「膝枕」百人一首─百膝一首(おもて)
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「膝枕」百人一首─百膝一首(おもて)

「百膝一首」とは、短編小説「膝枕」を数珠つなぎ朗読するClubhouseオトナの朗読リレー#膝枕リレー )から派生した「膝枕」版「百人一首」。こちらの百膝一首(おもて)では百首を、別noteの百膝一首(うら)では、誕生の経緯や膝合わせ(歌会)の模様など舞台裏をご紹介。

原文(「膝枕」と百人一首)とあわせて読んでいただくのが、おすすめ。朗読リレーの経緯番組表、二次創作まとめはnoteマガジン「膝枕」に。

太字になっている歌は膝合わせ(歌会)で吟味済みのもの。【膝入れ】【詠み人】【膝枕語訳】【膝原典】をつけています。

第一首から第十首(秋の田の/夏過ぎて/あしびきの/田子の浦に/おく山に/かささぎの/天の原/わが庵は/花の色は/これやこの)


秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが
白膝(しろひざ)は 露にぬれつつ

【膝入れ】「秋の田の かりほの庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は 露(つゆ)にぬれつつ」(天智天皇)の「衣手」を「白膝」に。
【詠み人】
箱入り娘(置いてけぼりをすねて)
【膝枕語訳】
秋の田んぼの刈り入れ作業に使う仮の小屋。ヒサコという女が来ると、私はそこに追いやられます。「かりそめの女」ってことなの? ヒドイ。屋根のむしろの目が粗いので、落ちてきた露が私の白い膝を濡らします。こうしてあなたを待つ間ずっと。
【膝
原典】正調膝枕 藤本幸利(膝番号1)のコオロギの鳴き声とともに

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが白膝(しろひざ)に 蚊の腹の満つ

【膝入れ】「秋の田の かりほの庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ わが衣手(ころもで)は 露(つゆ)にぬれつつ」(天智天皇)の「衣手」を「白膝」に。
【詠み人】
藤本幸利(膝番号1)
【膝枕語訳】
秋の田んぼの刈り入れ作業に使う仮の小屋。屋根のむしろの目が粗いので、蚊が入り込んだようだ。僕の箱入り娘のヴァージンスノー膝の血を吸って、お腹が膨れているよ。
【膝
原典】正調膝枕 藤本幸利(膝番号1)のヒトスジシマカの鳴き声とともに(はたき落とすときは余韻を残してオーディエンス席へ)


春過ぎて 夏来にけらし 白膝(しろひざ)の
衣ほすてふ 天の香具山 

【膝入れ】「春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天(あま)の香具山」(持統天皇)の「白妙」を「白膝」に。
【詠み人】
男(ただの惚気)
膝枕語訳】君が来た春はいつの間にか過ぎて、夏がやって来たみたいだね。のぼせてて気づかなかったな。君の白い膝を覆う衣を天の香具山に干してみた。裾がレースになったスカートの白さが山の緑に映えるよ。
【膝
原典】正調膝枕


春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
膝開きせむ 王の香具山

【膝入れ】「春すぎて 夏来(き)にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天(あま)の香具山」(持統天皇)の「衣ほすてふ 天の香具山」を「膝開きせむ 王の香具山
」に。(2021.9.3)
【詠み人】徳田祐介(膝番号2 膝開き王)
【膝枕語訳】膝枕リレーが始まった春はいつの間にか過ぎて、夏がやって来たみたいだね。連日の寝落ち朗読で、時の過ぎるのが早いな。今日も王の香具山、別名「朗読練習王国」を開いて、白いヴァージンスノー膝の物語を膝開きしてみるとしよう。膝開きというのは、王国の民たちが言い出した言葉で、お披露目のようなことだよ。
【膝原典】正調膝枕 


あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

長々し夜を ひざまくらせむ 

【膝入れ】「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」(柿本人麿)の「ひとりかも寝む」を「ひざまくらせむ」に。
【詠み人】
箱入り娘(「ヒサコの生膝なんかに負けないわ」アピール)
【膝枕語訳】山鳥の尾のように長い長い夜、あなたにせがまれるまま、ひざまくらいたしましょう。あなたより先に眠りに落ちたり、うっかりあくびなんて、生膝みたいな生温い粗相はいたしませんよ。眠らなくても充電で回復できますから。
【膝原典】正調膝枕 

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

長々し夜を ひざまくらまで

【膝入れ】「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」(柿本人麿)の「ひとりかも寝む」を「ひざまくらまで」に。
【詠み人】
ヒサコ(正座の足を痺れさせながら悶々として)
【膝枕語訳】山鳥の尾のように長い長い夜、今夜もあなたとの仲は、ひざまくら止まり。歯ブラシを買って毎晩通い詰めているというのに。じれったいけど、女のほうから「そろそろまくらを交わしませんか」なんて言えない。
【膝原典】歯ブラシ設定はやまねたけし作「"ウエスト"・サイドストーリー」カルテット上演でkana kaede(膝番号10)演じるヒサコ

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

長々し夜へ ひざの蹴るらむ

【膝入れ】「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む」(柿本人麿)の「長々し夜を ひとりかも寝む」を「長々し夜へ ひざの蹴るらむ」に。
【詠み人】
下間都代子(膝番号3   膝蹴りの女王)
【膝枕語訳】「今のうちに許可もらわないと、読ませてもらえないよ!」なんて言って、尻込む若手ナレーターたちを炊きつけたあの夜。「鉄は熱いうちに打て!」の勢いで始まって、今夜も続いている膝枕リレー。あのときの膝蹴りは、山鳥の尾のように長い長い夜に向かっての蹴りだったのだなあ。
【膝原典】正調膝枕 「膝枕」は熱いうちに(膝枕リレー経緯)


田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
膝の高嶺に 雪はふりつつ 

【膝入れ】「田子の浦に うち出でてみれば 白妙(しろたへ)の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)の「富士の高嶺に」を「膝の高嶺に」に
【詠み人】男(顔を最大限にニヤけさせて)
【膝枕語訳】箱入り娘をお姫様抱っこして田子の浦に出かけてみたら、真っ白な布をかけたようなヴァージンスノー膝のてっぺんに雪が降り積もっているよ。あ、膝を上にしたらバランスが悪いよね。ごめん。
【膝原典】箱入り娘の重心バランスについては膝番号69やまねたけし作「"ウエスト"・サイドストーリー」

田子の浦に うち出でて見れば 白膝の
富士の高嶺に 雪はふりつつ 

【膝入れ】「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)の「白妙の」を「白膝(しろひざ)の」に
【詠み人】男(顔を最大限にニヤけさせて)
【膝枕語訳】箱入り娘をお姫様抱っこして田子の浦に出かけてみたら、ヴァージンスノー膝のように真っ白な富士の高い嶺に雪が降り積もっている。つい見とれちゃったけど、君の膝にはかなわないよ。遠くのフジより近くのヒザさ。
【膝原典】正調膝枕 

