「膝枕」歌会─百膝一首(うら)
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「膝枕」歌会─百膝一首(うら)

「百膝一首」とは、短編小説「膝枕」を数珠つなぎ朗読するClubhouseオトナの朗読リレー#膝枕リレー )から派生した「膝枕」版「百人一首」。

「膝枕」に親しんでいると、より楽しめます。

というより、「膝枕」に親しんでいないと、かなり意味不明です。

こちらの「膝枕」歌会─百膝一首(うら)では誕生の経緯と膝合わせ(歌会)の模様を、別note「膝枕」百人一首─百膝一首(おもて)では日々更新中の百首を紹介。

「膝枕」のストーリーと膝枕リレーのテツアツ(合言葉は「膝は熱いうちに打て!」)面白がり精神を知ってから、百人一首の原文とあわせて読んでいただくのが、おすすめのスタイル。

朗読リレーの経緯番組表、二次創作まとめはマガジンに。

百人一首で膝がウズウズ

先日、膝枕リレーで知り合ったFUJIKOさんがやっている百人一首ルームをのぞいたら、なじみの膝枕erさんたちの姿が。

「百人一首が登場する『膝枕』を作りましょう!」「いいですね!」と盛り上がった。

シャイな男が箱入り娘膝枕を相手に百人一首詠みを練習して腕を上げ、競技かるた界でのし上がる。高嶺の花だったかるたクイーンのヒサコとも、いい仲に。取り残される箱入り娘膝枕。だが、内蔵の人工知能を駆使し、ひそかに百人一首スキルを上げていた。一番好きな歌は、やはり「ひさかたの光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ」。その札が詠まれたとき、箱入り娘がひらりと飛び上がった……。

膝反射で妄想を繰り広げ、その場で話の流れができた。

「百人一首膝枕」の創作に取りかかる前に、今度はTwitterで膝枕erさんたちと膝枕の早口言葉(「早膝言葉」と命名)が始まった。

膝枕er、ヒマなのか。いや、ヒマではなくヒザなのだ。隙あらばヒザをねじ込む膝枕愛。

マメな性格から「膝マメ」と膝名がついた小羽勝也さん(膝番号13)がマメにメモを取るさまから「膝マメモ」という新語が生まれ、「言いにくくて早口言葉みたい」となり、

赤膝マメモ
青膝マメモ
黄膝マメモ

早膝言葉第1号が誕生し、一気に量産体制に。

赤ヒサコ
青ヒサコ
黄ヒサコ
赤膝枕
青膝枕
黄膝枕
赤箱入り娘
青箱入り娘
黄箱入り娘
赤プログラミング
青プログラミング
黄プログラミング

ヒマなのか、いや、ヒザなのだ(2回目)。

「ヒサコって誰?」「なぜプログラミング?」

気になった人は短編小説「膝枕」をぜひ。

その日のうちに第1回早膝大会が開かれることになった。巻き込まれた、いや、膝を乗り出したのは、さんがつ亭しょこらさん。

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「無限膝枕」の中に「太い客確定」という「よく柿食う客」的なカ行多めの言い回しが出てきたので、早膝言葉に早速採用。

赤膝太い客確定
青膝太い客確定
黄膝太い客確定

「無限膝枕」再演の後の感想会から早膝言葉大会になだれ込んだ。これが思いのほか盛り上がった。同じ早膝言葉を一人ずつ順番に言っていくだけなのだが、ずっと笑っていた。一人言い終わると拍手して、互いの早膝をたたえあった。なんとも平和だった。ヒマなのか、いや、ヒザなのだ(3回目)。

「噛んだら終わり『バトルロワ膝ル』をやろう」「速さを競うタイムトラ膝ルも」「どの早膝言葉を言うかランダムに決めるロ膝ンルーレット方式」などと膝駄洒落で遊んでいたら、早膝に巻き込まれてなかったFUJIKOさんも首を突っ込み、いや、膝を突っ込み、

