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成長し続けている会社の経営陣10の特徴と僕が意識していること

皆様、こんにちは!
テックタッチ株式会社のCFO/CPOの中出 昌哉(なかで・まさや)です。(@masaya_nakade)直近取締役にも就任させてもらって、経営について考える機会が増加しています。

そんな中、経営陣note企画で僕の番が来ました。従前は、CFO業務やCPO業務のより業務に近い領域のnoteを書いてきたのですが、今回は趣向を変えて、少し俯瞰した目線でnoteを書いてみたいと思います。ライトな内容・分量なのでパッと読めると思います。

今回の内容は、タイトルの通りですが、成長している会社の経営陣の特徴ってなんだろうと考える機会が多いので、その話とそれに絡めて僕が意識していることを記載できればと思っています。


0. 前提情報:沢山外に出て議論する

僕個人のルーティーンとして、かなり外の人に会いにいくのを心がけています。スタートアップの人に会うこともありますし、大企業の人に会うこともあります。特に、ハイレイヤーの人に会いに行くように心がけていて、平均で5~10人/月はCxOレイヤーの人に会い、経営に関する意見交換をさせてもらっています。(皆さん本当にありがとうございます!!!)
目的は大きく三つで、

  1.  めちゃくちゃ勉強したい

  2.  何か僕が持っているものを返したい 

  3.  恥をかきたい

です。
1と2はわかりやすいと思うので割愛しますが、3の恥をかきたいは結構意識していることの一つで、ただ聞くのではなく、自分があまりわかっていない領域の話に関連して、自分の考えを仮説で出してあててみて、具体的にダメなところを教えてもらって、軌道修正をかけていくというのを意識しています。
確実に、あ、こいつ何もわかっていないんだな。とか理解が浅いなと思われるのを全力で覚悟しながら、ポジションをとって議論して、恥をかいてみる。そのあと死ぬほど勉強する。というサイクルを回していて、超おすすめですw(具体的に学べるのと、中々年をとると恥をかけなくなり、恥をかかない時間=成長していない時間だと個人的に思っている人なので、あ、最近恥をかいていないなと思ったら、厳しく教えてもらえる人に会ってお話をし、成長曲線を立てるということをしています)

そして、会って話したこと・自分が感じたことをスプレッドシートに時系列で記録しています。これは、備忘録として、話したことを思い出したいときに自分だけで見ているものなのですが、今回は、その中から、この会社・この人すごいな。と感じたものを、抽象化していきたいと思います。この抽象化されたエッセンスは、僕自身が経営を考え実施するときに総動員しているものでもあるので、このナレッジを使用した自分の経験の話も含めて記載できればと思っています。(ちなみに、纏め方も紆余曲折があり、以下のスプレッドシートになったのも、尊敬する経営者の方のをパクりましたw)

スプレッドシート

1. ユーザーへの理解度がバリバリ高い

まず、ユーザーの理解度がめっちゃ高いというのが共通して当てはまることかなと思います。
これは、創業当初であれば、ユーザーヒアリングして、仮説を立てて検証してというのを当たり前の様に実施しているとは思うのですが、強いなと思う会社は、ある程度グロースした後も継続的にユーザーの理解度を向上させる施策を実施している印象です。
ユーザーに会って、今までとは違う角度で、ペイン&ゲインを改めて整理する、ユーザージャーニーマップを整理する、等をプロダクトサイド/Bizサイド両方で実施し、理解しているというのがキーだと思っています。僕自身も資金調達の相談を受けた際に、そこそこな頻度でお勧めしているのが、ユーザー理解度の向上で、こればかりは、自社でやっているつもりになったとしても、意外にできていないことが多いなと感じています。そしてそれは、トップクラスにやりきっている会社との比較でしか理解できないものでもあるので、めちゃくちゃやり切っている会社の人に話を聞いてベンチマークするのがお勧めだったりもします。(自社はやっている!と思っても全然できていないことがほとんどな気がします。売ることやサポートすることと、ユーザーを理解することは全然違ったりもするので)
僕もシリーズBを超えた後に色々な角度で(これが重要で、従前に実施したものと同じ角度ではなく、違う仮説をもって顧客の理解をしにいくのが必要な気がします)、ユーザーインタビュー等を重ねていますが、仮説の精度も検証の精度もかなり上がり、ビジネスの側面からも、プロダクトの側面からもインパクトがあったと思います(例えば、セールス観点の訴求、CSの新しいあり方の提案、プロダクトで何を作っていくべきか考える、等広範囲にききます)。このnoteを読んだ後に、一つ何かをしよう!と思った奇特な方がいたら、この1のユーザー理解度向上か、6のファンを作るか、10の長期ダイナミクスを考えることを実施するのをお勧めするぐらい、大事だと思います。また、自分で率先して実施し、結果を社内に共有していくと、ユーザーに興味を持つ文化を社内で醸成していけるので、それもお勧めです。
僕自身も、インタビューをゴリゴリ自分でやりますし、プロダクトの利用データも自分で見ますし、ジャーニーマップも自分で作っているぐらい、ROIが高い行動かなと思います。参考までに、以下が、僕が作ったジャーニーマップの一つの例です。このような作業をベースに最適なUXの考案・変更を日々実行しています。