田子の浦に 膝枕して 眺むれば
富士の高嶺に 雪はふりつつ 

【膝入れ】「田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」(山部赤人)の「うち出でてみれば 白妙の」を「膝枕して 眺むれば」に
【詠み人】男(顔を最大限にニヤけさせて)
【膝枕語訳】田子の浦に出かけて、箱入り娘に膝枕しながら眺めてみたら、富士の高い嶺に雪が降り積もっている。誰もふれたことのないヴァージンスノーみたいな白い膝に頭を預けて見る富士の雪。これ以上の幸せなんて、あるもんか。
【膝原典】正調膝枕 膝番号70関成孝の願望


奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の
声きくときぞ 膝は悲しき

【膝入れ】「奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の 声きくときぞ 秋は悲しき」(猿丸太夫)の「秋は悲しきの」を「膝は悲しき」に
【詠み人】箱入り娘(男を膝に受け止めつつ)
【膝枕語訳】誰もいない山深く、紅葉の絨毯の上であなたに膝枕。紅葉を踏み分けて恋人を呼ぶように鳴く鹿の声を聴きながら、あなたは誰を想っているの? あなたとつながっているのは、この膝だけ? 悲しくなってきちゃった。
【膝原典】正調膝枕


かささぎの 渡せる箱に 置く膝の
白きを見れば 夜ぞふけにける

【膝入れ】「かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」(中納言家持)の「置く霜の」を「置く膝の」に
【詠み人】男(箱入り娘が届いた夜に)
【膝枕語訳】かささぎマークの宅配便で届いた荷物の伝票には「枕」。箱を開けると、箱入り娘の膝枕が置かれていた。誰も触れたことのないヴァージンスノー膝の白さに目が冴えて、夜がふけてしまったよ。
【膝原典】正調膝枕 七夕といえば膝番号34きぃくんママ作「箱入り娘膝枕の願い‘七夕によせて’」

かささぎの 渡せる橋に ひざまくら
白きを見れば 夜ぞふけにける

【膝入れ】「かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」(中納言家持)の「置く霜の」を「ひざまくら」に
【詠み人】男(箱入り娘が届いた夜に)
【膝枕語訳】七夕の夜、かささぎたちが白い翼をつなげて天の川という橋を渡し、彦星と織姫を会わせたように、君と僕の間に橋がかけられたよ。そう、ひざまくら。目の覚めるようなヴァージンスノー膝の白さを見てたら、もう夜がふけてしまったよ。
【膝原典】正調膝枕 七夕といえば膝番号34きぃくんママ作「箱入り娘膝枕の願い‘七夕によせて’」

かささぎの 渡せる橋に 雪膝の
白きを見れば 夜ぞふけにける

【膝入れ】「かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」(中納言家持)の「置く霜の」を「雪膝の」に
【詠み人】男(箱入り娘が届いた夜に)
【膝枕語訳】七夕の夜、かささぎたちが白い翼をつなげて橋を渡し、彦星と織姫を会わせた。あの天の川の白い煌めきのような、君のヴァージンスノー膝。その眩しい白さに見とれていたら、夜がふけてしまったよ。
【膝原典】正調膝枕 七夕といえば膝番号34きぃくんママ作「箱入り娘膝枕の願い‘七夕によせて’」

かささぎの 渡せる橋に 雪膝の
白き気配に 夜ぞふけにける

【膝入れ】「かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける」(中納言家持)の「置く霜の」を「雪膝の」に
【詠み人】男(箱入り娘が届いた夜に)
【膝枕語訳】七夕の夜、かささぎたちが白い翼をつなげて橋を渡し、彦星と織姫を会わせた。あの天の川の白い煌めきのような、君のヴァージンスノー膝。尊すぎて手を出さず、いや、頭を出さず、真っ白な膝の気配を感じて眠っていたら、僕たちの初夜がふけてしまったよ。
【膝原典】正調膝枕 七夕といえば膝番号34きぃくんママ作「箱入り娘膝枕の願い‘七夕によせて’」


天の原 ひざより見れば 春日なる
三笠の山に 出(い)でし月かも

【膝入れ】「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」(安倍仲麿)の「ふりさけ見れば」を「ひざより見れば」に
【詠み人】男(箱入り娘が届いたばかりの蜜月に)
【膝枕語訳】箱入り娘に膝枕されて空を見ると、月が出ている。あの月は、奈良の春日にある三笠の山に出ていた月と同じ月なんだよね……なんて和歌を詠みたくなるぐらい、君のヴァージンスノー膝に満たされている今の僕は、何を見てもしみじみしてしまうよ。
【膝原典】正調膝枕

天の原 ひざより見れば ヒサコなる
御膝の山に いでし月かも

【膝入れ】「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」(安倍仲麿)の「ふりさけ見れば」を「ひざより見れば」に、「春日なる」を「ヒサコなる」に、「三笠の山に」を「御膝(みひざ)の山に」に
【詠み人】男(ヒサコと二股をかけ始めた頃に)
【膝枕語訳】箱入り娘に膝枕されながら空を見上げると、月が出ている。あの月は、飲み会で隣の席になったヒサコに膝枕されたときに、膝頭の山の上に見た月と同じ月なんだな。君のヴァージンスノー膝に頭を預けながら、ついヒサコの生身の膝を思い浮かべてしまうよ。
【膝原典】正調膝枕


わが庵(いほ)は 都のたつみ ヒサコ住む
世をうぢ山と ひざはいふなり

【膝入れ】「わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり」(喜撰法師)の「しかぞすむ」を「ヒサコ住む」に、「人はいふなり」を「ひざはいふなり」に
【詠み人】男(ヒサコに二股がバレる前の束の間のモテ期に)
【膝枕語訳】都の東南にある僕の部屋にヒサコが通い詰めるようになって、これってもう一緒に住んでるよね。歯ブラシも置いちゃってるし。押し入れに押し込んだ箱入り娘膝枕が箱をカタカタと震わせている。世を憂いてうじうじしてるんでしょってなじってるみたいに聞こえるけど、ただのヤキモチだよね。
【膝原典】歯ブラシ設定は膝番号69やまねたけし作「"ウエスト"・サイドストーリー」カルテット上演での膝番号10kana kaede演じるヒサコ

わが庵は 都のたつみ ひざと住む
世をうぢ山と ヒサコいふなり 
 

【膝入れ】「わが庵(いお)は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり」(喜撰法師)の「しかぞすむ」を「ひざと住む」に、「人はいふなり」を「ヒサコいふなり」に
【詠み人】男(ヒサコに二股がバレた後の強がり)
【膝枕語訳】都の東南にある部屋で、箱入り娘膝枕と暮らしている僕。トークがうまくなって、飲み会でいい感じになったヒサコが通うようになった。ヒサコが帰った後、押し入れに押し込めていた箱入り娘を出して膝枕してたら、戻ってきたヒサコに見られちゃった。世を憂いてウジウジして山にこもってるのよ、なんてなじられたけど、ただのヤキモチだよね。
【膝原典】正調膝枕


