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どこへ向かい何を学び続けられるのか?/受験や入試の新たな戦略を

過去と違って、現代は入試制度の変化や問題の質的な変化によって、入試や受験の戦い方も大きく変わってきました。

そして何より一番の変化は、子どもたちの変化です。

子どもたちの学び方や特性が大きく異なる以上、かつての日本の受験戦争なようなものは、全国的に見れば、都市部の一部の層に限定されます。

つまり、地方や地方の地方のような場所では、かつての受験と同じノリは、有効ではありません。

かつてのそれのような、人を闇雲に過剰なストレス下に追いやる受験勉強では、内田樹氏(思想家)が言及されている「無意味耐性」だけが伸びるのみとなってしまうでしょう。

(無意味耐性・・・意味のない作業のようなものに耐える力/心も思考も停止させてしまう)



市場や市場における家庭の価値観がそうなっていない面があるのは、いわゆる塾業界の、子どもの特性を無視した、大人の利益主義、企業の都合でしかありません。

これに流されることなく、今と未来を見据えて、本当に何が必要でどのように学ぶべきかを、考える必要があるといえます。

それを見失い、市場の流されてしまっては、家庭としても無駄な出費になりますし、効果も上がりません。地方や地方の地方は、自分たちの実情にそぐわない都市部情報に流されやすいので、特に注意が必要です。


かつての受験のノリは、兎にも角にも"今の子どもたちには合わない”。

合わない方法や考え方でやる勉強ですから、効率も効果も上がりません。

しかし、それを続けるだけの、現状維持や売り手の仕掛けは根強くもあります。


新たな受験戦略は、また別の機会に書こうとは思いますが、簡単に紹介するなら、

「自分が何のために学ぶのか」「どんな意味のあることなのか」をしっかり見据えた上で、

順位や点数ではない「学習の中身」とその「習熟度合い」に目を向けること。


さらに、一発勝負ではない、継続や日々の学習を大事にした、学習の進め方が重要になります。



かつてあった、受験一発勝負も、詰め込みの講習や的中講座、模試を受けまくるのも、ほとんど有用には働きません。


繰り返しになりますが、日々の学習と習熟度合いに目を向けることが重要です。


よくある受験テクニック的なことも、現代の子たちの習熟度合い、理解度、と入試の制度と問題の質を考えれば、さほど有効ではありません。これについては、0であるとは言いませんが。


無駄な費用と労力をかける意味はほとんどなくなっている、それが今の入試の姿です。


的中講座も特訓講座も、これはあくまでも業界の都合。それを売りたい人たちが、捲し立てているだけに過ぎませんから。


例を挙げるとすれば、生活のあらゆることを犠牲にして、受験勉強だけをする、ということ自体が、ナンセンスな時代なのです。

それよりも、家族で過ごす時間を大事にすること、自分の身体的健康や、メンタル面をケアすること、さらには、友人やリアルの体験を大事にすることが、現代の子たちにもっとも大事なことであり、人生における戦略です。


特に、学びは、知識同様、実際に経験・体験したものから浮かび上がってくるものです。それが欠如している時代だからこそ、目を向ける必要がある。


非認知の力がよく話題に上がりますが、非認知の力が伸びていないせいで、教科書の勉学もなかなか吸収できないのが現状です。

経験の中には、人との人との間でのコミュニケーションも含まれます。

それは家族だけでなく、友人だけでもなく、少し遠い存在の大人や、年齢の違う先輩後輩同士のコミュニケーションも大事にする必要があるでしょう。

体験やそこにある他者とのコミュニケーションを通じて、非認知の力を高めていく。

そうすることで、人生の長いスパンで見るときの、学びの力を総合的に上げていくことができるでしょう。


裏を返せば、受験問題だけをただ解いているだけ、語句やパターンを暗記しているだけでは、養えないものだということです。

先が見通せない時代だからこそ、目先の受験やそこで不安を煽る商売に流されることなく、学び続けられる人になること、物事への深い理解と習熟、幅広い教養を身につけていくことが、重要になるはずなのです。


もちろん、僕らはその意志を持って、そうした場所を作り続け、皆さんに、その場を提供できればと思っています。


このことを理解していただける方なら、なぜ、僕らの場所を支える講師は、博士であったり、作家であったり、コーチであったりするのか、がわかるはずです。


意味のわかる方のための豊かな道を。
豊かな学びを。ここで。


(おわり)


記事を気に入っていただけると幸いです。NPOまなびデザンラボの活動の支援に活用させていただきます。不登校および発達障害支援、学習支援など、教育を通じたまちづくりを行っています。