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概念化の流れがわかれば鍛錬できる(2/2)

【ポイント】

  • 概念化はキーワードを洗い出して構造化することから始まる。

  • 構造化を繰り返しているうちに概念モデルが姿を見せ始めるが、この一連の作業に正攻法はない。ピンとくるまで試行錯誤を繰り返すしかない。

  • 概念化は本質に辿り着くためのひとつの手段であり、そのためには、でき上がった概念モデルを使って第三者と議論するのが効果的である。

  • 自分の概念を第三者にうまく伝えるには「だからどうなのか」「この概念から何が導き出せるのか」を言語化しておくとよい。



前回は概念化の手順について説明しました。

  1. キーワードを洗い出す

  2. キーワードを構造化する

  3. キーワードを軸にした枠組みを準備する

  4. 枠組みをコンテンツ(中身)で埋める(=概念モデルの完成)

  5. その後の検討や議論を通じて概念モデルを充実させる(=概念モデルの熟成)

 今回はキーワードの構造化から説明を開始します。
 

構造化の手始めに、まずは洗い出されたキーワードを分類したり、依存関係を整理したりしましょう。
 
この作業を繰り返すことで、概念モデルのイメージがおぼろげに見え隠れし始めるはずです。
この作業の副産物は、キーワードの抜け漏れや重複がわかることです。
「何かが足りない」「言い回しは違うが同じことを言っている気がする」などに気付けば、その部分を補ったり、修正したりすることができます。
ここまでのところでキーワードは出揃い、キーワードの関係性も理解できるはずです。

次の作業は、具体と概念の両面から考えるための準備です。
 
今回は、3つの基本形の中でも特にマトリックスの枠組みを利用する場合を想定します。これには以前に「切れ者は、マトリックスで具体と概念を行き来する」で説明した内容が参考になります。 

では作業を始めましょう。
 

まず、洗い出されたキーワードの中から、軸を形成できそうなキーワードをピックアップします。
 
これは、具体的なキーワードを分類したり識別したりするのに役立つ抽象的なキーワードを見つける作業です。今後のことを考えると、ピックアップしたキーワードがどのように役立つのか、思いついたことを文章で書き留めておくとよいでしょう。

次に、これらのキーワードを軸とする枠組みを作ります。
 
今回はマトリックスを使います。
この一連の作業に正攻法はありません。ピンとくる枠組みができるまで、試行錯誤を繰り返してください。
 
こうしてできあがった枠組みに、コンテンツ(中身)として具体的なキーワードを埋め込めば、これで概念モデルの完成です。この過程で、キーワードが新たに追加されることはよくあります。


さて、ここまで構造化の流れを順に説明してきましたが、これで安心してはいけません。なぜなら、概念化は本質に辿り着くための手段でしかないからです。皆さんの目的は概念モデルを作ることではなく、できあがった概念モデルから本質を導き出すことにあるはずです。
 
そのために、疑問を思い浮かべながら、頭の中をグルグルと回して、ああでもないこうでもないと、できあがった概念モデルとひたすらにらめっこするのもひとつの方法ですが、もっと効果的な方法があります。それが、第三者との議論です。

第三者を招き入れ、議論を通じてこの概念モデルを練り込んでいくのです。
 
この議論の延長上で本質に辿り着けることはよくあります。私はこの作業を「概念モデルの熟成」と呼んでいます。概念モデルは成熟し、最終的には完成の域に達します。

しかし、そのためには準備が必要です。
皆さんが作り上げた概念モデルは概念のひとつの形ではありますが、それを第三者にうまく伝えるには「だからどうなのか」「このモデルから何が導き出せるのか」を言語化しておくとよいでしょう。

「だからどうなのか」「このモデルから何が導き出せたのか」という疑問の答えは、極めて本質に近いからです。
 
こうして磨き上げられた概念モデルは、ビジネスに大きなうねりを起こす、そのきっかけになりえます。そして、議論に参加した人々は、それを後押ししてくれることでしょう。
 


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