花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる まくらせしまに

【膝入れ】「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」(小野小町)の「ながめせしまに」を「まくらせしまに」に
【詠み人】ヒサコ(男の二股を知った夜に)
【膝枕語訳】あなたとの仲は、いつまで経っても膝枕止まり。今夜こそ枕を交わすのよと意地になって通い詰めるうちに、何年経ったのかしら。花の色があせてしまったみたいに、わたしの美貌は衰えてしまったわ。あなたが二股かけてたのは全然老けないオモチャの膝枕だなんて、ひどい仕打ちね。最低!
【膝原典】正調膝枕


これやこの ゆくも帰るも わかれては
ひざもヒサコも 逢坂の関

【膝入れ】「これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂(あふさか)の関」(小野小町)の「知るも知らぬも」を「ひざもヒサコも」に
【詠み人】配達員(配達途中に男の部屋を見上げて) 
【膝枕語訳】一人暮らしの男の部屋に配達完了した重い箱。伝票には「枕」って書いてたけど、中身は、なんと「膝枕」。おまけにヒサコとかいう女が通い詰めるようになって、目が離せない。行く人も帰る人も別れては、膝枕もヒサコも出くわす、これが噂の逢坂の関。競技かるた部だったとき、得意札だったんだよ、この札。
【膝原典】正調膝枕 事情通な配達員設定は、膝番号3下間都代子作「ナレーターが見た膝枕〜運ぶ男編〜」

第十一首から第二十首(わたの原/天つ風/筑波嶺の/みちのくの/君がため/立ち別れ/千早ぶる/住の江の/難波潟/わびぬれば)

十一
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
膝には告げよ 海人(あま)のつり舟(ぶね)

【膝入れ】「わたの原 八十島(やそしま)かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人(あま)の釣り舟」(参議篁)の「人には告げよ」を「膝には告げよ」に
【詠み人】単身赴任の男(三股に懲りて)
【膝枕語訳】単身赴任のさびしさから取り寄せた箱入り娘膝枕。取引先のヒサコともいい仲になり、妻に見つかって三股発覚。次の赴任先は大海原の島々の向こう。これじゃあ島流しだよトホホ。僕はもう行ったよと愛しい箱入り娘膝枕に知らせてよ。のんきに釣り糸を垂れている、そこの人。
【膝原典】kana kaede(膝番号10)外伝「単身赴任夫の膝枕」

わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
人には告げよ 膝の浮き舟(ぶね)

【膝入れ】「わたの原 八十島(やそしま)かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人(あま)の釣り舟」(参議篁)の「海人の釣り舟」を「膝の浮き舟膝」に
【詠み人】単身赴任の男(三股に懲りず陽気に)
【膝枕語訳】単身赴任のさびしさから取り寄せた箱入り娘膝枕。取引先のヒサコともいい仲になり、妻に見つかって三股発覚。まだ怒っているのかLINEの既読がつかないけど、出世コースからますます外れて、大海原の向こうの島に流されに行くよ。浮気のきっかけを作った膝枕と一緒に浮き舟に乗って、それなりに浮かれているよ。
【膝原典】kana kaede(膝番号10)外伝「単身赴任夫の膝枕」

十二
天つ風 雲の通ひ路 ひざ閉ぢよ
乙女のすがた しばしとどめむ

【膝入れ】「天(あま)つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ」(僧正遍照)の「吹き閉ぢよ」を「ひざ閉ぢよ」に
【詠み人】男(デパートで白いスカートを買った日の昼下がり。周囲に人の気配なし)
【膝枕語訳】公園の芝生で君に膝枕されていたら、風が吹いて、白いスカートがふわりと舞い上がり、隠れていたヴァージンスノー膝が顔を出した。僕の天国への階段、君の可愛いひざを閉じてなきゃダメだよ。乙女のうれしはずかしが伝わってくる君の姿。たまらない。もうしばらく見ていたいな。
【膝原典】正調膝枕

十三
筑波嶺の 峰よりおつる 男女川
恋ぞつもり
て 沼となりぬる

【膝入れ】「筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる 男女川(みなのがは) 恋ぞつもりて 淵となりぬる」(陽成院)の「淵となりぬる」を「沼となりぬる」に
【詠み人】男(頭が持ち上がらなくなった朝。遠のく意識の中で)
【膝枕語訳】箱入り娘のヴァージンスノー膝も、ヒサコの生身の膝も、捨てがたい。想いが積もって、恋が重なって、ズブズブと沼にはまってしまった。筑波山の頂から流れ落ちる、男女川と書いて、みなの川。あの川がどんどん深く、よどんでいくみたいに。さっきからますます沈み込んでいる気もするけど、なんだかいい気持ち。
【膝原典】正調膝枕

筑波嶺の 峰よりおつる みなの膝
コバぞつもりて マメとなりぬる

【膝入れ】「筑波嶺(つくばね)の 峰より落つる 男女川(みなのがは) 恋ぞつもりて 淵となりぬる」(陽成院)の「恋ぞつもりて 淵となりぬる」を「コバぞつもりて マメとなりぬる」に
【詠み人】kana kaede(膝番号10 コバウォッチャー)
【膝枕語訳】筑波山の頂から流れ落ちる水が川になるように、膝枕erたちが次々と読んだり二次創作したりして盛り上がっている、みんなの「膝枕」。Clubhouseで真っ先に感想を言いに上がり、Twitterでもせっせと発信する膝番号13小羽勝也は、呆れるほどのまめまめしさ。ついには「膝マメ」と呼ばれて、「マメな男」なんて外伝まで。私も膝名、欲しいな。
【膝原典】膝番号13の男に捧げる「膝枕」─マメな男 

十四
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに
乱れそめにし われの膝すそ

【膝入れ】「陸奥(みちのく)の しのぶもぢずり 誰(たれ)ゆゑに 乱れそめにし われならなくに」(河原左大臣)の「われならなくに」を「われの膝すそ」に
【詠み人】箱入り娘
【膝枕語訳】「やっぱり君の膝が一番だよ」だなんて聞き捨てなりませんわ。ワタクシ以外の膝にうつつを抜かしたのですね。あなたは気づいていませんが、陸奥の国の信夫(しのぶ)の里で乱れ模様に刷り染めされた「しのぶもじずり」のように、膝がワナワナ震えてスカートの裾も忍ぶ心も乱れておりますよ。
【膝原典】膝番号69やまねたけし作「"ウエスト"・サイドストーリー」カルテット上演で膝番号14堀部由加里が演じた口調で

十五
君がため 春の野にいでて 若菜つむ
わが衣手に 雪はふれつつ

【膝入れ】「君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪はふりつつ」(光孝天皇)の「雪はふりつつ」を「雪はふれつつ」に
【詠み人】
【膝枕語訳】箱入り娘をだっこして、春の野原でデート。若菜を摘めないひざだけの君のために、僕が若菜を積むよ。僕の袖に真っ白な雪みたいな君のヴァージンスノー膝が触れて、くすぐったいな。
【膝原典】正調膝枕

