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雰囲気の良い職場を作るために必要な人材は優秀な「パシリ」だ!

雰囲気の良い職場と雰囲気の悪い職場がある。その違いはなんだろうか?上司のリーダーシップの差か?それもあるかもしれない。しかし、私はもう一つ理由があると思う。それは職場に「パシリ」がいるかどうか。自慢ではないが私は「パシリの極み」を自称している。今回は自分の経験を踏まえて「パシリ」の必要について論じたい。

なぜ職場には「パシリ」が必要か?

みんな、「パシリ」というと良いイメージよりは、むしろ悪いイメージだろう。三省堂大辞林で実際に「パシリ」を調べると以下と書いてある

パシリ=都合のいいようにあごで使われる人

うん。たしかに実際に学校生活で「パシリ」というと、パンを買って来させられたり、荷物を持たされたりというイメージが強い。

しかし、私の言う「パシリ」は会社内で「率先して嫌なことをやる人」のこと。みんな、自分の職場を思い出してみて欲しい。私で言えば野村證券時代は収益を稼ぐこと、野村アグリ時代で言えばコンサルをすることがもちろんメインであるが、会社生活はそれだけではない。

会社には普段の仕事の中にある細かい作業はもちろん、日々の職場の飲み会、人事異動、社内イベントなど、大きいことから小さいことまで様々なイベントがある。それを上手く回すためにも「パシリ」が必要なのである。

「パシリの極み」までの軌跡

私は、2005年に野村證券に入社して千里支店に配属された。千里支店は同時30人程度の小さい支店であり私は4年ぶりの新入社員だった。小さい支店だったため、翌年は新入社員はゼロ、さらに翌年の新入社員は女性(総合職)だった。そのため、千里支店に在籍している間ひたすら「パシリ」をやらざるをえなかった。

自由が丘支店に異動してやっと後輩ができた。しかし、徹底的に「パシリ」を仕込まれた私にとっては、当時の後輩達の気配りのなさが気に食わない。そのため、若手の筆頭となって自分から「パシリ」をやるハメになってしまった。

そして、野村アグリプランニング&アドバイザリー(NAPA)に出向したのが29歳。課長代理だったので支店では中堅社員。しかし、NAPAでは最年少。その結果NAPAでも「パシリ」役をやらざるをえなかた。つまり私の社会人人生は「パシリ」と共にあり、自然と「パシリ」を極めてしまったのである(笑)

「パシリ」に求められる役割とは?

では、具体的に職場で求められる「パシリ」の仕事とは何か?

・業務連絡表の印刷、会議・セミナー・勉強会の準備
・飲み会の幹事(店決め、出欠の確認、会計)
・二次会(カラオケ)での盛り上げ役
・イベントでの一発芸
・異動時の送別会の手配&異動者への花束&プレゼントの準備
・ウォーターサーバーの水の交換
・コピー用紙の補充、コピー機トラブルの解消
・派遣社員の方との雑談・飲み会

ざっと思い浮かんだだけでも上記のようなことが必要になる。「これも社員の仕事?」と思うものもあるかもしれない。

その中でも特に重要であり、かつみんながやりたくないのが飲み会の幹事だろう。人数が増えれば増えるほどなおさらである。飲み会の場所を決めるところから始まり、出欠の確認、飲み屋での集金、もしくはその場で立て替えて後日に集金など、面倒くさいったらありゃしない。

特に、最初の千里支店では1次会だけでは終わらず、2次会、3次会と続く。その集金を翌日にすることになるのだが、「そんなに高いの!?」「私そんなに飲んでないのに!」と文句を言う方々が出てくる。「なぜ俺が言われないといけないのだろう・・・」と思ったものである。

「パシリ」役は本当に損か?

こんなことを書くと「パシリ」役はやりたくない!という人がほとんどだろう。確かに面倒臭いことばかり。でも、サラリーマンでいる限り、誰かがやらなければならないことでもある。それを自分がやるのか、誰かにやらせるのか?というだけ。

しかし、今の「パシリ」をやり続けたからこそ身につけた能力もたくさんある。例えば飲み会の予約。人数が多くなればなるほど当日のキャンセルもどうしても増えてしまう。キャンセル料がでないように人数の融通など外食との交渉が上手くなった。またNAPAでは職業柄、外食との繋がりも多かったので、幹事をやることで自分の好きなお店を予約できる。

異動や退職の時のプレゼントはわざわざ百貨店まで買いに行っていた。その際に、退職祝いなら日本酒やワインなどのお酒等のお酒、女性の結婚&退職祝いならバカラのペアグラス、社員の異動ならポールペンや名刺入れなど、その時の状況によって周囲に相談しながら、またお店の方にも人気があるかヒアリングするなどすることによって感性を高めることができた。

そして、何より身につけられて良かったのは「気配り力」「空気を読む力」。「パシリ」はやらされ仕事なのにできないと「使えねーなー」と言われてしまう。そう言われないために「こういう時はどうしなきゃいけない」と次の一手を読んで先に動けるようになれたのは「パシリ」を極めたことの一番の成果である。

カラオケは空気を読む力を身につけるのに最適

特に「空気を読む力」をつけるのにもってこいの場所が職場でいく二次会のカラオケである。今では行く機会も少なくなってしまっているかもしれないが(新型コロナの現状は除く)、千里支店でも自由が丘支店でも1次会を飲み屋で過ごした二次会は必ずと言っていいほどカラオケにだった。

カラオケでは「パシリ」のアンテナはフル稼働。まずやらなければいけないのは一発目に歌うこと。それもノリの良い曲!バラードなんてもってのほか(笑) そこで他の社員が歌いやすい空気を作る。乾杯をした後は常に上司のお酒の減り具合に目を配り、少なくなってきたら「次は何飲みますか?」と確認して注文する。

そして、二次会カラオケで一番大事なのは、曲を途切れさせないこと。これには女性陣との連携も欠かせない!もし曲が途切れそうになったらとりあえず自分が歌う!その間に女性陣には上司に歌うように勧めてもらうのである。上司の十八番を熟知しておくことは当然であり、まさに女性社員との「阿吽の呼吸」が重要!※あくまで当時の話として読んでください(笑)

今では職場でカラオケに行くこと自体が減っているかもしれないが、私が20代の頃は当たり前だったし、二次会カラオケはまさに戦場だった。しかし、このカラオケのおかげで「空気を読む」スキルを身につけられたのは確かである(笑)

「パシリ」がいるこそ職場が回っている

いかがだっただろうか?このnoteを読んだ人は自分の職場を思い返してみて欲しい。楽しかった職場には私のような「パシリの極み」がいなかっただろうか?

私は決して自分がスーパーセールスマンだとは思っていない。しかし、私が異動した後に「仲野がいた時は職場が(飲み会が)楽しかった!」と必ずといっていいほど言ってもらえる(社交辞令かもしれないが・・・)。でも自分くらい「パシリ」を突き詰めた人はいないという自負はある。

「パシリ」は面倒なことばかりであり、やりたがる人は少ないだろう。しかし、繰り返しになるが「誰かがやらなければならない」。であるならば、誰かにやってもらうのではなく自分でやってみて欲しい。

最初は理不尽に感じることが多いし、今でも「損な役回りをしている」と思うことも多い。しかし、「仲野がいてくれて良かった」と思ってもらえた方がよっぽど嬉しいので今も「パシリ」を続けている。是非、「職場を変えたい」「自分を変えたい」と少しでも思っているなら「パシリ」をやってみて欲しい。新しい自分が発見できるかも!?

「農林漁業を夢のある食産業へ創造する」というミッションを実現するために活動を続けております!何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m