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ヤス
2023年3月17日 22:47
もうこの脚では人間たちの苦悩も憂鬱も支えられないからと粗大ゴミとして収集場所で寝転んだ日椅子は初めて空の青さを知ったこれで安らかに眠れる本当に美しいものを目の当たりにして心に何の澱みもなく終わりを迎えられる椅子の脚がほんの少しだけ震えているのを隣に立て掛けられたハンディ掃除機は見ていたがそっとしておいてやる事にした存分に働いたんだ椅子にだって夢見る権利はある
hanauta
2023年3月11日 22:05
色とりどりの喧噪が数多沸き立つ空間でたった一つ心に届いたあなたの声にそっと寄り添う夢を見た届く言葉の人恋しい切なさにそっと甘える夢を見た差し出す手の温もりの誠さにそっと安らぐ夢を見た夢と知って夢を見た覚めると知って夢を見た今どうしていますか
2023年2月22日 23:59
枝に寄り添う霧氷が眩しそうに輝きながら溶けてゆく散りゆく姿の可憐さにそっと沸き立つ微笑みの響き渡る暖かさいつしか笑顔はするものになっていた型にはまった笑い顔奥底が冷えていく綺麗なだけではない日々でそういう時は心が喜ぶものを探して
2023年2月18日 23:46
ちんちんが付いているのは恥ずかしい事でもなんでもないのですよ、とシスターはロッテに語ったが彼女は納得しなかったどうしてこうも美しくデザインされた人体にこんなにも不恰好な角が取り付けられなければならなかったのか神を模して作られたはずの形のなんという欠陥ロッテの不満が神への不信の域にまで達しようとしていた頃隣ではイサークが鼻水を垂らしていて彼女はハンカチで丁寧にそれを拭い
2023年2月12日 23:50
薄曇りの街を引き裂いて季節はめくられていく眠っていた赤ん坊が火のついたように歌い出す明日の雨さえ幸福へ繋がっているのだと渡り鳥は語った 強い眼差しのまま
2023年2月3日 22:56
詩の内臓に触れてみる生暖かくまだ脈打っているこんなところでお前は言葉を繋げていたんだね蝿が残躯に寄り添う彼もまた詩人だった
2023年1月29日 10:25
あの角を曲がった路地は名残り道 心澄ませば灯る記憶のまぶしさに歩が緩まる 名残り道 ずっとずっとが無いようにあの先からは一人道夢から覚めて振り向けば足跡だけはついてくる あの頃があるから今があるそういってずっと続いてくる
2023年1月24日 07:57
待つ夜に 残るは 消えゆく 月の跡 軋む心に流れるは今では雫となった笑い声 舞うリズムに弾んだ言葉も過ぎた夜更けの露となり あの日の月は もう昇らないそれでも夜はやってくる約束の時間今でも 見えない月を見る
ms11
2023年1月24日 00:26
眠りたいより眠りたくないのほうが眠れる帰りたいより帰りたくないのほうが帰れるおなかペコペコよりおなかまあまあペコのほうが食べられるがんばってよりがんばらないでのほうががんばれる会いたいより会いたくないのほうが会えるヤバそうよりヤバくなさそうのほうがヤバいエロそうよりエロくなさそうのほうがエロい休みたいより休みた
2023年1月5日 00:43
なんだコレ わけわからんどの角度から眺めても わけわからんでも なんでしょうこの胸の ときめきはこころの ざわめきはわけわからんものがわけわかるようになったらちょっとさみしいわけわからんものがわけわからんかった頃の自分が懐かしいわけわからんをさがして生きていくのだどこまでも
2023年1月14日 01:08
いま、なにしてる?とか来週の金曜、暇?とかまずはきみが何をしているのかを言ってくれたまえまたはその日に何をしたいのか言いなさいきみが先に言いなさいきみはわたしが暇だと知ったら何を言い出すつもりなんだねそれともきみとわたしで何してるかな問答でもはじめるつもりかねしかしまあ声をかけてくれたことはありがとうしかしだなわたしが何をしているか言うつもりはな