膝ひさびさ
ヒサひさびさ
ヒサ膝ひさびさ

「膝枕」は一度朗読したきりで「お膝しぶり」のFUJIKOさんは自称「浦島膝子」。そこで、浦島膝子早膝言葉も作ってみた。

浦島膝子
浦膝ヒサコ
膝ヒサ膝子

ヒマなのか、いや、ヒザ……(5回目)。

さらにFUJIKOさんは膝マメの小羽さんに「早膝和歌」をプレゼント。

まめまめしい
まめにマメモに
まめぬれば
まめひざまめ子
こばめぬマメモ

早膝言葉をきっかけに「外膝膝子」に改名をもくろむFUJIKOさん。そのツイートへの返信で、わたしは「歌膝膝子も良いですね」と書き、百人一首ルームにお邪魔してから百膝一首妄想が止まらないことを伝えた。

百人一首には、メ〜テレドラマ「想ひそめし 恋歌百人一首」とおじゃる丸「ちっちゃい百人一首」で首を突っ込んでいる。

今度は膝を突っ込んでみよう。

詠み替えパターンはいくつもある

おじゃる丸の17期(現在24期を放送中なので7年前)で脚本を書いた「ちっちゃい百人一首」は、百人一首週間の競作の一つ。

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おじゃる丸は「ただのカルタではないでおじゃる。千年も昔の雅な歌を集めた、やんごとなきカルタなのじゃ」と百人一首を紹介し、ルール説明は電ボに振る。

「えー、わたくしめがー、《きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む》〜と読み上げまして、皆様には、歌の後ろの部分が書かれたこちらの札の中から、《衣かたしき ひとりかも寝む》〜をお探しいただきます〜」

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

電ボが例に挙げたこの歌を聞いて、「自分の名前も詠み込んで欲しい」とちっちゃいものクラブの面々が主張し、収拾がつかなくなってしまうというお話。

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりカメ寝む
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣カタピー かたつむり寝む
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣カメトメ 二人カメ寝む
はむすたあ 鳴くや霜夜の はむすたあ 衣かたしき はむすたあ寝む
貧乏神 鳴くや貧貧 貧乏神 衣貧貧 貧乏神寝む

元の歌に無理やり名前をねじ込み、だんだん原型を留めなくなっていき、ついに貧乏神の貧ちゃんで崩壊。ただの名前連呼歌に。

同じ歌でも言い換える箇所や文言を変えると、いくらでもパターンができる。あれを「膝枕百人一首」でやってみよう。

手元にある小倉百人一首の読本を見ながらどんどん百膝一首を作ってツイートした。

「おぐら百人一首」ならぬ、「まくら百膝一首」。

ヒマなのか、いや、ヒ……(6回目)

膝反射で膝会はじめ

FUJIKOさんが「早速詠みたい!」と言ってくれ、その日のうちに膝会はじめ。それが昨日8月19日の22時のこと。

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FUJIKOさんに平詠みと和歌詠みで詠みあげてもらい、その場で感想を話し合い、加筆していった。この日バイリンガル膝枕(セリフを英語に)を披露した関成孝さん(膝番号70)も飛び入り参加。

一番は「わが衣手は」を「わが膝枕」に変えて、

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
わが膝枕露にぬれつつ

としていたが、「男の家の屋根が粗くて滴り落ちた露で膝枕がぬれている」だけだと、単なる情景になってしまう。

ここは「露にぬれるほど長い時間待たされている」心情が込められていなくてはならない。

となると、詠んでいるのは「箱入り娘膝枕」。

ヒサコが通いに来る間、押し入れではなく庵に閉じ込められた箱入り娘。その白い膝が露にぬれ続けているのであれば、

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ
わが白膝は露にぬれつつ

がしっくり来るし、二股をかけられた箱入り娘の不憫さが伝わってくる。

二番は「衣」を「枕」に変えて

春すぎて夏来にけらし白妙の
枕ほすてふ天の香具山

としていたが、「箱入り娘膝枕を干すとはどういうこと?」「干すのはマズイのでは」「男の加齢臭がついたのか?」などと憶測を呼んでしまい、元の歌の爽快さを台無しにしてしまった。

