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我が家の移住プロローグ、田舎暮らしスタートの話🌟

2011年の東日本大震災発生時。
我が家は千葉県の浦安市に住んでいました。


ディズニーランドがあるところ、と言えば誰もがわかりますかねー?
海側にリゾートマンションがどんどん立ち並ぶ素敵な街でしたが、震災の時には液状化が激しく、東北の被害とは比べものになりませんが、道路も波打ち、陥没し、マンホールは飛び出して(当時はネットでリアルマリオとか揶揄されてました…)ライフラインもストップし、地味に被災していたところです。

液状化で吹き出した泥土が道路を覆っている様子に、昔、祖母から見せてもらったまだ道路が舗装されてなかった町の写真を思い出しました。


そんな道を土埃をあげて自衛隊の車両が走っています。

「これってホントに現実なんかな」

とても信じられませんでした。



さて、かれこれ30年以上も前になっていることが恐ろしいのですが、私は九州の大分で生まれ育ち、憧れの東京に行きたくて行きたくてしょうがない女子高校生でした。

「私、絶対、東京の大学に行くから!」

と、宣言すると、まわりの友達は、

「へー、まさりちゃん、東京行くんやー!
すごいねー」

そして、同時に、

「東京なんか行ったら、関東大震災で死ぬんじゃないの?」



と、脅されたものです。

確かに…そうなんだよなあ。それだけが怖いんだよなあ💦
と、近い将来必ず起こると言われていた関東大震災にビビりつつ、それでも東京への憧れは捨てきれず、大学進学と同時に上京したのです。


そして2011年3月11日。
震度5強の揺れで何もできず、廊下の壁に手を突っ張り必死に体を支えながら、

「あーーー、今日かーー。
今日だったのかーー」


と、人生最後の日を覚悟しました😱
(マンションの1階だったので、潰れて圧死するかも、痛そう…とか思ってました)


キッチンの照明がガッシャンガッシャン
ぶつかりあって割れました。
リフォームしたばっかりだったのにーー。
ひーん。
慌てて長男の小学校に迎えに行こうとしたら
マンション敷地内はこの状態
マンション敷地内に
水道管が破裂しているところがあり、
そこからみんな水を汲んでいるところ。
(トイレ用、生活用水のために)
すごいサバイバルな感じ…。



幸い、マンションは潰れることもなく、命は無事だったんですけど、その後の激しい液状化。
ライフラインもストップしてしまい強いられる不便な生活。
そして続く原発事故。


3月15日には家族そろって、私の実家のある大分へ避難したのでした。

期間限定のつもりでした。
(まさかその後、家族で移住することになるとは露にも思わず)



長男アキラの小学校は311からそのまま春休みになったので、そのまま4月前半まで大分で過ごし、新学期に合わせて浦安に戻ってきたのですが、とにかく、

「また大きな地震が来たらどうしよう?」

とか

「放射能は直ちに影響はないと言っているけど信じていいのか?」

とか、不安だらけの毎日。


そんな6月のある日、夫が、



と、いきなり提案してきたのです。

家族バラバラになる母子疎開というのは、それまで選択肢になかったんですけど、

「ほお? そういうのもアリなのか?」

と思った瞬間、母子疎開に向けて話が急展開。


18才で上京してきた時には、まさか実家のある大分にまた戻る日が来るなんて全く思ってなかったですが、せっかく引っ越すなら、実家に近いところもいいけど、大分の中でも住んだことのない町に住んでみたいなー、どんなアパートがあるのかなー。

そう考え始めると、なんだか楽しくなってきてしまいました(引っ越し大好き💕)。
インターネットであれこれ物件を探しては、内見の予約をせっせとしたり、急に楽しく忙しくなる私🌟

すると、それを横で見ていた夫が、



へ?
おいおい、あんたが引っ越せって言ったんでしょ!!

夫からしてみると、自分から母子疎開を提案したものの、

「何を言ってるの! 家族はやっぱり一緒にいなくちゃ!」

とか

「アキラと2人だけじゃ、やっぱり不安だし寂しいよ」

とか。
嫁の方から、多少なりとも「そうは言っても」的な話が出てくると思いきや、

「あ、そう? じゃあ、そうしよっか!」



と、あまりにも躊躇なく、新生活に向けて行動をし始めているので(しかも楽しそう)寂しくなったようです…😅
知らんがな。


引っ越し先は、あちこち探して、大分市内からはかなり離れた日田の山奥まで内見に行きましたが、結果的にご縁があったのは、実家から車で15分ぐらいの古—いアパート。
外見はちょっとボロですが、中はリフォームされていて綺麗だし、高台にあったので景色が最高でした。
昭和46年生まれ、と私と同い年だったのにも何かご縁を感じました。



大分での母子生活が始まってから、夫も1〜2ヶ月に1度は大分へ来るように。

大分空港に出迎え、2〜3日一緒に遊んだら、また空港へお見送りです。


いつまでこんな生活が続くのかなー?
これってほんとにアキラのためになるのかなー?

