Masahiko KIMOTO 木本雅彦

ITエンジニアでSF/ライトノベル作家。ダウン症+ADHDの男の子の父親です。

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マガジン

最近の記事

さて10万字 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

だいたい10万字を超えた。10万字というと、文庫一冊分くらいである。 とは言え、情報共有という目的としては、まだ書かないといけないことが沢山ある。滲出性中耳炎と鼓膜チューブのこととか、摂食指導とか、ST、OT、PTのこととか。ただ病気や療育方面は妻がメインになっているので、彼女のほうが詳しいのだな。思い出しつつ書ければいいとは思うけれど。 支援学校での生活も書いていきたいのだけれど、保育園のときと違って直接出向く機会が少ないので(多くても困るが)、なかなか雰囲気がわからない

    • インクルーシブについて思うこと --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

      インクルーシブという言葉がホットなわけだ。 インクルーシブ教育という使われ方をするのが一番目につくだろうか。 教育……教育、ねえ。 個人的には日本に合っているのは、インクルーシブなアトモスフィアなんじゃないかと思うのである。アトモスフィアがインクルーシブなら、それでいいのではないのかと。 教育と言い出すと途端に胡散臭くなる。教育とは理性で行うべきものであると、僕は考える。だからインクルーシブ教育も理性で行うべきである。 でも、日本の教育って、理性じゃないじゃん。むしろア

      • 真珠腫性中耳炎の経緯 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

        記録しておこう。真珠腫性中耳炎というのにかかって、手術を受けた。 もともとは8月後半。耳垂れが出ていたので、2駅隣の耳鼻科に行った。 なぜ2駅先かというと、家の近くの耳鼻科で暴れて拘束できず「うちではもう見れん」と言われたからである。 2駅先の耳鼻科はダウン症児なども見ていて、子供の扱いにも慣れているらしいという触れ込みだったので、そこに通っていた。 急性中耳炎だろうということで、点耳薬と飲み薬を貰って帰ってきた。 しばらくして、治らないのでもう一回行った。 もう少し強い薬

        • サンタクロースを何歳から信じるか --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          何歳までサンタクロースを信じていた?というのはよくある質問だが、何歳からサンタクロースを信じていた?というのもまた気になる問題である。 親としては、いつからサンタ代行をすればいいのかというのに関わるからだ。 うちに関していうと、保育園でクリスマス会があるので、赤い服を着た人が何かくれるというのは漠然と知っていたのではないかと思う。 家でクリスマスプレゼントを夜にこっそり置くようにしたのは、5歳(年中さん)から。ダンボールハウスだった。朝起きた時に、「あれ、これ何だろうね?」

        さて10万字 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

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        • ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。
          62本

        記事

          ありがとう、という言葉 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          最近の息子は「ありがとう」を「あーと」と言えるようになった。これが実に可愛らしい。僕がついリアクションをしないでいると、リアクションを催促して、再度「あーと」と言う。その度に「いえいえ」とか「どういたしまして」とかリアクションをすると、納得する。 この調子で、「こんにちは」が言えるようになると(今は頭を下げるだけ)、コミュニケーションはかなり円滑になると思われる。 この子のコミュニケーション力は異様に高くて、今入院中なのだが(詳細は別記事にて)、ナースステーションに行けば

          ありがとう、という言葉 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          足し算 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          こどもちゃれんじ(年中さん向け)の付録に、すごろくがついてきた。 息子はもう半年くらいすごろくがお気に入りで、寝る前にすごろくをしないと納得しない。 最初のすごろくは、矢印を指で回して、赤青黄緑のますに移動するものだった。 今遊んでいるすごろくは、サイコロをふたつ投げて、出た数を合わせた数値だけすすむというものである。 足し算である。 年中さんなのに! まー、世間の子はすすんでいるのねー、などと思いつつ、さすがに息子はまだ足し算は無理なので、とは言え、2つのサイコロを投げて

          足し算 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          3人だけの小さな幸せな世界 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          最近の息子は、しまじろうのことを「ろー」と呼び、はなちゃんのことを「ちゃーん」と呼ぶ。 だいたいこの言葉は、寝る前にゴロゴロする時や、寝る準備をする時に出る。 遊んだり、歯磨きをしたりするのに、しまじろうと一緒にしようとして、どこに行ったのだろう的な時だ。トイレに行く時にもしまじろうとはなちゃんと一緒に行きたがるので、三人(うちには、しまじろうがふたりいる)を呼ぶ。 単に「ろー」「ちゃーん」だと分かりにくいのだが(しかも、本人、自信がないのか、この単語は小さな声で発語する)、

          3人だけの小さな幸せな世界 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          助詞記念日 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          息子は、おにぎりが出てくると、レジャーシートをしいて食べるものだと思っているらしく、大抵の休日に登場するお昼ご飯のおにぎりを用意すると、リビングにレジャーシートをしきはじめる。 面倒くさいから、テーブルのほうでいいじゃんと言ったのだが、 「こっちがいい!」 と言った。 はい、ここ重要です。 「こっち『が』いい」という中で、「が」という助詞が入っている。 これまでも、「おうち帰りたい」みたいなことは言ったことはあるのだが、助詞が含まれるというのは始めて聞いた気がする。 ちな

