見出し画像

は?熱ではなく光によって水が蒸発している!?大発見、光分子効果とは?

2024年4月23日、マサチューセッツ工科大学が光が熱を必要とせずに水を蒸発させる仕組みについての記事を公開しました。
もし本当だったらあまりに日常にありふれている現象で、誰も気づかなかった事が不思議なくらいの大発見だったので、ご紹介します。


MITの実験について

以下は昨年末に発表された、水を染み込ませたヒドロゲル材料に緑色の可視光を当てる実験のGIF動画です。ガラス面に蒸気が当たって白くなる様子がわかると思いますが、どうやら熱では無く光によって蒸発が起きていたそうです。この現象をより詳しく調べたのが今回ご紹介した記事の内容です。

参考:https://news.mit.edu/2023/surprising-finding-light-makes-water-evaporate-without-heat-1031、ガラス上の白い結露は、熱を加えずに緑色の光を使用してヒドロゲルから水が蒸発したものです。 画像: 研究者提供

追加の検証、水面上の気温を測ってみたところ…

さらに調べた所、ヒドロゲル表面以外でなく海の水面のような平面でも、雲の水滴のような局面であっても同様の現象が起こるとわかったそうです。
試験の内容は容器内の水に可視光をあてて蒸発の様子を観察するというものでした。蒸発が継続中に水面上の気温を測定したところ、一旦気温が下がったのですがその後は横ばいだったため、熱エネルギー以外が原動力となり蒸発が継続していた事がわかったそうです。

それ以外にもおかしな現象が…

それ以外にも水が光をほとんど吸収していない事も確認されました(水は透明なので当然です)
にもかかわらず、光を水面に対して45度で当てたり、緑色の光を当てたりすると蒸発がより進む事も確認されました。

命名、光分子効果

研究者らは、1905 年にアルバート・アインシュタインによって説明された光電効果に類推して、これを光分子効果と名付けました。
光電効果が光子の照射に反応して材料内の原子から電子を解放するのと同じように、光分子効果は光子が液体表面から分子全体を解放できることを示している、と研究者らは言ったそうです。

おわりに

論文にアクセスできなかったため、かなり簡単なご説明になってしまいました。今後も新情報があればご紹介したいと考えています。
イラストは緑色の光で体の乾きが早いと気づいた爪切り中の女の子とH₂0分子でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?