やはり色々な疑問は沸いてきますが、夫婦の間では「とりあえず3〜4年は様子を見て、それから考えよう」という方針でした。

浦安に戻ってまた家族3人で暮らすことを諦めていたわけではありません。


さて、そんな遠距離家族生活が半年ほど続いたのですが、思いがけず10年ぶりにもう一人息子が増えることになったのです。


ただでさえ一人で浦安に残って寂しい父ちゃんですが、こうなってくると、

「オレだってそっちで暮らしたいー❗」




そりゃそうでしょうね。

というわけで、長年勤めた会社を辞める決意をし、大分でも独立してやっていける準備をし、次男ハルキが生まれる直前に、大分へ引っ越してくることになったのでした。


久しぶりに家族が一緒になるのはメデタイ🌟
さらに家族メンバーが増えるのも大変メデタイ🌟…ですが、どう考えても…

このままじゃ家が狭すぎるでしょー。



もともとアキラと2人暮らしの予定で借りていたアパート。
ここにいきなりメンバーが2人増え、浦安の家財道具一式を持ってくるのは…、

どう考えてもムリ!
ムリですっ!



もうすぐ臨月でしたが、再度4人で暮らせる物件探しを開始!

アキラと2人の時は、田舎暮らしのハードルが高かったのですが、夫も一緒に家族全員だったら、思い切って田舎の古民家とかでもいいんじゃないの?
仕事も辞めて年収がかなりダウンしてしまうので、家賃をなるべく抑えたいということもあり、大分県北部の安心院あたりで古民家物件をあれこれ探してみました。


ですが、いくつか見に行っても、残念ながら「これだー!」という物件にはなかなか出会えず、アキラも自然大好きのくせに

「トイレは洋式じゃないといや」



とか、

「くみ取りはあり得ない」



とかワガママ言うし、夫まで


「ウォッシュレットほしいよなー」



とか言い出す始末。


そんな古民家あるかー!





そんな感じで時間だけが流れ、やばいあと一ヶ月で予定日!という12月のある日のこと。

家事をしながらぼんやり聞いていたラジオで、大分県内のとある町の「子育て定住促進住宅」の募集を知ったのです。


え? ちょっと待った!
なんか今、うちの条件に合うすごくいい話してなかった??


ぼんやり聞いてたので詳細が分からなかったのですが、ピーンと来たので、急いでパソコンを立ち上げて、さきほどラジオから流れてきた「子育て定住促進住宅」の募集について調べました。

内容は、こんな感じ。

「入居資格:市外に在住しており、同居の子に小学生以下の子がいること」

「新築一戸建て、庭付き駐車場付き、家賃48,000円。
 同居する小学生の人数によりさらに一定金額を控除」


うおおおおーー、いいじゃん、これーー!


すぐ夫に連絡して、来週が応募の締め切りだから、この土曜日に現地を見に行ってよかったら申し込んじゃおう!という話をしました。


そして土曜日。
建築中の家を見に行くと、近くには川が流れ、田んぼに囲まれた田園地帯ですが、車で5分も走ればスーパーやホームセンター、本屋、コンビニなどもある便利な場所。
なによりアキラが、早速近くの川で遊びながら、


「ボク、ここがいいー。
ここに引っ越したーい」


と、大層気に入っております。


うーむ。自然たっぷりの田舎だけど、家が新築でキレイ(トイレも多分洋式)という、我が家の条件にはピッタリじゃないですか!


これ以上ない好物件を引き寄せてしまいました!



