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【ニュースでよく見る】TSMCという企業とは?

こんにちは。

今の世の中、なくてはならないモノといえば
絶対「半導体」です。

今私たちが使っているモノの多くは、
半導体が使われています。
例えば、PC、スマホ、自動車など。

今回の記事は、半導体の世界最大手「TSMC」に関してです。

TSMCとは?

TSMCとは「Taiwan Semiconductor Manufacturing Company」の
頭文字をとった社名で「台湾積体電路製造」と呼ばれています。

名前の通り、台湾で創業され、
世界の半導体受託生産の半分以上を占める「バケモノ企業」です。

TSMCの時価総額は4442.39億ドル=約60.9兆円(8/26)、
世界で9位の時価総額(※米国株市場)です。
比較として、半導体を手掛けるIntelとSamsung Electronics
日本企業トップのトヨタを見てみましょう。

Yahoo!とBloombergから算出、8月27日1:30

こう見ると、バケモノ企業だということがわかります。

TSMCは製品の値上げをすると、
世界中に影響が及ぶほどの存在
です。

理由として、最先端技術を用いた
半導体の製造技術供給力です。

TSMCの歴史

世界最大手の半導体ファウンドリ(受託製造企業)TSMC
創業者は、張忠謀です。

半導体設計と受託製造を切り離す

1980年代、世界を席巻していたのは日本でした。
日本は、半導体の設計と製造の両方を担うことが主流でした。

その中で、台湾政府は半導体産業を基幹産業にしようと
巨額投資をしていました。

しかし、張忠謀は台湾には半導体設計を担える
優秀な技術がなかったので、
「他社が設計した半導体を製造する業務だけを担うファウンドリ」
の設立に奔走します。

世界を席巻していた日本の半導体企業は、拒否したのに対し、
ここに唯一賛同したのはオランダのフィリップスで、
TSMCは1987年に設立されました。

シリコンバレーとの共鳴

同じ頃、アメリカ・カリフォルニアにある
シリコンバレーでは小規模のベンチャー企業が乱立しはじめでした。

最先端の半導体設計に成功した企業が続出するが、
生産ラインを作るにはベンチャー企業にとって不可能でした。

そんな中で、救世主TSMCが現れたのです。

多くのシリコンバレーのベンチャー企業に委託された
TSMCが世界一になるまでには時間がかかりませんでした。

これと同時に、半導体設計を担うファブレス企業と
半導体の製造のみを受託して製造するファウンドリ企業に
分かれる時代に移行していきました。

ファブレス企業・・・生産を行う工場等を自社で持たない企業

TSMCを不動にしたスマホ時代

2010年、張忠謀は「次はスマホの時代が来る」と予見し、
59億ドルを投入して生産拡大をしました。

スマホはパソコンよりも消費電力に敏感な製品です。
スマホは、消費電力が直接バッテリーの持続時間の減少という
致命的な問題につながるのです。

iPhone 6sのSoCをSamsungとTSMCに委託していました。
同じiPhoneでも、Samsung製とTSMC製でバッテリーの性能差があったのです。

実際にバッテリー持続時間は、
TSMC製の方が1時間45分長いことが報告されました。

これが定説となり、iPhoneのSoCは全てTSMCに依頼することになったのです。

SoC・・・IC(集積回路)の一個のチップ上に、スマホのCPUや他の様々な機能を統合した心臓ともいえるチップ

TSMCの強み

TSMCがここまで大きくなった理由は
大きく分けて、3つあります。

・世界最高水準の技術力
・世界とつながるネットワーク
・40%の営業利益率を誇るビジネスモデル

世界最高水準の技術力

製造工程のみを請け負うTSMCは、
ただの下請け企業のように見られていました。

しかし、世界のトップクラスのファブレス企業の
製造を請け負い続けてきたことで、
世界最高水準の製造技術の蓄積に成功
しました。

このことによって、発注するファブレス企業よりも
委託を受けるTSMCの方が立場が強くなりました。

実際に、5nmプロセスの半導体の量産を可能としている企業は
世界でもTSMCしかありません

最先端のハイテクデバイスを製造するにはTSMCが必要なのです。

TSMCの協力が欠かせない現在、
TSMCがいなければ私達に身近な製品すらつくれません。

例えば、「iPhone」です。
AppleはTSMCにとって最も大きな顧客であり、
2021年に製造される5nmプロセスの半導体の50%以上が
Appleに出荷されていることがわかっています。

世界とつながるネットワーク

TSMCに半導体の製造を委託する会社は、
世界で約500社に上ります。

そのため、世界の需要をおおまかに把握できます。
TSMCは市場で調査せずとも、市場の流れを
分析できるポジションにいるのです。

40%の営業利益率を誇るビジネスモデル

高水準な技術力が営業利益が
40%の営業利益率を可能にします。

TSMCの主要顧客は、Appleをはじめ
Qualcomm(クアルコム)、NVIDIAなど
アメリカの巨大ファブレスメーカーです。

TSMCは最先端の技術開発だけでなく、
品質や出荷量においても安定しています。
そのため、どのメーカーも「TSMCなら対応してくれる」
という信頼感が生まれ、注文が殺到しています。

これによって、TSMCの価格決定力は毎年強くなっています

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