君がため 春の野にいでて 若菜つむ
わが指先は 雪にふれつつ

【膝入れ】「君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪はふりつつ」(光孝天皇)の「雪はふりつつ」を「雪はふれつつ」に
【詠み人】男(「雪はふれつつ」から30分後)
【膝枕語訳】箱入り娘をだっこして、春の野原でデート。若菜を摘めないひざだけの君のために、僕が若菜を積むよ。僕の袖に君のヴァージンスノー膝が触れて、くすぐったくて、白雪みたいな君の膝に指先をそっと触れてみた。
【膝原典】正調膝枕

君がため 春の野にいでて 若菜つむ
わが左手は 雪にふれつつ

【膝入れ】「君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪はふりつつ」(光孝天皇)の「雪はふりつつ」を「雪はふれつつ」に
【詠み人】男(「わが指先は」から30分後。「雪はふれつつ」から1時間後)
【膝枕語訳】箱入り娘をだっこして、春の野原でデート。若菜を摘めないひざだけの君のために、僕が若菜を積むよ。僕の袖に君のヴァージンスノー膝が触れて、くすぐったくて、白雪みたいな君の膝に指先をそっと触れてみたら、指だけじゃ止まらなくて左手が君の膝を撫でているよ。
【膝原典】正調膝枕 関成孝(膝番号70)の妄想

十六
たち別れ いなばの山の 峰に生ふる
まつひざ聞かば いま帰り来む

【膝入れ】「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む」(中納言行平)の「まつとし聞かば」を「まつひざ聞かば」に
【詠み人】男(箱入り娘との別れを惜しむ出勤前に)
【膝枕語訳】箱入り娘と泣く泣く別れて、仕事に行かなきゃいけない僕。職場はすぐそこだけど、会えない時間の長さを思うと、遥か遠くの因幡の国まで行く気分さ。稲羽山の峰に生えている松の木みたいに、君のひざが僕の帰りを待っているって聞いたら、すぐ飛んで帰って来るよ。
【膝原典】正調膝枕

たち別れ いなばの山の 峰に生ふる
まつとは聞かず いま帰りぬる

【膝入れ】「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む」(中納言行平)の「まつとし聞かば いま帰り来む」を「まつとは聞かず いま帰りぬる」に
【詠み人】男(逃した生膝に未練タラタラ)
【膝枕語訳】箱入り娘の膝に頭を預けていたら「最低」と声がして、いつの間にかヒサコが舞い戻っていた。「二股だったんだ」と玄関に仁王立して、形のいい唇を震わせている。「違う、これはオモチャじゃないか! 因幡の国の稲羽山の峰に生えている松の木みたいに、君を待ってる!」って必死に引き止めたけど、ヒサコは聞く耳持たず、さっさと帰ってしまったよ。
【膝原典】正調膝枕

たち別れ いなばの山の 峰に生ふる
まつとは言はず いま帰りぬる

【膝入れ】「たち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いま帰り来む」(中納言行平)の「まつとし聞かば 今帰り来む」を「まつとは言はず いま帰りぬる」に
【詠み人】ヒサコ(男の二股に激怒して)
【膝枕語訳】押し入れから聞こえるカタカタカタが気になって舞い戻ったら、あの人、作り物の膝枕に頭を預けて「君の膝が一番だよ」なんてぬかしてた! いつまで経っても膝枕止まりだと思ったら、膝フェチだったってわけ。引き止めたって、因幡の国の稲羽山の峰に生えている松の木みたいに、あなたのこと待ってるなんて言ってやらないから。サヨナラ!
【膝原典】正調膝枕

十七
千早ぶる 神代もきかず 龍田川
からくれないに 水くくる膝

【膝入れ】「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」(持統天皇)の「水くくるとは」を「水くくる膝」に(2021.9.3)
【詠み人】配達員(龍田川に身を投げた箱入り娘を見つけて)
【膝枕語訳】不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえ、こんな奇妙なことは聞いたことがない。血に濡れた膝枕が龍田川を鮮やかな紅に染め、水をくくるようにしぼり染めにしているよ。こうしちゃいられない。早く助けないと。自分が配達した品物には責任を持たないとね。
【膝原典】正調膝枕

千早ぶる ういよもきかず 膝枕
からくれなゐに 裾染むるとは

【膝入れ】「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」(持統天皇)の「神代もきかず 龍田川」を「ういよもきかず 膝枕」に「水くくるとは」「裾染むるとは」に(2021.9.3)
【詠み人】桜井ういよ(膝番号17 純愛膝枕推し)
【膝枕語訳】ういよ、こんなお話、聞いたことありませんでした。膝枕ちゃんのスカートの裾が真っ赤に染まっているんです。こんなに傷だらけになって雅夫君のところに戻って来た膝枕ちゃん。幸せになって欲しいな。あ、千早ぶるは神代の神にかかる枕詞なので、「神代」が「ういよ」になると浮いちゃうんですが、枕詞と膝枕、似ているからいいですよね。
【膝原典】正調膝枕 桜井ういよさんは膝枕朗読のとき男を「雅夫」と命名

十八
すみの江の 岸による波 よるさへや
膝のかよひ路 人めよくらむ

【膝入れ】「住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ」(藤原敏行朝臣)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 

十九
難波潟 みじかき芦の ふしの間も
あはでこのひざ 過ぐしてよとや

【膝入れ】「難波潟 みじかき芦の ふしの間も あはでこの世を 過ぐしてよとや」(伊勢)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 


二十
わびぬれば 今はた同じ 難波なる
身をつくしても 溶けむとぞ思ふ

【膝入れ】「わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ」(元良親王)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 

第二一首から第三十首(今来むと/吹くからに/月見れば/このたびは/名にしおはば/小倉山/みかの原/山里は/心あてに/有明の)

二一
今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるひざ

【膝入れ】「今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな」(素性法師)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 

二二
吹くからに 秋のまくらの しをるれば
むべ山風を あらしといふらむ

【膝入れ】「吹くからに秋の草木のしをるれば むべ山風をあらしといふらむ」(文屋康秀)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 

二三
月見れば 千々にひざこそ 悲しけれ
わが身ひとつの 秋にはあらねど

【膝入れ】「月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」(大江千里)
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕 

二四
このたびは ひざも取りあへず 手向山
紅葉のにしき 神のまにまに

【膝入れ】「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに」(菅家)の「幣も取りあへず」を「ひざも取りあへず」に(2021.9.14)
【詠み人】
【膝枕語訳】このたびの旅は急なことでして、お供えする膝枕をご用意できませんでした。いえ、これはお供え用ではなく、僕の箱入り娘膝枕です。お預けみたいなことになってしまって、神様、ほんと申し訳ありません(棒読み)。代わりと言ってはなんですが、手向山の紅葉が錦のように美しいので、そちらを手向けさせていただきます。神の御心のままにお受け取りください。
【膝原典】正調膝枕 