ジャーニーマップの一例

2. 大きい市場に張っている

これを言ったら元も子もないですが、市場が大きいところで戦うのは大事だと思います。市場で成否が結構変わってしまうので、特に超初期のフェーズでは全員が一番考えていることかなとも思います。「市場が伸びる、追い風があるところに張っている」というのはうまくいっている会社のほとんどの創業者から聞きます。
では、大分市場が立ち上がってきたタイミングでは市場の大きさは考えなくていいのか。創業者だけが考えるものなのかというとそんなことはないと思います。
常に改めて市場を考え・振り返って、ペネトレーションの度合いや、ホワイトスペースはどれぐらいあるのか、等を考えたり、そのホワイトスペースから逆算したときに、どれぐらいの資金を投下していくのか(採用計画等も含めて)、もっと市場は増やせないのか、等は定期的に見直し、考える必要があると思います。また、近接領域で製品・機能を拡大していくというのは必須だと思うので、その意味でも、市場を見直す、その既存市場でどう戦っていくか考える、増やせる近接市場がないか見渡すというのはかなり効果があるのでお勧めです。
僕自身、色々なカットで市場分析自体は、年に2回ぐらい振り返りも含めてやっています。一歩引いた、市場分析は忘れがちになってしまうので、一度一歩下がって考えてみることはお勧めです。
(ちなみに、僕が、PEファンドにいたときも、結局は市場。という話をよくしていました)

3. ことにむかっている、仮説を立てるのがバリバリうまい、細かいPDCAを回している

ことにむかっている人は僕が一番好きな人種の人ですw
この「ことにむかう」を僕なりに翻訳すると、「ユーザーの課題・市場のペインを本気で考えて、炙り出し、そこに解決策を継続的に提示している」ということなので、結局は1と同義なのかもしれません。
また、「解決策を継続的に提示」しようとすると、細かい施策が沢山出てきて、PDCAを回していかないといけないので、そこの施策の見極め力(無駄な弾を打たない仮説力)と弾を打ち切って回す力(施策量と検証量)がどちらも重要な印象です。
特に仮説の作り方はすごく力の差が出るところだと思っていて、センスの鬼タイプと積み上げ型の両方が存在している印象で、僕は後者です。積み上げ型の方は割と簡単で、まず問題に直面した時に、その問題の周辺領域も含めて広く俯瞰して考える=>一次情報をとる(定性・定量両方)=>その一次情報を踏まえて自分の仮説を作るという流れを踏まえると解像度がかなり高くなると思います。いまいち仮説が足りないという方は上記のプロセスのどこかが欠落してしまっている印象なので、振り返ってみるとわかりやすいかもしれません。
また、PDCAを回すことは、より現場寄りになっていくので、メンバーの力量が高いところはそこの精度も高く、いいメンバーがいるチームなんだなとかも必然的にわかったりします。
僕自身も、PDCAの質・量にはかなりこだわっている領域の一つです。

4. Silver Bulletはないことを理解している

銀の弾丸はないと理解しているのも印象的です。「Silver Bullet」は、これさえやればなんでも解決!みたいな特効薬を指す言葉なのですが、そんなものはないということを理解しているひとが優秀なひとの特徴な気がします。
例えば、この市場で勝つならマーケティングさえうまくできたら勝てるとか、セールスで強い人がいたら勝てるとか、そんな単純で簡単なものは存在しないということで、逆に、色々な人がその簡単な特効薬に解決策を求めがちな印象でもあります。
自分の会社がうまく今いっていないのは●がないから、とか、もっとうまくいくには●があれば、等を考えている人がもしいたら、その人には、是非、もう一度、1「ユーザー理解度向上」に立ち戻るのがお勧めです。
僕自身も色々な方と話していると、●をやったらいいらしいと聞くこともありますが、それは、3の「細かいPDCAサイクル」レベルの話で、インパクトが少しあるかも知れない一施策でしかなく、何か一つの施策・採用・アクションで大きく会社の業績が変わったことを経験したことも、聞いたこともないです。

5. チーム作りがうまい

チーム作りがうまいのも印象的です。人を見る洞察力が高かったり、自分が一人でできる限界を知っていて、チームのバランスがうまくとれるような採用をかけていて、強いチームが揃っているのも特徴かなと思います。
必ず強い会社には、何枚も(下手すると何十枚も何百枚もかもしれませんが)、看板が揃っていて、その看板の数で勝敗は分かれている印象でもあります。
また、採用でしている工夫や、洞察力の源泉のtips等も必ず話していると出てくる印象で、僕自身の面接の時にパクったりもしていますw

