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創作用のアカウントです。読んでくださったらとてもうれしいです。アラフォー。今は在米。ピーター・スワンソンが大好き。

最近の記事

A Talent for Murder by Peter Swanson よむよむ

2024年6月発売の新作。出版社はハーパー・コリンズ、装丁デザインはカイル・オブライエン。この、本の中にヒントを隠すというモチーフはアガサ・クリスティのお話にあった気がするのだが、どのお話か思い出せなかった。『そしてミランダを殺す(The Kind of worth Killing)』と The Kind of Worth Savingで活躍したリリー・キントナーとヘンリー・キンボールが出てくるシリーズ。献辞はスタインベック家の皆さん。誰だろう、ジョン・スタインベックのこと?

    • 時間はまがりくねっているのかもしれない中村達『私は諸島である』よむよむ

      小学校4年生の頃に詩を書いた。それは時間についての詩で、私たちが今使っている時間というものは目に見えないシステムなのだから、誰かが「始めた」はずと考えていて、誰が始めたのだろうという疑問を持っていてそのことについて書いたのだ。母はそれを見て、不思議なことを考えるのね、と言った。私はもうちょっとすごいと思ってほしかったが、今思うと、そのことについて他に考えた人がいるはずだと思って調べなかった私もそこまでの人間だったと思う。でもこれは私にとってとても興味のある問題であり続けていた

      • The Honeymoon Trap by Peter Swansonよむよむ

        この本も短編で2022年に発表されてる。もしかしたら、電子書籍だけなのかも。ミステリの短編のシリーズ、ビブリオミステリーズの一冊で、出版社はオープン・ロード・インテグレイテッド・メディア。この本は、全然いつものお話と違うので、Goodreads(アメリカの読書コミュニティサイト)でも人々が困惑していた。どちらかというとファンタジー・ホラーというのだろうか。私が想像したのは『世にも奇妙な物語』、もっというなら『笑うせえるすまん』的な怖さのあるお話でした。私もこれは本当に本人書い

        • The Adventure of the Witanhurst Ghost by Peter Swanson よむよむ

          *The Christmas GuestとEvery Vow You Breakのネタバレが少しあります。何も情報なしで読みたい人はお読みにならないでください。 Sherlock Holmes:A Detectives Life (2022年)という短編集に収められている、スワンソンが書いたホームズ話!です。オーマジュとかでもなんでもなく、どストレートにホームズとワトソンの謎解きです。出版社はロンドンのタイタン・ブックス。編者はマーティン・ローゼンストック(日本では訳されて

        A Talent for Murder by Peter Swanson よむよむ

        • 時間はまがりくねっているのかもしれない中村達『私は諸島である』よむよむ

        • The Honeymoon Trap by Peter Swansonよむよむ

        • The Adventure of the Witanhurst Ghost by Peter Swanson よむよむ

          The Christmas Guest by Peter Swansonよむよむ

          季節外れとかどうでもいい。最新作なら読むしかない。装幀はHolly Ovenden いつもと違う方だ。出版社はハーパーコリンズで同じ。この本が他の本とちょっと違うのはクリスマスもの、季節ものとして書かれていることと、中編に分類されるであろう、あまり長くないこと。きっとプレゼントに最適に作られたものなのだと思う。エピグラフだってディケンズのクリスマス・キャロルである。最後まで読んでクリスマス・キャロルのことを思い出すとなるほど、と思うようなお話なっているのだ。(なるほどな!)

          The Christmas Guest by Peter Swansonよむよむ

          The Kind of Worth Saving by Peter Swansonよむよむ

          これは第2作『そしてミランダを殺す』の続編なので、絶対に邦訳が出ると思うので楽しみにしている。いや、これだけじゃなくて全部邦訳は出ると思うけど。出版社はハーパー・コリンズ。装幀はエルシー・ライオンズ(Elsie Lyons)。表紙に印刷されているレビューは作家のジリアン・マカリスターの「スマートで意外でクールでおもしろくて、考えさせられるし大満足な結末!最高!」となっている。献辞はデービッド・ハイフィルさん(またどなかわからない、と思っていたけど、第1作の後書きに編集担当の方

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          Nine Lives by Peter Swanson よむよむ

          スワンソンのリストアップ好きと『そして誰もいなくなった』好きと才能が炸裂している本作。邦訳を楽しみに待っている。出版社はハーパー・コリンズ。装幀はエルシー・ライオンズ(Elsie Lyons)装幀の文字のレタリングはジョエル・ホランド(Joel Holland)で前作と同じ。表紙に印刷されているレビューはニューヨークタイムズ・ブックレビューですごい!このプロットは見事なパズル!となっています。キャッチコピーは「このリストに名前が乗ったら誰かがあなたに死んでほしいと思っている」

          Nine Lives by Peter Swanson よむよむ

          Every Vow You Break by Peter Swanson よむよむ

          きっともうすぐ邦訳版が出ると思って楽しみにしているけれどまだ出ていない。洋書だってスワンソン作品読むためなら突き進むのである。出版社はハーパー・コリンズ。献辞はたぶん奥様。装幀はエルシー・ライオンズ(Elsie Lyons)装幀の文字のレタリングはジョエル・ホランド(Joel Holland)。アメリカの本には帯ってみたことないけれど、表紙に宣伝文句が印刷されてしまっている(特にペーパーバック)。この本の場合はオプラ・マガジンのレビューとして「ヒッチコック風のスリルとかっこよ

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          ピーター・スワンソン『8つの完璧な殺人』よむよむ