全員一致で気に入った物件。
早速、大分のアパートに戻ってから申し込みの手続きをしました。


浦安から書類を取り寄せないといけないので、間に合わない書類もあったのですが、その辺は市役所の方に説明してなんとか応募を受け付けていただきました。ふー、やれやれ。


でも大きな問題があります。

応募すれば必ず入居できるというわけではないということです。

応募者多数の場合は書類選考と市長面接の結果で入居者が決まるとのこと。


市営住宅入居の選考で市長面接ってすごいな、おい😅

我が家的には、もうこの家に引っ越してくる気満々なんですが、さて、どうなることやら。

心安らぐ田舎の風景💕


そんなこんなで書類審査がどうなるか、ドキドキの年末を過ごしつつ、大晦日には予定よりちょっと早く、次男ハルキを無事に出産しました♪



そして、年明けには書類審査に通ったようで、


「市長の面接がありますので来てください」


と、連絡がありました。


指定された日は平日。
アキラは学校があるので、アキラ以外の3人で行く予定でしたが、仲間はずれのアキラから大ブーイング。


ほんとにもー、うるさいな、おまえは。

…というわけで、アキラも学校をお休みして、我が家の気合い度を示すという大義名分のため家族総出で行くことにしたのでした。



さて、面接の前に近くの神社へ。
参拝の理由は、

①遅ればせながらまさりの初詣(年末年始は出産のため初詣まだ行ってなかった)
②次男ハルキの簡易お宮参り

③お家が当たりますように祈願

と、盛り沢山です(兼ねすぎ、欲張りすぎ💦)。


おみくじを引いてみると、中吉で、

「はじめは憂き事あれど、後、吉
 深く嘆き悲しまず身を慎んでおれば 後は万事思いのままになります
 あわてさわぎ心乱れると 災いこれより起こる事あり 心静かにしなさい」

と、ありました。
なんとー。

これはもう、勝利宣言と
受け止めていいのではないでしょうか。



面接前に最高のおみくじ引いちゃったな〜💕と思ったものの「はじめの憂き事」というのがチョット気になりますね…。



さて、面接への道中。
せっかくいいおみくじを引いたというのに、つまらないことでアキラがふてくされております。
多分、お腹が空いてたせいだと思います。

我が家を覆い尽くす、険悪で暗~~~い雰囲気。



せっかく、家族総出でアピールしに来たのに、ふてくされた息子を連れての面接なんてマイナスポイントにしかならないじゃん!!!


…いや、いや、待てよ。
ひょっとして、このふてくされアキラが「はじめの憂き事」なのかも!?


えーと。
おみくじ、なんて書いてあったっけ?
どれどれ。

「あわてさわぎ心乱れると 災いこれより起こる事あり 心静かにしなさい」

慌てて騒いで心を乱してはいけない!
心静かに!


そして、ここを心穏やかに乗り越えられれば、万事思いのままになるってことですね!

と、都合よく解釈しまして、いつもだったら、私も一緒にぶち切れて大騒ぎになるところだったのですが、

「平常心、平常心、平常心!!」
「アキラに惑わされるな!」


と心を抑え、ひきつった笑顔でアキラに接し、なんとか壮絶親子バトルにもつれこむことなく、市役所へ向かったのでした。



気合いが入りすぎていたせいか、市役所には予定時刻の1時間前に着いてしまいました😅 早すぎるー。


そこで面接までの1時間。
ハルキの授乳をしつつ、面接中に泣き出した場合に備えてミルクの準備。
アキラにはオヤツを与えてお腹を満たし、機嫌の回復に努める。
そして一家の主、夫は真面目に想定問答集で受け答えの練習。


準備万端ー!
あとは呼ばれるのを待つだけー!
後は万事思いのままー!



そして、予定時刻になり、市役所の方が呼びに来たので部屋に入ろうとすると…、


え? あれ? アキラは??

今までそこにいたアキラがいない😱



うそでしょーー?
おいおい、どこ行ったんだ! アキラーー!

今までずーっとアキラにしては珍しく、椅子に座って待っていたというのに(おかげで油断してた)…な、なぜこのタイミングで😱



夫が慌てて探しに行きましたが見つかりません。
別の階にも探しに行きましたが、やはり見当たらず、首を横に振りながら戻ってきました。

市長さんを待たせるわけにもいかず、

「……しょうがない、面接はアキラ抜きで行こう…」

なんのためにアキラ、学校早退してついてきたんだよ。
なんで、肝心な時にいなくなっちゃうんだよ。
意味分からんーー❗ アキラー❗

これは別の時ですけど、
いない、いないと探し回ってたら
屋根の上にいたこともありました。



面接直前に行方不明になったアキラは「もう放っておこう」ということで、3人で応接室に入ると、市長さんはまだのようですが、それ以外の方はすでに揃って座っていらっしゃいます。

「よ、よろしくおねがいします❗」

挨拶をして立派な椅子に座ると、なんかドキドキしてしまいますね。
こんな大層な雰囲気には慣れてないので緊張する〜。



面接ってどんなこと聞かれるのかなー?
日々、新生児のお世話に追われている私は、夫のような想定問答もしてないので、変なこと聞かれたら変なこと答えちゃう恐れがあります
そもそも、アドリブ力もないしなあ。
ひょっとして、変な受け答えがマイナスポイントになって、面接で落ちたりすることもあるんだろうか?
それはまずい。どうしよう。

と、急に焦ってアレコレ考えていると、ガチャリとドアが開きました。

ついに市長さんの登場か!