このたびは ヒサコのくちびる 怒り山
紅葉のにしき 神のまにまに

【膝入れ】「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに」(菅家)の「幣も取りあへず 手向山」を「ヒサコのくちびる 怒り山」に(2021.9.14 第十一回)
【詠み人】男(ヒサコに二股がバレて)
【膝枕語訳】今回も押入れで箱入り娘がカタカタと暴れるので「悪い。仕事しなきゃ」とヒサコを追い返したのだが、箱入り娘の膝に頭を預けていると、「最低。二股だったんだ」とヒサコの声がした。いつの間に戻って来たのか、玄関に仁王立ちして、形のいい唇を怒りで震わせ、山のように尖らせている。修羅場なのに、つい見とれてしまった紅葉の錦のような真っ赤な唇。神よ、どうぞ御心のままにお納めください。そして、ヒサコの怒りもお治めください。
【膝原典】正調膝枕 
【参照膝】FUJIKO ITO(膝番号25)コメント「マグマドロドロですね」

このたびは 布も取りあへず 膝枕
紅葉のにしき 神のまにまに

【膝入れ】「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに」(菅家)の「幣も取りあへず 手向山」を「布も取りあへず 膝枕」に(2021.9.14 第十一回)
【詠み人】男(箱入り娘が着いた日)
【膝枕語訳】そのー、着るものなんだけど、今回は急な配達で、君の膝枕を覆う布を用意できなかったんだ。紅葉を散らしてスカートの代わりにするの、どう? 女神様、御心のままに受け取ってよ。真っ白なヴァージンスノー膝に、錦みたいに鮮やかな赤い葉っぱ。いいね。すっごく可愛い。もう我慢できない!
【膝原典】正調膝枕
【参照膝】FUJIKO ITO(膝番号25)コメント「十八禁です」

このたびは 琵琶も取りあへず 膝枕
紅葉のにしき 神のまにまに

【膝入れ】「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに」(菅家)の「幣も取りあへず 手向山」「琵琶も取りあへず 膝枕」に(2021.9.14 第十一回)
【詠み人】琵琶語りのコタロウ(膝番号24)(琵琶抜き)
【膝枕語訳】このたびの旅は急なことで、琵琶の用意が間に合わず、「膝枕」を琵琶抜きで琵琶語りさせていただきます。語りますのは、箱入り娘の露わな膝を男が紅葉の葉っぱで隠そうとする場面。どう考えても隠れない。それどころか紅葉の赤が膝の白さを際立たせ、かえって艶かしい。けしからん十八禁、わたくしコタロウの十八番でございます。十八、十八と連呼しつつ、膝番号は二十四番。紛らわくて申し訳ありません。芸人にとっての神様であるお客様方、どうぞ神の御心のままにお楽しみください。
【膝原典】正調膝枕   

このたびは 膝も取りあへず 琵琶語り
紅葉のにしき 神のまにまに

【膝入れ】「このたびは 幣(ぬさ)も取りあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに」(菅家)の「幣も取りあへず 手向山」を「膝も取りあへず 琵琶語り」に(2021.9.14 第十一回)
【詠み人】琵琶語りのコタロウ(膝番号24)(琵琶あり)
【膝枕語訳】このたびの旅は急なことで、お供えする膝枕の用意が間に合わず、琵琶語りにて「膝枕」の物語を語らせていただきます。語りますのは、箱入り娘の露わな膝を男が紅葉の葉っぱで隠そうとするくだり。紅葉の赤が膝の白さを際立たせる、艶やかで美しい、錦のような名場面でございます。こちらを神の御心のままにお納めください。早くこの膝に頭を委ねたいと昂るお気持ちもお治めください。
【膝原典】正調膝枕  

二五
名にしおはば 逢坂山の ひざまくら
人に知られで 来るよしもがな

【膝入れ】「名にしおはば 逢坂(あふさか)山の さねかづら 人に知られで 来るよしもがな」(三条右大臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕  

二六
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの まくら待たなむ

【膝入れ】「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」(貞信公)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕  

二七
みかの原 わきて流るる 膝見川
いつみきとてか 恋しかるらむ

【膝入れ】「みかの原 わきて流るる 泉川 いつみきとてか 恋しかるらむ」(中納言兼輔)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

二八
山里は 冬ぞ寂しさ まさりける
ヒサコの膝も かれぬと思へば

【膝入れ】山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人めも草も かれぬと思へば(源宗于朝臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

二九
心あてに をらばやをらむ 初霜の
置きまどはせる 白菊の膝

【膝入れ】「心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花」(凡河内躬恒)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三十
有明の つれなく見えし 別れより
暁(あかつき)ばかり 憂きひざはなし

【膝入れ】「有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり うきものはなし」(壬生忠岑)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第三一首から第四十首(朝ぼらけ/山川に/久方の/誰をかも/人はいさ/夏の夜は/白露に/忘らるる/浅茅生の/しのぶれど)

三一
朝ぼらけ ありあけの月と 見るまでに
吉野の里に ふれる白膝

【膝入れ】「朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に ふれる白雪」(坂上是則)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三二
山川に 膝のかけたる しがらみは
流れもあへぬ まくらなりけり

【膝入れ】「山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ もみぢなりけり」(春道列樹)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三三
久方の 枕のどけき 春の日に 
静心なく ヒサコ去るらむ

【膝入れ】「久かたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」(紀友則)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三四
誰をかも しる人にせむ 高砂の
膝もむかしの 友ならなくに

【膝入れ】「誰(たれ)をかも しる人にせむ 高砂の 松もむかしの 友ならなくに」(藤原興風)の「松もむかしの」を「膝もむかしの」に
【詠み人】大工の八五郎
【膝枕語訳】長生きして年老いた僕は誰を友にしよう。大家さんも、おひさも、幼なじみの熊五郎も、僕を置いて三途の川を渡ってしまった。そばにいるのは、年を取ることも死ぬこともない細工物の膝枕のまーちゃんだけ。そのまーちゃんだって、昔からの友ではないのだけど、僕にはもう、まーちゃんしか知っている人はいないんだなあ。
【膝原典】やがら純子(膝番号33)作「落語膝枕」

誰をかも しる人にせむ ひざまくら
ワニもむかしの 友ならなくに

【膝入れ】「誰(たれ)をかも しる人にせむ 高砂の 松もむかしの 友ならなくに」(藤原興風)の「松もむかしの」を「膝もむかしの」に
【詠み人】きぃくんママ(「わにひざ」伝道に燃える膝番号34 )
【膝枕語訳】ステイホームで人に会えなくなって、リアルな友達というのがほぼいないの。clubhouseで毎日「膝枕」の話をする膝枕erだけが友達と言ってもいいくらい。膝枕リレーがきっかけで絵本「わにのだんす」をピアノつきで毎日読んでるけど、それも最近のことなのよね。
【膝原典】きぃくんママ作「膝枕のねがひ〜〜わにだんバージョン」「わにと『膝枕』