では、いじるところを変えてみよう。

「白妙の」を「白膝の」にし、「衣ほすてふ」をそのまま活かすと、箱入り娘膝枕がまとっている「裾がレースになった白いスカート」を干す形にできる。

春すぎて夏来にけらし白膝の
衣ほすてふ天の香具山

三番は「ひとりかもねむ」を「ひざまくらせむ」にして

あしびきの山鳥の尾のしだり尾の

ながながし夜をひざまくらせむ 

「長い長い夜を膝枕いたしましょう」と張り切る箱入り娘の心情。人工知能搭載膝枕は徹夜もへっちゃら。

一方、恋敵ヒサコ側から詠むと、「膝枕どまり」を嘆く歌を作れる。

「ひざまくらのみ」というわたしの案に、「ひざまくらまで」と関成孝さんが提案。「まで」にすることで「止まり」感が強調された。

あしびきの山鳥の尾のしだり尾の

ながながし夜をひざまくらまで

四番は「富士の高嶺」を「膝の高嶺」にして

田子の浦にうちいでて見れば白妙の
膝の高嶺に雪はふりつつ

こちらは、箱入り娘膝枕を抱いて田子の浦に散歩にやって来た男が詠んだ設定。膝が上になった不自然な富士山体制。そのヴァージンスノー膝に白雪がふるのを愛でているという、つくづく身勝手な男らしい一首。

「富士」が消えてしまい、残念そうなFUJIKOさん。関成孝さんの理想の情景を歌い込んだ「願望歌」が解決してくれた。

田子の浦に膝枕して眺むれば
富士の高嶺に雪はふりつつ

「白妙の」を「白膝の」にして

田子の浦にうちいでて見れば白膝の
富士の高嶺に雪はふりつつ

とすると、雪をかぶった富士の高嶺をヴァージンスノー膝と喩える男のノロケ歌になる。

五番は「秋はかなしき」を「膝はかなしき」にして

おく山にもみぢふみわけなく鹿の
声きくときぞ膝はかなしき

男と箱入り娘膝枕が紅葉狩りに来たときの情景だが、「誰が詠んでいるのか」が話題に。

紅葉の絨毯の上で箱入り娘に膝枕されて至福の男が感じた風流を詠んだものなのか。

「かなしき」と言えば、ヒサコと二股をかけられている箱入り娘。男はご満悦だが、箱入り娘の心は千々に乱れている。

となると、これは箱入り娘が詠んだ歌だと一同合点。「膝」は箱入り娘の一人称となる。自分のことを「膝」と呼ぶの、いじらしい。

このように一首ずつ吟味し、第一回膝歌会は五首まで詠み合わせした。膝入れ率5/100。

第六首以降も歌会を重ねて磨いていく予定。随時更新して、ふえたり変わったりしていくはず。

「これを機に膝枕リレーに膝を突っ込みたい」「膝をとっかかりに百人一首に親しみたい」「20分朗読するのはハードルが高いけど十七文字なら」「ヒマだ」など、百膝一首に縁を感じた方はぜひClubhouseの膝枕リレーclubにご参加を。ルール変更でフォロワーとメンバーの区別がなくなったので、誰でもメンバーになれます!