          6作目、いつも通り創元推理文庫。訳は務台夏子、装幀は鈴木久美。解説はミステリ評論家の千街(せんがい)晶之。エピグラフはなし。献辞はブライアン、ジェン、アデレイド、マクシーン、オリヴァー、ジュリアスという名の王たちと女王たちと王子たちに捧げられている。献辞はいつもさっぱりわからないけど、スワンソンにはお子さんがいらっしゃるという記述がないので、お知り合いや親戚の方たちのお子さんの名前をあげてらっしゃるのかなと思って、小さい子が嫌いっていう人がたまにいるけれどそういう方ではないよ

          ピーター・スワンソン『8つの完璧な殺人』よむよむ

          ピーター・スワンソン『だからダスティンは死んだ』よむよむ

          5作目。いつも通り、創元推理文庫、訳は務台夏子、装幀は鈴木久美。原書タイトルはBefore She Knew Him. 解説はミステリ書評家の村上貴史. 献辞はガレラーニ家3世代のみなさん(特にメーガン)に捧げられている。(どなたかはわからない)この作品はエピグラフなし。でもお話の最後に感謝を捧げてたくさんの方のお名前が書かれていた。たぶん取材などされたのかな、と予測。 物語は二組の子供のいない夫婦(ヘンとロイド、そしてマシューとマイラ)がご近所のパーティで出会うところから

          ピーター・スワンソン『だからダスティンは死んだ』よむよむ

          ピーター・スワンソン『アリスの語らないことは』よむよむ

          第4作目。創元推理文庫で訳者は務台夏子、装丁は鈴木久美。このお話は、主人公ハリーの父親が亡くなった連絡を受けた大学生の主人公が美しい義母アリスの願いでしばらく一緒に過ごすことになるというお話。解説は書評家の吉野仁。献辞はナット・ソベルさん(どなたなのだろう→第1作の後書きを読み返したら、エージェントの方と書いてありました)。 エピグラフはエリナ・ワイリー(Elinor Wylie)の「海の子守唄」Sea Lullabyという詩だ。原文を検索できたので読んでみたけれど、とても

          ピーター・スワンソン『アリスの語らないことは』よむよむ

          ピーター・スワンソン『ケイトが恐れる全て』よむよむ

          『ケイトが恐れる全て』第2作以降の翻訳は務台夏子、装丁は鈴木久美、そして創元推理文庫。これは、やっぱりハイスミス『ふくろうのさけび』のオマージュ的な要素が入っているよね。もっと過激だけど。解説は書評家の川出正樹もそう教えてくれている。訳者あとがきも、著者あとがきもないけれど、原書には著者あとがきがある、と解説に書かれているのでこれから読んでみたい。 解説を読むことによってスワンソンの作品がミステリ界でどんな位置付けになるのかがわかってよかった。色々な作品がお話の小道具として

          ピーター・スワンソン『ケイトが恐れる全て』よむよむ

          ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』よむよむ

          第2作目で最も評価が高い本作。邦訳は創元推理文庫から出ていて、翻訳は務台夏子。装丁デザインは鈴木久美。著者あとがき、訳者あとがきはなし、編集者への言及もなし。解説は三橋暁。スワンソンのこれまでの作品の中では唯一シリーズものになっていて、まだ邦訳はないけれど続きもはThe Kind of Worth Savingで読むことができる。そして今年にシリーズ3作目も発売予定。元タイトルはThe Kind of Worth Killingなのでこの邦訳すごいなあと思う。直訳だと殺す価値

          ピーター・スワンソン『そしてミランダを殺す』よむよむ

          ピーター・スワンソン『時計仕掛けの恋人』よむよむ

          体調を崩している間に読んだピータースワンソンがめちゃくちゃ面白かった。これまで九冊のミステリ本を出版していて、そのうち六冊は邦訳版が刊行されている。邦訳があるものは日本語で、そうじゃないものは原書に挑戦してみたけれど、どちらもおもしろい。話しの運びも良いのだけどとにかくディティールが最高だと思う。 2作目の『そしてミランダを殺す』で有名な作者だが、デビュー作はThe Girl with a Clock for a Heart で、邦訳版は『時計仕掛けの恋人』棚橋志行(たなは

          ピーター・スワンソン『時計仕掛けの恋人』よむよむ

          小説「ジャスミンティー」

          私にとっては幼馴染の俊平は、まるで違う生き物のように感じられる。俊平は私が悩んで「こんな風には、感じたくないと思っているのに感じてしまう、そう思う自分がいやなの」と言うと、「いらない感情は丸めてゴミ箱に捨てればいいんだよ。全部が全部、自分の一部じゃないんだから。運動したら汗かいて、雨に濡れたらシャワーを浴びて、自分の一部は流れ去ると思って自分の好きな部分だけを自分と思えば」などと言う人間だ。私は、強く生きるという意味を知らなかったから十年ぐらい俊平のことを理解できなかった。

          小説「ジャスミンティー」

          ULTRA CELL 返詩 3月

          もちろん愛が欲しかったが 君の心は手に入らなかったし それを言うならば 誰の心を手に入れることもできなかった 君は僕を好きだと言ったけど それは僕ではなく 本当は誰か別の人のことだって 君はまだ分かっていない ぎゅっと手を握る そこに、そっと口づける もう片方の手で唇をなぞった 神様このまま全部 手に入れてもいいですか 貴方が好きなのは自分だと 騙したままでもいいですか ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 君が別れたいと言うのなら もちろんそれで

          ULTRA CELL 返詩 3月