6. ファンを作れる・ストーリーテラー

優秀だなと思うひとと話していると何故だか必ずその人自体のことを好きになりますw
そんなときは、本当にファンを作るのがうまい人なんだなぁと毎回感じます。そういう方に会うと僕も何かを返したくなるので、win-winな関係がいつの間にか構築されています。
また、謙虚な立ち振る舞いのひとも多く、そういう方を見ると自分の襟も正される感じがし、自分もファンを作っていかないと!と思わされます。この志向性が社内にも向いているので、5のチームを作れるにつながっていくのではないかとも感じています。
また、ストーリーで話すのがうまい人も多いです。自分の経験・考えを踏まえアナロジーを使いながら、世の中のトレンドを説明したり、それを使い、会社の方向性を説明したり、人を惹きつける力の源泉なんだろうなと感じます。僕自身はここがあまり得意ではないので、実は今こっそり練習していたりしますw

7. アンテナを立て、発信している

今何を考えているか、どんなことを求めているのか、等をさりげないタイミングで、色々な人に共有しているのも印象的です。例えば、今●●のような事業をやろうとしているんだよね。とか、●●みたいな人を探しているんだよね。みたいなものです。
この効果は、6のファンを作るとセットで効果を発揮する気がしていて、ファンが、こういうものを求めているんだとインプットされると、何かをしてあげてしまう。みたいな感じでしょうか。
僕もどこかのタイミングでその発言を思い出して、何かしらの行動をしていて(紹介する、等)、効果は絶大な気がします。
損はないので、僕も6の「ファンを作る」とセットで(ファンを作れているかわかりませんが)、こんなことに困っている等は言うようにしていたりもしますし、実際何かを返してくれる方は多いです。

8. 自責的

常に自責的な人が多いです。
投資家が理解してくれない、チームメンバーがうまくいっていない、等言い訳が多い人もいる中で、うまくいっている会社のひとは自責的で勉強家な人が多いと思います。
そのような勉強家・自責型の人を見ていると、6のファンにもなる人が増えるので、そこに相乗効果がある様にも感じます。
逆に、他責的な人と話していると元気を持っていかれてしまうので、ちょっと大変そうだなぁとも個人的に思います。
僕自身も疲れているときはネガティブになりがちなのですが、なるべくポジティブに考えられるように自責型の人を見て、改めて努めていたりもします。

9. 長期で数字で考えている

長期的な目線で数字も踏まえながら意思決定をしているのも特徴だと思います。
長期的なマクロトレンド、自社の置かれているインダストリートレンドを理解しているだけではなく、話しをしていると、キーとなる数字は必ずスラスラと出てきます。
また、自社の経営も数字でしっかり頭に入れている人が多く、CFOとしても頭が下がる人が多いです。
長期でやりたいことから逆算をしながら、しっかりそれを数字で可視化することで、会社のメンバーとのベクトルも併せやすいんだろうなと思っていて、それ自体が巨大なレバーになり得ると感じています。
僕自身も、CFOということもあり、長期的なマクロトレンド、マーケットのトレンド、テクノロジートレンド、事業のトレンド、等を見ながら、長期でやらないといけないことの意識合わせを都度数字を使いながら実施しています。

10. 長期ダイナミクスと行動

Last but not least、
長期的なダイナミクスを理解して、行動に移している人はかなり少ないですが、できている人が稀にいて普通にすごいなと感嘆します。
長期的なダイナミクスだと、将来事業環境どうなりそうかという変化を読んで(例えば、弊社はSaaS企業なので、Gen AIがSaaS業界にどう影響を与えるか、等も含みますし、それ以外の構造的なテクノロジートレンド、マクロトレンド、消費者のマインドセットの変動、等も含みます)、当該環境を理解しつつ、それを踏まえての自分なりの仮説・理解がある人が稀にいてすごいなとも思いますし、それが経営のど真ん中な気もしています。
また、その上で、どんな施策をうっていくか、検証していくか、等を他社・他業界の動きも入れながら考え、実行している。というところまで踏み込んでいるパターンもあります。
僕自身も今年のテーマはまさにこういうところに置いていて、こういうことを考える時間を今年はより一層増やしていきたいと考えていたりします。(とは言っても実務を持っていると中々ハードルがあってできないことも多いですが、、)

最後に

いつもと趣向を少し変えたnoteでしたが、如何でしたでしょうか!?面白かったら是非Likeしてもらえると助かります!
また、今回のnoteの通り、僕も発展途上で勉強・情報交換したいので、是非意見交換させて欲しいです!奇特な方がいたら是非ツイッター等でDMください。

そして、一番重要な話ですが、
テックタッチは、一緒にビジネスを拡大してくれるメンバーを大募集中です!少しでも興味があればお話ししましょう!!めっちゃいいチーム・いい事業だと思います!
会社HP:https://techtouch.jp/about/

また、その他の経営陣のnoteはこちら:

そして、僕の他のノートはこちら:


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