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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編

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#短編小説

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第1話 日本独立と沖縄

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第1話 日本独立と沖縄

真理:みなさーん、げんき~。今日も暑いわね。ちゃんとエアコンつけてるか。

賢人:窓から風が入ってくるんで、なんとか大丈夫です。(ゼェーゼェー)

真理:賢人くん、汗びっしょりじゃない。熱中症で死ぬわよ。

賢人:麦茶飲んで水分補給してますから。ウチワもあるし。

真理:エアコン買ったって言ってたのに、もう壊れたの。

賢人:それが、ときどきブレーカーが落ちてしまって。

真理:なにー!早くブレー

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第2話 沖縄の信託統治はフェイント

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第2話 沖縄の信託統治はフェイント

真理:しっかし、もう一人か二人ぐらい履修してくれたほうが安心なんだけどなー。賢人くんにもしものことがあったら、あたしはどーすれば。

賢人:先生、オレそんな簡単には死なないっす。

真理:頼りにしてるわよ、賢人くん。

賢人:はい。絶対に生き延びて見せます。

真理:よーし、その意気だ。で、サンフランシスコ平和条約(日本国との平和条約) 第3条は、もう読み終わったかなー。

賢人:先生、なんか長っ

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第3話 沖縄でアメリカは完全な自由を手に入れた

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第3話 沖縄でアメリカは完全な自由を手に入れた

真理:まあまあ、賢人くん落ち着いてちょーだい。そりゃーはじめのうちは無駄な努力ばっかりだけどさ、そのうちに要領よくなるから心配するな。

賢人:先生、やっぱり無駄な努力だったんですか。

真理:あっ、いや、そんなこたあないよ。まったくの無駄ってわけじゃあないから。

賢人:でも、ほとんど無駄だったんですよね。

真理:賢人くん、大事なことだからよく聞いてちょうだい。

賢人:はい。(ゴクリ)

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第4話 沖縄は正真正銘の植民地だった

賢人:そういえば三権分立ってよく聞きますよね。行政権、立法権、司法権…

真理:ところが三権分立じゃあなくて、誰かさんが三つの権力をぜーんぶ独り占めしちゃったらどうなると思う。

賢人:うーん、そうですねえ…見聞色と武装色と覇王色の覇気をぜんぶ使えるって感じですかね。海賊王になるぞーみたいな。

真理:…いやー、微妙だなー。どーだろうなぁ。んー。

賢人:先生、そんなに悩まないでください。

真理

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第5話 平和条約第3条により沖縄の軍事占領統治を継続

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第5話 平和条約第3条により沖縄の軍事占領統治を継続

賢人:そういえばアメリカも独立するまでは植民地だったんですよね。

真理:そうだねー、北米大陸のケースは植民地って呼び方がピッタリかも。アメリカ先住民がどんな運命をたどったのかを覚えてるかなー。

賢人:そうか、沖縄にやってきたアメリカ人は入植者の子孫なんだ。

真理:いや、もっとあとになってからの移民の子孫とかも多いけどさ。

賢人:もしかして沖縄も北米大陸みたいにされるところだったとか。

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間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第6話 米国民政府の民政副長官は元軍政長官で現役琉球軍司令官

間坂野真理のオンラインゼミ 沖縄編 第6話 米国民政府の民政副長官は元軍政長官で現役琉球軍司令官

真理:リレーっていえばさ、1950年12月に米国軍政府から米国民政府に名前のリレーがあったのよ。

賢人:沖縄が植民地になる少し前ですね。

真理:準備ってわけじゃあないけど、いろいろあって世間体をとりつくろわなくちゃいけなかったの。

賢人:それでなにが変わったんですか。

真理:だから名前よ。

賢人:名前のほかには。

真理:実質的にはなんにも。

賢人:ホントに名前だけだったんですか。

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