三五
人はいさ 心も知らず ひざまくら
箱ぞ昔の 香(か)ににほひける

【膝入れ】「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」(紀貫之)の「ふるさとは」を「ひざまくら」に、「花ぞ昔の」を「箱ぞ昔の」に
【詠み人】男(箱入り娘なら浮気を許してくれるよね身勝手モード)
【膝枕語訳】人の心というものは、さぁどうだろう、あてにならないものじゃないのかな。僕だってそうだよ。通販で買った膝枕の箱を捨てずに取っておいたのは、返品するかもと思ったから。その必要はなくなったけど、ヒサコが部屋に通うようになって、箱の出番が来た。箱を開けると、君が届いたあの日と同じいい香りがする。今も変わらない君の一途でいじらしい気持ちのようにね。
【膝原典】正調膝枕

人はいさ 心も知らず ふるさとの
箱ぞ昔の 薫(か) ににほひける

【膝入れ】「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」(紀貫之)の「花ぞ昔の」を「箱ぞ昔の」に、「香ににほひける」を「薫ににほひける」に
【詠み人】箱入り娘(押入れの中にて)
【膝枕語訳】人の心というものは、さぁどうでしょう、わかりませんが、ワタクシがふるさとの工場から出荷されたときの箱は、今も変わらず開発者の薫さんの香りがします。ヒサコという女が訪ねて来るたびに、この狭い箱に押し込まれ、心細さと口惜しさに押しつぶされそうになりますが、薫さんがそばにいてくれるようで、気持ちがまぎれるのです。
【膝原典】膝枕開発者の薫→やまねたけし作「薫の受難」 薫を想う箱入り娘の心情→きぃくんママ作「箱入り娘の願い

人はいさ 心も知らず ひざまくら
花ぞ昔の 踏み紙芝居 

【膝入れ】「人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」(紀貫之)の「香ににほひける」を「踏み紙芝居」に
【詠み人】踏み師こまり(20XX年、膝枕リレーの語り部となった膝番号35)
【膝枕語訳】人の心はわからないけれど、男が買ったひざまくらは、心変わりすることなく美しく咲き匂い、決して男から離れようとしなかったことですよ……という膝枕の物語を語り継ぐ遊びがいっとき流行りました。あの頃のことを膝枕erが覚えているかはわかりませんが、踏み師であり紙芝居師である私は、そんな昔のあだ花を語り継いでいるのです。
【膝原典】正調膝枕

三六
夏の夜は まだ膝ながら 明けぬるを
雲のいづこに 月宿るらむ

【膝入れ】「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」(清原深養父)の「まだ宵ながら」を「まだ膝ながら」に
【詠み人】男(箱入り娘との初夜が明けて)
【膝枕語訳】箱入り娘のヴァージンスノー膝に手を出さず、いや、頭を出さず、そこにある膝枕の気配を感じて眠った夏の夜。マシュマロに埋もれる夢を見て目を覚ました。まだ宵の時分だと思っていたら、夜が明けていた。美しい月は雲のどのあたりに宿り隠れているのだろうか。めくるめく膝枕の世界もまだ雲隠れしているよ。
【膝原典】正調膝枕

夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
膝のいづこに われ沈み込む

【膝入れ】「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」(清原深養父)の「雲のいづこに 月宿るらむ」を「膝のいづこに われ沈み込む」に
【詠み人】男(箱入り娘と合体した朝)
【膝枕語訳】明日になったら、二度と戻って来れない遠くへ捨てに行こう。これで最後だと箱入り娘の膝枕に頭を預けた。目が覚めたとき、まだ宵の時分だと思っていたら、夜が明けていた。あれ? 頭が持ち上がらない。それもそのはず、僕の頬と箱入り娘の膝が溶け合っている。僕は一体どこまで沈み込んでいくのだろう。
【膝原典】正調膝枕 「しずみこむ」は膝番号36Shizumiさんリスペクト

三七
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬき留めぬ 膝ぞ散りける

【膝入れ】「白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける」(文屋朝康)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三八
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし
膝の命の 惜しくもあるかな

【膝入れ】「忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな」(右近)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

三九
浅茅生(あさぢふ)の 小野の篠原
しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき

【膝入れ】「浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき」(参議等)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四十
しのぶれど 膝に出でにけり わが恋は 
ものや思ふと 人の問ふまで

【膝入れ】「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」(平兼盛)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第四一首から第五十首(恋すてふ/契りきな/逢ひみての/逢ふことの/あはれとも/由良のとを/八重むぐら/風をいたみ/御垣守/君がため)

四一
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
ひざしれずこそ まくらそめしか

【膝入れ】「恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか」(壬生忠見)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四二
契りきな かたみに膝を しぼりつつ
末の松山 波越さじとは

【膝入れ】「契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波こさじとは」(清原元輔)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四三
逢ひみての のちのヒサコに くらぶれば 
昔はものと 思
はざりけり

【膝入れ】「逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」(権中納言敦忠)の「後の心に」を「後のヒサコと」に、「昔はものを」を「昔はものと」に
【詠み人】男(ヒサコに浮気した後)
【膝枕語訳】箱入り娘膝枕と逢って、ヴァージンスノー膝に溺れた後に、出会ったヒサコ。やっぱり生身の膝には、かなわない。つい君の作りものの膝と比べてしまうよ。昔は君のことをモノだなんて思わなかったのに。
【膝原典】正調膝枕

逢ひみての のちの心に くらぶれば 
昔はひざを 思はざりけり

【膝入れ】「逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」(権中納言敦忠)の「昔はものを」を「昔はひざを」に
【詠み人】男(箱入り娘に溺れて) 
【膝枕語訳】君にめぐり逢って、ヴァージンスノー膝を知ってしまった僕。これまでにもいろんな膝枕に一目惚れして恋わずらいしたことはあったけど、君の膝に比べたら、なんとも思っていないのと同じだね。それくらい君の膝は別格ってこと。
【膝原典】正調膝枕

逢ひみての ひざの枕に クラブあり 
昔はものを 思はざりけり

【膝入れ】「逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり」(権中納言敦忠)の「のちの心に くらぶれば」を「ひざの枕に クラブあり」に
【詠み人】一部膝枕er
【膝枕語訳】膝枕リレーがなかった頃、何やってたっけ。
【膝原典】Clubhouse 「膝枕リレー」club    膝番号43宮村麻未さんのツイッター名は宮村麻未@「膝枕」リレー全力応援!(2021年8月現在)

四四
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 
膝をも身をも にじりざらまし

【膝入れ】「逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし」(中納言朝忠)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四五
あはれとも いふべき膝は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな

【膝入れ】「あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな」(謙徳公)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四六
由良の門を 渡る舟人 かぢをたえ
ゆくへも知らぬ 恋のひざかな

【膝入れ】由良の門(と)を わたる舟人 かぢをたえ 行く方も知らぬ 恋の道かな」(曽禰好忠)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四七
八重葎(やへむぐら) しげれる宿のさびしきに
人こそ見えね ひざは来にけり

【膝入れ】「八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」(恵慶法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四八
風をいたみ 岩うつ枕 おのれのみ 
砕けてものを 思ふころかな

【膝入れ】「風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ 砕けてものを 思ふころかな」(源重之)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

四九
御垣守 衛士の焚く火の 夜は燃え
ひざは消えつつ ものをこそ思へ

【膝入れ】「御垣守(みかきもり) 衛士(ゑじ)のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ ものをこそ思へ」(大中臣能宣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五十
あはれとも いふべきひざは 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな

