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インドネシアのルアン火山噴火と火山の仕組みについて

2024年4月29日、インドネシアのルアン火山が3回噴火し、島民1万2000人に避難命令が出されました。警戒レベルは4段階中の4、1871年の噴火では火山の一部が海に崩落して津波を引き起こした事から厳重警戒体制が取られています。
4月28日にはM6.1の地震も起きており、大変心配な状況です。


火山大国インドネシア


インドネシアの活火山、参考:https://www.worlddata.info/asia/indonesia/volcanoes.php

インドネシアの活火山は128箇所です。日本は111箇所なので若干多い程度です。しかしインドネシアでは、ルアン以外にも2箇所の火山で火山活動が起きています。

火山の噴火はどのようにして起きるのか

火山は非常に繊細です。マグマが地殻を押す力と、山が地殻をおさえる力がバランスを取っていると、火山の噴火は起こりません。

ミルフィーユの層は地層を、いちごジャムはマグマをそれぞれイメージしています。
こんなケーキが存在するかはわかりませんが…

しかしこのバランスは、ある日突然崩れます。
マグマ内で発生したガスが地殻を押す力が過剰になったり、山が風雨で削れて地殻を押す力が足りなくなったり、そもそも地殻にヒビが入ってしまったり。
例えば2021年に起きたインドネシアのスメル山の噴火は、降り続く雨によって火山頂上にある溶岩ドームの栓が侵食された事が原因と考えられています(https://www.preventionweb.net/news/mount-semerus-deadly-eruption-was-triggered-rain-and-storms-making-it-much-harder-predict)

人の手で噴火を防げるか?

マグマの圧力を抜けば、噴火を人工的に防げるのではないかと思いがちです。しかし、摂氏2000℃の膨大なマグマを吸い出せる耐えられるストローを人工的に開発することは不可能です。また爆発することもあるそうです。

なぜ爆発するのか

火山の噴火では、マグマが水と接触てできた水蒸気が蓄積して、噴火のタイミングで一気に放出されて爆発します。
しかしそれ以外にも、マグマの中に水が蒸発せずに残っている可能性があるということです。
以下の論文では、人工的に作った溶岩で実験を行っていますが、浅いマグマ溜まりに水をゆっくり注入すると、ライデンフロスト効果が起きて、マグマ内で水が蒸発しないそうです。

ライデンフロスト効果

高温の物体と水が接触すると、接触面が蒸発して保護膜を形成します。そしてこの蒸気膜が水と物体の接触を回避し、しかも熱伝達もある程度防ぎます。これをライデンフロスト効果を呼びます。水滴を高温の物体に垂らした場合、140℃〜300℃でこの効果が起きるそうです。

おわりに

こんな感じでマグマを吸い出せたらいいのに…

火山活動は人工衛星の写真(mods)や表面温度計で観測しているのですが、地震と同様に予測は不可能なんだそうです。
インドネシアは大変な状況ですが、引き続きニュースを追って行きたいと考えています。

最後までお読み頂きありがとうございました。いいねやコメントをいただけますと励みになります。また次の記事でお会いしましょう。

TickTockで動画を見ましたが、火山の噴火は本当に恐ろしいですね


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