共感力はビジネスを動かすが、概念化できない人には無理がある(1/2)
【ポイント】
ビジネスの現場では、正しい意見が通るとは限らない。そんなとき「私は正しいことを言っているのに、皆が理解してくれない」と小さなことを言っていたのでは話は進まないばかりか、断ち切れてしまう。
分かり合えない最大の理由は、相手との価値観や問題意識、思考ロジックの違いにある。
正しいことを正しく理解してもらう力がビジネスマンには欠かせない。そのためには「共感」が鍵となる。
多くの人が気付いているように、ビジネスの現場では、正しい意見が通るとは限りません。
それどころか、こちらの意図を汲んでもらえず、トンチンカンな反応をされることもあるのではないでしょうか。この結果、こちらの提案は相手の心に届かず、狙った成果を得られません。
だからと言って「私は正しいことを言っているのに、皆が理解してくれない」と小さなことを言っていたのでは、大きな仕事を任されるはずもありません。なぜなら、大きな仕事には、影響力を持つ様々なステークホルダー(=利害関係者)が存在するからです。私たちに、正しいことを正しく理解してもらう力がなければ、安心して仕事を任せられることはありません。
つまり、正しいことを言うだけでは話にならないのです。
正しいことを正しく理解してもらう力があってはじめて、私たちはビジネスの土俵に乗ることができます。
しかし、相手が上司や経営トップの場合、提案に同意してもらうのは容易なことではありません。
なぜそうなるのでしょうか。
彼らが首を縦に振らない最大の理由は、価値観や問題意識、思考ロジックの違いにあります。
修羅場を何度も潜り抜けてきた彼らは、現場を主戦場とする私たちとはまったく違う観点からビジネスを見ています。この違いが、双方の意思疎通に齟齬を生じさせているのです。
私たちは、どうすればよいのでしょうか。
相手がどうあれ、どうすれば相手と同じ土俵に乗れるのでしょうか。
私は「共感」が鍵を握ると考えています。
ビジネスの世界では、たいていの問題に正解がありません。
正解どころか、解法すら存在しません。
そんな中で、自分の意見が正しいことを相手に理解させるのは並大抵ではありません。
彼らは時として「それは正しいのか」と怪訝そうな目を私たちに向けます。
正解があれば「これは正しいです」と胸を張って答えることができます。解法が存在すれば「こうやって導き出した答えなので正しいに違いありません」と答えるでしょう。しかし、ビジネスの問題ではそうはいきません。
そんな私たちにできること、それは相手に「確かに私もそう思うよ」と言わせることです。この背景にあるのが「共感」です。
では、「共感」とはなんでしょうか。
共感とは、自分が創り上げた概念を相手の中に移植する作業です。
次回は共感についての私の考えを、事例を交えながら説明します。
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