【膝入れ】「君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな」(藤原義孝)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第五一首から第六十首(かくとだに/明けぬれば/歎きつつ/忘れじの/滝の音は/あらざらむ/巡りあひて/有馬山/やすらはで/大江山)

五一
かくとだに えやは伊吹の ひざまくら
ひざも知らじな 燃ゆる思ひを

【膝入れ】「かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」(藤原実方朝臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五二
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほうらめしき ひざぼらけかな

【膝入れ】「明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき あさぼらけかな」(藤原道信朝臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五三
歎きつつ ひとり寝る夜の 
明くる間は
 いかに久しき 膝とかは知る

【膝入れ】歎きつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」(右大将道綱母)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五四
忘れじの 行く末までは 難ければ

今日を限りの 枕ともがな

【膝入れ】「忘れじの 行末までは 難ければ 今日をかぎりの 命ともがな」(儀同三司母)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五五
滝の音は 絶えてヒサコと なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ

【膝入れ】「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ」(大納言公任)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五六
あらざらむ この世の外の 思ひ出に
今ひとたびの ひざまくらかな

【膝入れ】「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」(和泉式部)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五七
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半(よは)の膝かな

【膝入れ】「巡りあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな」(紫式部)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五八
有馬山 猪名(ゐな)の笹原 風吹けば
いでそよ膝を 忘れやはする

【膝入れ】「有馬山 猪名のささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする」(大弐三位)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

五九
やすらはで 寝なましものを さ夜ふけて
傾(かたぶ)くまでの 膝を見しかな

【膝入れ】「やすらはで 寝なましものを 小夜更けて 傾くまでの 月を見しかな」(赤染衛門)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六十
大江山 ひざいく道の 遠ければ
まだふみもみず 天の橋立

【膝入れ】「大江(おほえ)山 いく野の道の 遠(とほ)ければ まだふみもみず 天の橋立」(小式部内侍)の「いく野の道の」を「ひざいく道の」に
【詠み人】箱入り娘(男の頬と溶け合いながら)
【膝枕語訳】ゴミ捨て場からあなたの元へ膝をにじらせて戻って来るのは並大抵ではありませんでした。大江山を越えて天の橋立にある工場には到底ふみ込めませんし、文(説明書)も見ていません。《母(和泉式部)からの文なんか見ていません! 自分で和歌を詠んでいるんです!》と反発した小式部内侍の口惜しさそのもの。百人一首はインストールされましたが、あなたから離れないのはプログラミングじゃありませんよ。私の意志です。
【膝原典】正調膝枕

第六一首から第七十首(いにしへの/夜をこめて/今はただ/朝ぼらけ/恨みわび/もろともに/春の夜の/心にも/嵐吹く/さびしさに)

六一
いにしへの 膝の都の 八重まくら
けふ九重に にほひぬるかな

【膝入れ】「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな」(伊勢大輔)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六二
夜をこめて 鳥の空音(そらね)は 謀るとも
よに逢坂(あふさか)の 膝は許さじ

【膝入れ】「夜をこめて 鳥の空音(そらね)は 謀(はか)るとも よに逢坂(あふさか)の 関は許(ゆる)さじ」(清少納言)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六三
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
膝づてならで いふよしもがな

【膝入れ】「今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな」(左京大夫道雅)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六四
朝ぼらけ ひざの川霧 たえだえに
あらはれわたる 瀬々の網代木

【膝入れ】「朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木」(権中納言定頼)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六五
恨み侘び ほさぬ裾だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ

【膝入れ】「恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ」(相模)の「ほさぬ袖だに」を「ほさぬ裾だに」に
【詠み人】箱入り娘(ゴミ捨て場にて濡れそぼりながら)
【膝枕語訳】二股をかけられた挙句にゴミ捨て場に捨てられた私。あなたと一緒に買いに行った白いスカートの裾が涙で濡れて、乾かすひまもありません。「箱入り娘」の名に偽りなし、なんて言っていたくせに、あなたにキズモノにされた上に名前にも傷がついてしまうのが口惜しくてなりません。
【膝原典】正調膝枕

六六
もろともに哀れと思へ膝まくら
膝よりほかにしる人もなし

【膝入れ】「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」(前大僧正行尊)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六七
春の夜の膝ばかりなる手枕に 
かひなく立たむヒサコ惜しけれ

【膝入れ】「春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ」(周防内侍)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六八
心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の膝かな

【膝入れ】「心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな 三条院」(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

六九
嵐吹く 三室(みむろ)の山の もみぢ葉は
龍田の膝の 錦なりけり

【膝入れ】「あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の にしきなりけり」(能因法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七十
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
ヒサコも同じ 秋の夕暮れ

【膝入れ】「寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも おなじ秋の夕暮」(良暹法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第七一首から第八十首(夕されば/音にきく/高砂の/うかリりける/契りおきし/わたの原/瀬をはやみ/淡路島/秋風に/ながからむ)

七一
夕されば 門田のヒサコ おとづれて
ひざのまくらに 秋風ぞ吹く

【膝入れ】「夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く」(大納言経信)の「門田の稲葉」を「門田のヒサコ」に、「芦のまろやに」を「ひざのまくらに」に
【詠み人】箱入り娘
【膝枕語訳】夕方になって、門先にヒサコが訪れる音がします。あの女が来ると、ワタクシは届いたときの箱に入れられ、押し入れに押し込められ、一晩中ほっとかれてしまうのです。ワタクシという膝がありながら、他の女の膝に頭を預けるあなた。ワタクシが箱の中で暴れるこの音が聞こえませんこと? さみしくて、口惜しくて、ひざのまくらに冷たい秋風が吹き抜けますことよ。
【膝原典】正調膝枕

七二
音に聞く 高師の浜の あだ波は
かけじや膝の ぬれもこそすれ

【膝入れ】「音にきく 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れもこそすれ」(祐子内親王家紀伊)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七三
高砂の 尾の上の枕 咲きにけり
ヒサコの霞 たたずもあらなむ

【膝入れ】「高砂の 尾(を)の上(へ)の桜 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ」(権中納言匡房)の「尾の上の桜」を「尾の上のまくら」に、「外山の霞」を「ヒサコの霞」に
【詠み人】男(箱入り娘との結婚披露宴にて)
【膝枕語訳】新郎新婦の高砂の席に並ぶ僕と箱入り娘。恋愛の頂上である結婚披露宴。純白のドレス姿の新婦が美しく咲き誇る。僕に二股をかけられたヒサコが邪魔をして、この幸せに暗雲が立ち込めるなんてことがありませんように。
【膝原典】正調膝枕 箱入り娘に聞かせるピロートークの後日談

