命から考える、己のよるべ。
先日、叔父の葬儀に参列した。長らく入院していることはきいていたが、訃報を受けて初めて病気の深刻さを知った。父の弟にあたるその人は、細い目にメガネをかけた物腰の柔らかいおじさんだった。顔も声も五木ひろしに似ていて、普段は大人しいのに、ある時小さな声でモノマネをしてくれた事をよく覚えている。といっても、それも私が幼少期の頃のことだ。お正月やお盆に父の実家に行った時に話をする程度で、故人との思い出を振り返ろうにも記憶は微かなものしかない。導師が読経する厳かな雰囲気の中で、私は叔父の