんがこんな事を書いています。
頭文字を四つ集めたことの弊害が、この単語にはあるのです。とはいえ、キャッチ―な言葉を使う事で理解が広まったという点で、LGBTが果たした役割は大きいと言えます。その裏で取りこぼされた少数者たちがいること、また言葉の意味を誤解されがちがことにも気付いていただければと思うのです。
字数が限られた記事(特にタイトル部分)だと、様々なセクシュアリティを四文字で表せるので重宝されてしまいます。そう言いつつにじのこころもTwitterやFacebookの名前の部分は字数制限があるのでLGBTとしている状態です。その分投稿の中でセクシュアルマイノリティという表現を使うようにしています。
新しい表現の言葉は本来の意味を拡大解釈され、そして乱用される時もあります。ゲイと言うだけで「オネエ」、女性的な雰囲気の異性愛の男性も「オネエ」、性別適合手術を受けても「オネエ」と何でもオネエという単語で済ませてしまう流れもあったりして、伝える側の正しい知識が改めて必要だと思いました。
男はこうだ、女はこうすべき、LGBTはこんな感じらしい、精神疾患はきっとこうするだろう...何か無意識に決めつけている事、決めつけられている事がありませんか。
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