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悪の一本釣りに善の投網で勝てるのか2

前回の続きを述べていきます。

今回は、善の投網における改善の下手さ、及び、メッセージ動画が出来るまでに、どういう理屈があるのか、述べていきます。

前回はこちら。

善の投網における改善の下手さ

善の投網の欠点は何か。

前回は、善の投網における網目を指摘しました。
今回は、改善の下手さ、です。

鯨用の網で魚は取れませんが、何故か鯨用の網を改良するのが善の投網です。
鯨用の網であると端的に示すのが、前回挙げた、大企業の会社員によるメッセージ動画です。
改良の下手さについても、大企業の会社員によるメッセージ動画が事例になると思います。

メッセージ動画は、従来の欠点の多くを克服し、改善しようとしたところが見られはします。
けれども、それが弥縫策に弥縫策を重ねたものであることもわかってしまいます。

省庁のカネを狙うため

従来の欠点とは何だったか。
ここに立ち戻れば、弥縫策を読み解けます。

内閣府の公式サイトを見ればわかることなんですが、会議、講師、セミナーは、中央省庁のカネがつきます。

そのカネを狙う地方行政は、予算消化のために、頭を使うわけです。

豪華ゲストに出来ないかな、だとか。
言いたいけれども言えないことを言ってくれる、お役所仕事に都合の良い民間人はいないのかな、だとか。

その結果、厚労省のカネを狙う会議やセミナーと大差のない、内閣府のカネを狙う会議やセミナーへと、なっていくわけです。
パネルディスカッションがメインのフォーラムが出来上がるのもこういう理屈です。

2つの欠点

ここには2つの欠点があります。

不人気なセミナーやフォーラムがあること。
オフラインに拘泥する必要がないこと。
この2つです。

不人気なだけなら「自発的でないボランティア」を動員して、会場を埋めるだけなら出来ます。
「自発的でないボランティア」と、敢えて述べています。

ただ、オフラインに拘泥する必要がない、という欠点は、どうにもなりません。
コロナの五類移行前があったからです。

欠点を克服するために、オンラインミーティングツールが活用されました。
けれども、オンラインミーティングツールでは、行政に不都合がありました。

行政は、話を一方的に聞かせたいからです。

偉いさんではない人間が何を聞きたいかなんて、そんなもんは共有されたら困る、そういう状態の行政には、不都合なんです。

オンラインミーティングツールは、次から次に、活用されなくなっていきました。
ミーティング用の機能をつけていないウェビナー(ウェブセミナー)へと移行していきました。

さらなる欠点

そして、ウェビナーの欠点が判明します。
不人気なウェビナーはどうにもならない、という欠点です。

自発的でないボランティアを動員することにより席を埋めたオフラインとは違い、ウェビナーだとどうにもならないのです。

視聴しなくて良いので、ウェビナーだけは開いてください、と本音を言えばどうにかなります。
従前の自発的でないボランティアのように。

けれども、行政は、本音を言わずに建前を言い、悉く失敗してきたわけです。
本音を言っていたとしても、失敗ですけれども。

ウェビナーに機器の容量や発熱を割くメリットは皆無ですから、そうなります。
オフラインならば、セミナーの前後にメリットがあり得ても、ウェビナーには一切ありません。
だからこそ、五類移行以降、オフラインの復活が次々と為されたわけです。

欠点の克服

行政は、不人気なのは何故か、原因を考えます。
何々ではないか、何々ではないか、と。

そうして行き着きます。
参加してほしい人々の御予定や御都合だと。
不人気な原因は、そこかもしれないと。

24時間、いつでも見られるようにしよう。
御予定や御都合に合わせて、いつでもどうぞ。
お役所仕事にはならないように、民間の視点からお話をいただいた動画にしよう。
何々省のカネの時の、何々さんのお話ですよ。

こうしてメッセージ動画が出来上がります。

違う違う そうじゃ そうじゃない

有名な歌詞から筆者引用。

弥縫策にも程がある

弥縫策にも程があります。
取り繕いに取り繕いを重ねた結果です。

誰のための予算、何のための予算でしたか。
中央省庁の官僚のためですか。
地方行政の職員のためですか。

今年度予算の消化のためですか。
次年度予算の確保のためですか。

もう一度述べます。
誰のための予算、何のための予算でしたか。
元々の目的、本来の目的は何でしたか。

目的達成にも資する、って本気ですか。
目的達成にも資する、って本音ですか。

勝とうとしろ

国に瑕疵があります。地方も瑕疵があります。
この予算では、弱者のためになりません。

けれども、善の投網が失敗し続けている間にも、悪の一本釣りは進みます。

公的な側が「多様な主体だ」と言っている間も、「相互作用だ、相乗効果だ」と言っている間も、メッセージ動画をつくっている間も、です。

善は悪に勝つ気があるんですかね。
そもそも公は善ですか。
そこまで言わざるを得ない状態です。

勝つ気があるのか、と思います。
そして同時に、勝とうとしろ、と思います。

勝とうとしろ、と公に対して求めたいです。

#今こんな気分

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