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関係を構築する聞き力


生徒や保護者と関係を構築することは、最初に取り組むべきことです。

これは生徒や保護者に限らず、同僚や上司、家族でも同じです。

関係構築するためにはコミュニケーションが大切だということは言うまでもないでしょう。

傾聴スキルなど、聞き方にもスキルがありますが、スキルだけでなく、エゴとの戦いや自身のコンディションも関係あります。
聞いているだけでなく、何かアドバイスをしたくなったりしますよね。
話を聞くだけでは、自分自身に対する不全感が募ります。
そういった不全感に耐えられず、アドバイスしたくなるのです。
そこをグッと堪えて聞き続けられるのか?大切なポイントです。

◯アドバイスは自己満足

悩み事などを話されていると、解決策やアドバイスをしてあげないと。と思ってしまいますね。聞くだけだと、なんだか役に立ててないという不全感に襲われます。

いわば、自己満足感を得るためにアドバイスをしているのです。

相手から求められれば答えてあげることは必要でしょうが、求められてもいないのに、アドバイスをするのは自己満足にすぎません。

特に教師と生徒のような関係だと余計に言いたくなりますし、言わないといけないのではないかと思ってしまいます。

しかし、『君のその考えは違うと思う』などと言われたら否定された気持ちにならないでしょうか?
今後、相談するのを躊躇してしまう要因となります。

聞き手はそういったエゴに注意しないといけません。
聞くに徹するのは意外と難しいのです。

◯内容を確認するために途中で短く要約する

聞くに徹するにしても、話を聞く途中に相槌をうつだけではく、途中で要約して話し手の言いたいことを確認することも大切です。

話し手も聞いてもらえているのか、不安になります。なので、理解した内容を確認することで話し手は聞いてもらえているということを実感できます。
関係を構築する上で聞いてもらえるという安心感は重要です。

助言される際も、否定されてしまうと安全感が損なわれてしまうのです。

次に確認する際のポイントです。
確認は短く・具体的に要約することです。

『言いたいことは〇〇ということであってる?』という形で短く確認することが重要です。

言いたいことを確認することは聞き手にとっても伝えたいことを的確に把握する上で有効です。

◯気持ちを言語化する

気持ちを言語化することで、聞いてもらえている実感と共感してもらえていることを感じることになります。

『〇〇と思われているということは不安を感じておられるのではないですか?』や『それは怒りを感じますね。』と話し手の立場に立って気持ちに想像し言葉にすることが大切です。

気持ちを言語化することは話し手にとっても、自身の気持ちに気づくきっかけになります。気持ちに気づくことで冷静になり振り返ることができたり気持ちをコントロールしやすくなります。自分の気持ちであっても余裕がなくなると気付けないこともあります。

◯保護者との連携を強固にするために

通級の内容や生徒のことを指導のたびに保護者に共有しています。
なるべく、よい報告を心がけています。
保護者はこれまで教師から電話を受ける際、大抵やらかしたことの情報共有が多かったと推測しています。
そのため、保護者もネガティブなことを言われると身構えています。
もちろん、そういった情報も必要なので報告するのですが、よい報告はより意識的にしています。
保護者は子供の成長を誰よりも願っておられますから、よい報告は自分のことのようにうれしいです。
しかしながら、人間はネガティブな面に目が行きがちです。
私も同じです。だからこそ、意識的にポジションな面に目を向けて報告することを心がけています。

付け加えてこちらの報告とともにご家庭の様子など保護者から見えている情報を聞きます。
その時はどちらかというとネガティブな情報が多いです。
家では子供たちもリラックスして生活している分、粗がでやすいのです。
その粗に対する愚痴などをよく聞きます。

その時に、アドバイス的なことはせず聞くことと保護者のその時の感情の言語化を行います。ひとしきり話し終えると少し苛立ちが軽減されて落ち着かれます。人に話すことで解決はしていなくとも少しは心の負担は軽減します。

そして、心に少し余裕ができます。
この余裕が子供たちにとっても有効です。
保護者に余裕がなくなると家庭内で余計な衝突が生まれて関係性が悪くなります。
関係性が悪くなってよいことはなく、どこかにその分の歪がきます。

ですから、我々が保護者に報告するとともに日々の困りがごとや苛立ちが募ったことを伺うことはとても有効なのです。

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