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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第6話 米国民政府の民政副長官は元軍政長官で現役琉球軍司令官

真理:リレーっていえばさ、1950年12月に米国軍政府から米国民政府に名前のリレーがあったのよ。

賢人:沖縄が植民地になる少し前ですね。

真理:準備ってわけじゃあないけど、いろいろあって世間体をとりつくろわなくちゃいけなかったの。

賢人:それでなにが変わったんですか。

真理:だから名前よ。

賢人:名前のほかには。

真理:実質的にはなんにも。

賢人:ホントに名前だけだったんですか。

真理:そうよ。

賢人:そんなことしてなんの意味があるんですか。

真理:イメージチェンジね。

賢人:なるほどイメチェンですか。

真理:正式には琉球列島米国軍政府(United States Military Government of the Ryukyu Islands)と琉球列島米国民政府(United States Civil Administration of the Ryukyu Islands)なんだけど、長ったらしいからただ軍政府、民政府って呼ばれることが多いかな。

賢人:軍政府から民政府に変わったら、ぱっと民主的になったと思ちゃいますよね。

真理:ところがどっこい実態はなんにも変わっちゃいないのよー。目立った変化といったら軍政長官が民政副長官に降格しちゃったことくらいなんだから。

賢人:降格は痛いんじゃないですか。

真理:そうねえ。もしかしたら本人にはショックだったかもしれないなあ。

賢人:家では落ち込んでたんじゃないですか。人前では平気なふりしてても。

真理:でも民政副長官は趣味みたいなもんで、本職は琉球軍司令官だからねー。そんなにダメージはなかったはずよ。

賢人:かけ持ちだったんですか。

真理:在沖米軍トップの琉球軍司令官がアメリカの軍事戦略最優先で沖縄を統治してたのよ。だから民政副長官は世を忍ぶ仮の姿でしかなかったの。

つづく


サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条

日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

Japan will concur in any proposal of the United States to the United Nations to place under its trusteeship system, with the United States as the sole administering authority, Nansei Shoto south of 29° north latitude (including the Ryukyu Islands and the Daito Islands), Nanpo Shoto south of Sofu Gan (including the Bonin Islands, Rosario Island and the Volcano Islands) and Parece Vela and Marcus Island. Pending the making of such a proposal and affirmative action thereon, the United States will have the right to exercise all and any powers of administration, legislation and jurisdiction over the territory and inhabitants of these islands, including their territorial waters.

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