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#10 : 1本のリバーサルフィルムと尾道

リバーサルフィルム。それは今や扱いに難しいフィルム。
けれどそれが写す景色はデジタルともネガフィルムとも違うように思う。
その一本のフォトセット。


Leica M3 × FUJIFILM PROVIA 100F

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先輩からライカで撮るならリバーサルフィルムだろと言われて買ったもの。
でも日常とかを撮るにはもったいない気がして全然使っていなかったが、尾道に来たのを機に使ってみることにした。
ライカとリバーサルフィルムの組み合わせ、あまり使わない富士フィルムのフィルム、楽しみでしかない。2日目の尾道で使ってみることにした。
露出がすごく心配だけど…。

Leica M3 
Ernst Leitz Summarit 5cm F1.5
Fujifilm PROVIA 100F


始まりは尾道美術館

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初めて使ってから数年ぶりに装填する手は少し震えた。
美術館の中でそれまで使っていたフィルムを使い切ったのが、このフィルムの出番の始まり。そして旅の折り返し地点。
現像が上がってきた時、「ああ、やっぱり違う」となった。
そして2枚目にして露出をミスっている…。取り直しているけれどもったいない…。
ネガフィルムでもデジタルでもない独特のクリアな質感。PROVIAの持つ青と緑が美しい。ややアンダーに振れるところが好み。


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山の上から撮る景色は格別で、露出にヒヤヒヤしながら撮ったけれどちゃんと仕上がっていてよかった。


活版印刷カムパネルラ

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一番暑い時間帯に一旦降りて予約していた活版カムパネルラ。
この体験についてはまた後で書き記そうと思っている。
地味なんだけど青い澄んだ空気のようで、少し別世界。
少しアンダーなこの室内の雰囲気を見事に写してくれて気がする。


再び千光寺周辺

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summaritの激しく暴れるぐるぐるボケもリバーサルは忠実に拾う。
デジタルで撮っているような鮮やかさなんだけど、フィルムっぽい少し解像感の弱い雰囲気もある。このフィルムの青さが、40度の暑さですらも、少し昔に戻ったかのような涼しい夏にしてしまう。こんな涼しげな夏なら大歓迎だんだけどなあ。


千光寺の下り道

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この時はもう夕方。ちょっと夕方っぽく撮れなかったのが残念。
FUJIFILMはやっぱり夏が似合う。
ここからすこし地獄の猫の細道に突入した。

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蚊がやば過ぎて急いで下りていった時に何故かキレてしまったシャッター。
走っておりた疾走感が出ているじゃろ(笑)


陽が沈む時の御袖天満宮

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尾道の夕日は千光寺の山の裏に沈む。だから山の影に隠れて夕方には街はどんどん影が濃ゆくなっていく。そんな暗い影の路地をとっていく。
独特の雰囲気の御袖天満宮までの道のり…。


さあ、ラーメンを食うぞ

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商店街を抜けて尾道ラーメンを食べにいく。
このフィルムで初めて黄色い光を撮れた気がする…。


沈みゆく陽に当てられた、尾道水道

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ラーメンを消化するため、少し涼しくなった海辺の潮風に当たりながら道を行く。
これが最後の写真になった。フィルムで一本一本、1日の、はたまた数日の物語のようになるのを目指して撮っているけれど、やっぱり繋がるように紡ぐのは難しいなあと思う。

デジタルでもたくさん撮っているのでそれもまた追々。



ではまた。




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