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Drive!! 【3章】 (ボート X 小説)

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大学のボート部を舞台にした小説です。(第3章#46〜#66)
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記事一覧

Drive!! #66 ボート X 小説

「最近前より下手になってる気がして」 井上の顔は極めて神妙だった。隣を歩きながら、辰巳は…

まさき
2年前
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Drive!! #65 ボート X 小説

コース付近以外の戸田の風景は普通の住宅街といった感じだ。薬局からビニール袋をぶら下げて出…

まさき
2年前

Drive!! #64 ボート X 小説

インカレの二日前の夜、辰巳は洗濯機は空いているだろうかと心配しながら、コインランドリーに…

まさき
2年前
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Drive!! #63 ボート X 小説

「勝つことと、負けないことって一緒じゃんて思うかもだけど、俺の中ではちょっと違うんだよね…

まさき
2年前

Drive!! #62 ボート X 小説

自販機の前。雄大は「負けるのが怖い」と告白した。意外だった。 冷たい風が肌を撫でる。昼間…

まさき
2年前

Drive!! #61 ボート X 小説

「橋本は優しすぎる」目の前の、雄大はそう言った。 いつもならここで話は途切れるが、雄大は…

まさき
2年前
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Drive!! #60 ボート X 小説

「あー、なんかそれ、わかるかも」 雄大から返ってきたのは、意外にも共感だった。 「なんかあれでしょ、相手に同情するっていうか、うまく言えないけど、気を遣うこと俺もあるよ。それのこと?」 そう言いながら、コーラの容器を傾けている。まさにその通りだった。 とりあえず打ち明けてみよう、そこから何か変わるかもしれないと思って行ったのだが、思いのほか相手に通じてむしろ驚いていた。 「そうそう。なんでこんなに毎日頑張って、最終的に行き着くのが負けるってところなんだろう、スポーツって勝

Drive!! #59 ボート X 小説

自販機の前で不意に出くわした同期の前で、橋本は決心した。普段あまり話したことのない雄大と…

まさき
2年前
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Drive!! #58 ボート X 小説

インカレ2日前。食事も入浴も済ませてあとは消灯を待つだけになったが、橋本はひとりコンビニ…

まさき
2年前

Drive!! #57 ボート X 小説

明後日ここでレースをするのだ。橋本はそう思いながら午後の練習を行なっていた。太陽は低い…

まさき
2年前
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Drive!! #56 ボート X 小説

15時30分に昼寝から目覚めた橋本は、練習30分前だということに気がついた。見渡すとまだ目覚め…

まさき
2年前

Drive!! #55 ボート X 小説

インカレのレースを2日後に控えた昼。みんなが昼寝をする中、橋本は布団の中で、小説を読んで…

まさき
2年前

Drive!! #54 ボート X 小説

銭湯の受付の前にはソファが置いてあり、天井の隅に木の枠で支えられた古いブラウン管のテレビ…

まさき
2年前
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Drive!! #53 ボート X 小説

ボートのことをずっと考えているのにも、いい加減飽きてきて、翔太の頭には無軌道にいろんなものが思い浮かんできた。風呂には他に誰もいない。 *** 水面に海賊船が浮かんでいる。もちろん俺の妄想だ。その船に漫画ONE PIECEのルフィーが乗っている。 ONE PIECEは小さい頃から大好きな漫画だ。 小学生の時は「ゴム人間って強くて、かっこいい」と思っていた。 だが大人になるにつれて、繰り返し読むたびに、彼の手足が伸びることよりも、その強靭なメンタルがカッコよさの源かもしれない