間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第4話 沖縄は正真正銘の植民地だった

賢人:そういえば三権分立ってよく聞きますよね。行政権、立法権、司法権…

真理:ところが三権分立じゃあなくて、誰かさんが三つの権力をぜーんぶ独り占めしちゃったらどうなると思う。

賢人:うーん、そうですねえ…見聞色と武装色と覇王色の覇気をぜんぶ使えるって感じですかね。海賊王になるぞーみたいな。

真理:…いやー、微妙だなー。どーだろうなぁ。んー。

賢人:先生、そんなに悩まないでください。

真理:まあ、たしかに似てなくもないか。とんでもない力を手に入れて、なんだってできちゃうわけ。住んでる人を追い出して、家を壊して、田畑を潰して、軍事基地を作ちゃうとかもね。

賢人:戦争が終ってからもそんな勝手なことが許されたんですか。

真理:悲しいことだけどね、賢人くん。植民地にされると、とんでもないことが起こるのよ。

賢人:えっ、でも沖縄は植民地だったんですか。

真理:そうよ。

賢人:えー、そうだったんですか。

真理:だって国際連合のチェックを受ける信託統治でもなく、国際連盟の委任統治なわけもない。となるとそれより前から使われてた植民地って呼び方しか残ってないじゃない。単純な消去法よ。

賢人:へー、そんな単純な話だったんですか。

真理:まあ、わかりやすく単純にしたんだけどさ。詳しく検討する前に全体像をつかんでおくことが大切よ。木を見て森を見ずってことになっちゃあいけない。

賢人:だけど先生、沖縄が植民地だったなんてはじめて聞いたんですけど。

真理:そりゃあ自由と民主主義の国アメリカは反植民地主義の旗手だったんだもん。「新しく植民地を獲得しました」なんておおっぴらに宣言するのはさすがに体裁が悪かったのよ。

賢人:アメリカは体裁が悪くても、日本では本当のことを言えなかったんですか。

真理:あのね賢人くん、忖度はつい最近になって始まったんじゃあないのよ。

つづく


サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条

日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

Japan will concur in any proposal of the United States to the United Nations to place under its trusteeship system, with the United States as the sole administering authority, Nansei Shoto south of 29° north latitude (including the Ryukyu Islands and the Daito Islands), Nanpo Shoto south of Sofu Gan (including the Bonin Islands, Rosario Island and the Volcano Islands) and Parece Vela and Marcus Island. Pending the making of such a proposal and affirmative action thereon, the United States will have the right to exercise all and any powers of administration, legislation and jurisdiction over the territory and inhabitants of these islands, including their territorial waters.



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