と、姿勢を正して座り直しますと、入ってきたのは…

まさかのアキラ💦


おいっ!

まさに、コントのように椅子からずり落ちそうになりましたよ!
おまえ、何やってんだよ!!


でも、そのおかげで一気に緊張がとけたのでした。


「アキラっ、どこ行ってたんだよっ。探したんだよっ」

と、小声で軽く怒ると、



さらに、全く悪びれる気配もなく、



…自由人です。
あまりに自由すぎます。



そして今度こそ本物の市長さんが入ってきまして、面接が始まりました。


想定問答で準備していた夫がメインで話をして、私やアキラは、時々振られた質問に答える、という感じです。

市長さんからは「田舎暮らしに憧れて来たのはいいけど、仕事面というか経済面でうまくいかず、挫折してしまう人も結構いるんですよねー」と言われ、東京での仕事を辞め、これから独立してやっていく夫に、

「お仕事の方は本当に大丈夫ですか?」

とシビアな質問が。


さらに、私の方にも、

「奥さんもその辺り、不安じゃないですか?」

と、攻め込んできます。



「えーと、えーと。えーとですねー。
夫はですね、ギリギリまでなんにもしないけど、最終的には帳尻を合わせる男、というか、なんとかなる、というより、なんとかしてくれる男、なのであんまり心配はしてません」

と、(その時は褒めたつもりだったんですが)もっと他に言い方があるだろう、という答えをし、

「それにですね、なんとかならなかった時はその時に考えればいいや、と、2人とも基本的にアバウトな思考でして、今は、不安より新しい生活への期待の方が高いかなー」

と、私たち超チャランポランな一家です、みたいな答えをしてしまったのでした😅


ダメやろ。これ。




そんなわけで、ドキドキの…というか、アキラのせいでリラックスしすぎてしまい、超本音のこんなんでよかったのかという面接を終えました。


部屋の外に出ますと、次のご夫婦が待っていました。
それも二人揃ってびしっとスーツです!

ひえー。
すごいー。



私なんて、スーツ系は浦安に全部おいたままなので、今の家には、超カジュアルな授乳服と喪服しかありません。

きちんとしなきゃいけない場面とはいえ、さすがに喪服はないよなー、ということで授乳服の中で一番マシな服を着てきました。
アキラは「破れてないズボンと毛玉のついてないトレーナー」という、アキラワードローブの中で一番マシな出で立ち。

唯一、夫だけがスーツでしたが、トータルで見てどうだったんだろう💦


もういい。
しょうがないです。

ここまできたら、思ってることは正直に話したし、あとは運を天に任せるのみ!


そして面接の結果。

見た目はしょぼいし、受け答え間違えた気がするし、あんまり期待はしてなかったのですが、なんと子育て定住促進住宅への入居が決定〜!


まじですかー。
どこが良かったんだろうかー。
素晴らしー。

通知があった時には、思わず家族全員で万歳三唱しました。


ばんざーい、ばんざーい、ばんざーーーーい♪


後は万事思いのまま!後は万事思いのまま!
後は万事思いのまま〜〜!!


いやー、おみくじ当たるなあ💕

神様、ありがとうございます!!


それにしても、我が家は、もともと田舎志向がありまして、浦安に居た頃から、将来的には房総半島で小さな畑付き物件を手に入れて、週末田舎暮らしなんていいねーなんていう夢を持っていました。
実際、物件もいくつか見て回っていました。
(その話も面白かったので、また書きますね🌟)


震災後、そんな夢のこともすっかり忘れていましたが、まさかこんな形で田舎暮らしが実現するとは❗
しかも、初めての新築一戸建て❗

わーい、わーい。
引き寄せバンザーイ🌟


そんな感じでスタートした我が家の田舎暮らしです。

引き続き、田舎暮らしのお話シリーズも書いていこうと思います。
田舎暮らしに興味がある方、よかったら読んでみてくださーい😊


こちらの記事にたくさん♥️いただきました。読んでくださっている皆様、いつもありがとうございます😊

読んでもらっただけでも嬉しいのに、サポートなんかしてもらっちゃったら感謝感激です💕