六番「かささぎの白」問題

8/20に開かれた第二回膝合わせ(歌会)では六番と七番を吟味。膝入れ率は7/100に。

かささぎの渡せる箱におく膝の
白きを見れば夜ぞふけにける

元の歌では「かささぎの渡せる橋におく霜の」。七夕の夜にかささぎが天の川に橋をかける言い伝え。「かささぎ─霜─白」と澄んだ白のイメージが広がる。

これを「かささぎの渡せる箱におく膝の」としたのは苦し紛れで、「かささぎ」は膝枕を配達した運送会社のシンボルマーク。その箱に置かれた膝=箱入り娘膝枕の白さを見ていたら夜がふけたという歌になっている。

「渡せる橋」を残したほうが良いのではと関成孝さんから提案があり、

かささぎの渡せる橋にひざまくら
白きを見れば夜ぞふけにける

これに対して、「膝=ヴァージンスノー膝と知っていないと白のイメージが湧かないのでは」という声が上がり、

かささぎの渡せる橋に雪膝の
白きを見れば夜ぞふけにける

すると今度は「原作『膝枕』では、膝を見ていて夜がふけたのではなく、膝の気配を感じて眠ったのでは?」とツッコミがあり、

かささぎの渡せる橋に雪膝の
白き気配に夜ぞふけにける

読んでいない人にもわかりやすく、読んでいる人には矛盾なく。百膝一首の世界は奥深い。

FUJIKOさんが詠むと、どのバージョンも「あり」だった。

七番 膝の置きどころ

ひざまくらふりさけ見れば春日なる
三笠の山にいでし月かも

天の原ひざより見れば春日なる
三笠の山にいでし月かも

天の原ひざより見ればヒサコなる
御膝の山にいでし月かも

夜な夜な膝合わせ

8/23(月)第三回 八番から十番(膝入れ率10/100)
8/24(火)第四回 十一番から十三番(膝入れ率13/100)
8/26(木)第五回 十四番(膝番号14  堀部由加里)と膝入れ&「ワタクシ箱入り娘」入れ 十五番と十六番に膝入れ(膝入れ率16/100)
8/27(金)第六回 三十四番に膝番号34 きぃくんママと膝入れ&「わに」入れ 三十五番に膝番号35踏み師こまりと膝入れ&「踏み紙芝居」入れ(膝入れ率18/100)
8/28(土)第七回 三十六番に膝番号36 Shizumiと膝入れ 六十番に膝番号60 かわい いねこと膝入れ 六十五番に膝番号65Yuko Sanoと膝入れ&「しずみ」入れ(膝番号36 Shizumi)(膝入れ率21/100)
8/30(月)第八回 四十三番に膝番号43 宮村麻未と膝入れ 一番に「蚊」入れ(膝番号1 藤本幸利) 三番に「膝蹴り」入れ(膝番号3 下間都代子)(膝入れ率22/100)
9/2(木)第八点五回 七十一番に膝番号71 水野智苗と膝入れ(膝入れ率23/100)
9/3(金)第九回 十七番に膝番号17 桜井ういよと膝入れ&「ういよ」入れ 二番に膝番号2 徳田祐介と「王」入れ(膝入れ率24/100) 関成孝による名言「膝は濡らせすぎず 開きすぎず」
9/6(月)第十回 100日目へのカウントダウン 九十九番 百番に膝入れ(膝入れ率26/100)
9/14(火)第十一回 ワクチンの狭間に 二十四番に膝番号24琵琶語りのコタロウと膝入れ&琵琶入れ(関成孝の執念「ヒサコのくちびる」成就) 七十三番に膝番号71YOと膝入れ&YO入れ(膝入れ率28/100)
9/19(日)第十二回 膝番頭さんに合わせて早めの20時開催。二十六番に膝番号26河崎卓也と膝入れ&「ヒサコ」作者入れ 六十三番に膝番号63Suzuと膝入れ&「すず」入れ(膝入れ率30/100)


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脚本家・今井雅子(Clubhouse朗読 #膝枕リレー)

目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。

ありがとうございます。ドラマ「イジューは岐阜と」取材で食べた五平餅❤︎
🎤Clubhouseにて「膝枕」オトナの朗読リレー中✏︎saita連載小説「漂うわたし」✏︎オーディション発「私じゃダメですか?」脚本公開✏︎おじゃる丸✏︎嘘八百シリーズ🖥https://lit.link/masakoimai