高砂の 尾の上の桜 膝枕
外山YO
霞 たたずYOあらなむ

【膝入れ】「高砂の 尾(を)の上(へ)の桜 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ」(権中納言匡房)の「咲きにけり」を「膝枕」に、「外山の霞 たたずもあらなむ」を「外山YO霞 たたずYOあらなむ」に
【詠み人】Yo Ueda(膝番号73)
【膝枕語訳】YO  YO  遠くに見える高砂の
山のてっぺんに咲く桜 僕のゾッコンの膝枕
人里近くに YO YO   霞立てるな YO YO  
美しい桜   うるわしい枕 
かすんじゃったら 泣いちゃうYO
【膝原典】正調膝枕   膝番号64賢太郎作「ラップ膝枕」

七四
うかりける ひざを初瀬の 山おろしよ
はげしかれとは 祈らぬものを

【膝入れ】「うかりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを」(源俊頼朝臣)の「」を「」に
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七五
契りおきし させもが膝を 命にて
あはれ今年の 秋も去(い)ぬめり

【膝入れ】「契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋も去ぬめり」(藤原基俊)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七六
わたの原漕ぎ出でて見れば膝からの
枕にまがふ沖つ白波

【膝入れ】「わたの原 漕ぎ出でて見れば 久かたの 雲ゐにまがふ 沖つ白波」(法性寺入道前関白太政大臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七七
瀬を早み 膝にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ

【膝入れ】「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」(崇徳院)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七八
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
いく夜寝覚めぬ 膝の関守

【膝入れ】「淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守」(源兼昌)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

七九
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 膝のさやけさ

【膝入れ】「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ」(左京大夫顕輔)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八十
長からむ心も知らずひざまくら

乱れて今朝はものをこそ思へか

【膝入れ】「ながからむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は ものをこそ思へ」(待賢門院堀河)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第八一首から第九十首(ほととぎす/思ひわび/世の中よ/ながらへば/夜もすがら/なげけとて/むらさめの/難波江の/玉の緒よ/見せばやな)

八一
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば
ただ有明の 膝ぞ残れる

【膝入れ】「ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞのこれる」(後徳大寺左大臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八二
思ひわびさても命はあるものを

膝に堪へぬは枕なりけり

【膝入れ】「思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり」(道因法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八三
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
山の奥にも 膝ぞ鳴くなる

【膝入れ】世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」(皇太后宮大夫俊成)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八四
永らへば またこの頃や しのばれむ
憂(う)しと見し膝 今は恋しき

【膝入れ】「ながらへば またこの頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき」(藤原清輔朝臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八五
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで
ねやのひざさへ つれなかりけり

【膝入れ】「夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり」(俊恵法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八六
嘆けとて 月やはものを 思はする
かこち顔なる わがまくらかな

【膝入れ】「なげけとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」(西行法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八七
村雨の 露もまだひぬ 槇(まき)の葉に
膝立ちのぼる 秋の夕暮れ

【膝入れ】「むらさめの 露もまだひぬ まきの葉に 霧立のぼる 秋の夕暮」(寂蓮法師)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八八
難波江の 芦のかりねの ひとよゆゑ
膝つくしてや 恋ひわたるべき

【膝入れ】「難波江の 芦のかりねの 一夜ゆゑ 身をつくしてや 恋ひわたるべき」(皇嘉門院別当)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

八九
玉の緒よ 絶えなば絶えね ひざまくら
忍ぶることの よわりもぞする

【膝入れ】玉の緒よ 絶なば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする」(式子内親王)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

九十
見せばやな 雄島の蜑(あま)の 膝だにも
濡れにぞ濡れし 色は変はらず

【膝入れ】「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変らず」(殷富門院大輔)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

第九一首から第百首(きりぎりす/わが袖は/世の中は/みよし野の/おほけなく/花さそふ/来ぬ人を/風そよぐ/人も惜し/百敷や)

九一
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
枕かたしき ひとりかも寝む

【膝入れ】「きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む」(後京極摂政前太政大臣)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

九二
わが袖は 潮干にみえぬ ひざのまくら
人こそしらね かわくまもなし

【膝入れ】「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ」(権中納言定家)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

九八
風そよぐ ならの小川の 夕暮は 
みそぎぞ夏の しるしなりける

【膝入れ】「風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける」(従二位家隆)(2021.    )
【詠み人】
【膝枕語訳】
【膝原典】正調膝枕

九九
人もをし 人も恨めし あぢきなく
世を思ふゆゑに もの思ふひざ

【膝入れ】「人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は」(後鳥羽院)の「もの思ふ身は」を「もの思ふひざ」に。(2021.9.6)
【詠み人】箱入り娘
【膝枕語訳】愛されたかと思うと、ヒサコとかいう人と二股をかけられて、あなたという人がいとおしくもなり、恨めしくもなる。つまらない世の中を思いわずらうために、あれこれ悩んでしまう私(膝枕)。
【膝原典】正調膝枕

人もをし 人も恨めし まくらなく
世を思ふゆゑに もの思ふ身は

【膝入れ】「人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は」(後鳥羽院)の「あぢきなく」を「まくらなく」に。(2021.9.6  100日目カウントダウン記念)
【詠み人】配達員
【膝枕語訳】人がいとおしくも、また人が恨めしくも思われる。一人暮らしの男の心を揺さぶる膝枕が僕にはない。世の中を思いわずらうために、悩んでしまうこの私には。
【膝原典】正調膝枕 

人もをし 人も恨めし あぢきなく
世を思ふすゑに ひざ思ふ身は

【膝入れ】「人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は」(後鳥羽院)の「世を思ふゆゑに もの思ふ身は」を「世を思ふすゑに ひざ思ふ身は」に。(2021.9.6  100日目カウントダウン記念)
【詠み人】男(一体化した膝枕に沈み込みながら)
【膝枕語訳】人がいとおしくも、また人が恨めしくも思われる。嘆かわしい世の中を思いわずらった挙げ句、頬にくっついて離れなくなった膝枕に沈み込みながら、身も心も膝のことを考えている。
【膝原典】正調膝枕 


百敷や 古き軒端に しのぶひざ
なほあまりある ヒサコなりけり

【膝入れ】百敷(ももしき)や 古き軒端(のきば)の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり」(順徳院)の「古き軒端の しのぶにも」を「古き軒端に しのぶひざ」に、「昔なりけり」を「ヒサコなりけり」に。(2021.9.6  100日目カウントダウン記念)
【詠み人】
【膝枕語訳】古い軒端にほったらかしにされて耐え忍んでいる箱入り娘膝枕のことが懐かしいが、それ以上に恋しいのはヒサコだよ。
【膝原典】正調膝枕

百敷や 古き軒端の しのぶひざ
なほあまりある まくらなりけり

【膝入れ】百敷(ももしき)や 古き軒端(のきば)の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり」(順徳院)の「しのぶにも」を「しのぶひざ」に、「昔なりけり」を「まくらなりけり」に。(2021.9.6  100日目カウントダウン記念)
【詠み人】膝枕er
【膝枕語訳】古い軒端の忍草のように膝枕ルームが乱立した日々を懐かしむにつけても、まだまだ勢いのある膝枕リレーであることよ。
【膝原典】Clubhouse「膝枕リレー」club

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脚本家・今井雅子(Clubhouse朗読 #膝枕リレー)

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