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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第2話 沖縄の信託統治はフェイント

真理:しっかし、もう一人か二人ぐらい履修してくれたほうが安心なんだけどなー。賢人くんにもしものことがあったら、あたしはどーすれば。

賢人:先生、オレそんな簡単には死なないっす。

真理:頼りにしてるわよ、賢人くん。

賢人:はい。絶対に生き延びて見せます。

真理:よーし、その意気だ。で、サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条は、もう読み終わったかなー。

賢人:先生、なんか長ったらしくて、堅苦しくて、文才無いとしか思えない、わけわかんない文章なんですけど。

真理:そうそう、誰も読まないようにわざとそうしてあるの。

賢人:なーんだ、そうだったんですか。

真理:うそうそ。半分は冗談よ。

賢人:半分はホントなんっすか。

(中略)

賢人:えっと要するに、沖縄をアメリカの信託統治制度の下におくってことになったんですかね。

真理:はーずれー!残念。そこはフェイントなんだよねー。

賢人:ふぇ、フェイントまであるんですか。

真理:そんなのあたりまえじゃない。今も伝説として語り継がれるマジック・ジョンソンのノールックパスなわけよ。YouTubeで見ると、画質が悪いからホントにボールを見失っちゃうんだから。

賢人:ボールを…?

真理:まっ、それは置いといてと。合衆国のいかなる提案にも同意するって書いてあるけどね。アメリカはけっきょく最後までなにも提案しなかったんだなー、これが。

賢人:どうしてしなかったんですか。せっかく苦労して読んだのに、なんかすっげえ損した気分っす。

真理:じつはー、アメリカちゃんは最初から提案するつもりなんか無かったの。

賢人:えぇーっ!じゃあ、どうしてこんな長ったらしくて、堅苦しくて、文才無いとしか思えない、わけわかんない文章を書いたんですか。ひどいじゃないですか。こんなの読まされる身にもなってくれ。オレの青春を返せー!

つづく


サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条

日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

Japan will concur in any proposal of the United States to the United Nations to place under its trusteeship system, with the United States as the sole administering authority, Nansei Shoto south of 29° north latitude (including the Ryukyu Islands and the Daito Islands), Nanpo Shoto south of Sofu Gan (including the Bonin Islands, Rosario Island and the Volcano Islands) and Parece Vela and Marcus Island. Pending the making of such a proposal and affirmative action thereon, the United States will have the right to exercise all and any powers of administration, legislation and jurisdiction over the territory and inhabitants of these islands, including their territorial waters.



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