          助詞記念日 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          実績:家族連れで技術系イベントに参加を解除 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          自分の本業である、IT系の学会、研究会、シンポジウム、カンファレンスなどに、家族を連れていくのが夢だった。僕が楽しいと思うことを、少しでも共有したいというわがままではある。でも、僕が楽しいと思うことを、息子も楽しいと思ってくれたら、研究会や勉強会で発表している人をみて、すげーと憧れてくれたら、なんかうれしいじゃないか。 正直、ちょっと無理かなとは思っていた。 先日開催された、OSC Tokyo 2018 Fallに、家族と一緒に行ってきた。このイベントのポイントは、 ・知

          実績:家族連れで技術系イベントに参加を解除 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          ADHDを追加でどうかひとつ --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          ダウン症というと、おとなしくてニコニコしていて動きもゆっくりというのが定番のイメージだが、数%程度の割合でADHDを併発することがある。 うちの息子がまさにその例で、ADHDの薬を一年半以上飲んでいる。 ちなみに同じような話で、ダウン症と自閉症は併発しないと思っている人が多いようだが、これまたある割合で併発する。 息子はとにかく元気であった。生まれる前から、足で母親のお腹を蹴っていた。 生まれた時も、普通ダウン症の赤ちゃんは産声が小さいと言われるが、それはもう大声で泣いて、

          ADHDを追加でどうかひとつ --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          放課後デイについて --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          放課後デイとはなんぞや?という話である。 まず昨今の小学生の生活についてついて概観しておきたい。と言っても、僕が観測できる範囲の東京近郊での状況になる。土地柄や家庭状況によって、変わってくることはご容赦願いたい。 昨今は共働きが多い。それだけ女性が働ける機会があるということでもあるし、夫婦ふたりで働かないと金銭的に厳しいということでもあるのかもしれない。 保育園までは19時くらいまで預けることができるが、小学校にあがるとそれもできない。時短勤務も未就学児までである。この問

          放課後デイについて --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          息子がひとりで○○した話 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          息子がひとりでふらっとトイレに入って、用を足して、なんともない顔して出てきた時は、かなり驚いたものだった。君、いつの間にそんなことできるようになったの、と。 そういう種類の、「ひとりでできた話」は嬉しいことなのだが、今回はもう少し危ない話である。 その1。 4歳の時だったと思う。その頃、息子はなかなか寝ないうえに、朝早くから起き出していて、親としては勘弁してくれという状態だった。 その日も早くに起き出して何かしているな、ごそごそ音がするなあ、脱衣所にいった、戸棚ひっくり返

          息子がひとりで○○した話 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          息子の偏食 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          息子の偏食について記録しておこう。7歳5ヶ月時点だが、離乳食卒業後は徐々に進歩はしているものの、偏食は続いている。 食べられないものよりも、食べられるものを書いたほうが早いので、食べられるものを列挙してみよう。 ・白米(ふりかけは、「ゆかり」のみ) ・納豆(納豆とご飯を混ぜて食べるのは大丈夫) ・麺類(そば、うどん、ラーメン、スパゲッティ。麺だけで具は食べない) ・美味しい肉をちょっと ・ハンバーグ ・もずく酢 ・ミートボール ・きゅうり(そのままでも食べるが、酢漬けが好

          息子の偏食 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          父親からの言葉 --- 「 ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          先日のこと。 息子とふたりで近所に買い物に出かけた。二軒の店を回る必要があったのだが、一軒目のコンビニを出たところで、息子が帰ると主張し、しょうがないのでそのまま家に帰った。とはいえ、もう一軒での買い物はしないといけない。 妻は体調を崩して寝ている。息子は家でひとりで遊んでいるっぽい。 これならさっと行って買い物してきでも大丈夫かなと思って、僕ひとりで外出することにした。 僕は息子に向かって言った。 「お父さんちょっとだけ出かけてくるから、お留守番していてね。お母さん、調子

          父親からの言葉 --- 「 ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          小学校一学期が終わった --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          「一学期が終わる……」 「一学期が終わるとどうなる」 「知らんのか?」 「……」 「夏休みが始まる」 小学校の一年生の一学期が終わった。これをあと17回繰り返せば小学校卒業だ。鬼か。 この4ヶ月近くは、僕の転職やらなにやらでエクストリームであったことは既に述べたのだが、改めて一学期を振り返って思うところを書いておこう。 ただし、学校関係も放課後デイ関係も、ほぼ妻がとりまとめているので、彼女を通して見聞きした部分が大きい。あ、これは何のためのエクスキューズかというと、別に僕

          小学校一学期が終わった --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          夏休み課題「夏のすごろく」 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」

          支援学校の夏休みの課題のひとつに、B4の画用紙が渡されて、「夏の思い出をご両親が写真や絵などを使って書いてください」というのがあった。 このミッションを妻から託された僕ではあったのだが、いや、イラストとか無理だから。こういう小粋なデザインとか、本当に無理だから。 あれでしょ?写真を切ったり貼ったりして、マジックとか色鉛筆できれいに飾り付けしたりするんでしょ?あとシールとか、変なテープとか使って。 そういうの無理なんで。 でもな、父さん、文章ならちょっと書けるんだ。 という

          夏休み課題「夏のすごろく」 --- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」