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第十八釜: お兄様が投入堂よりうどんが好きなはずがない。

お世話になります。Marunouchi Muzik Mag 編集長 Sin でございます。

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高知県越知町にある聖神社。ほとんど知られていませんが、鳥取県三徳山にあるあの国宝のような投入堂が、高知県にもあるんですね。

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日本一の清流、仁淀川の源流のあたりでしょうか。まずは高知市内から越知町まで、スムースにいって1時間。高速で行かれる方は、伊野で降りるのが一番良いと思います。

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途中、日高村の "村の駅" でスイカオムライスをいただきました。高知から西に抜ける33号線はオムライス街道と呼ばれ、オムライスのお店がたくさんあるんです。なぜオムライスなのかはわかりませんが、今まで食べたオムライスの中でも最高ランクでしたね。意外にも福神漬けがよく合います。スイカとトマトが年中採れるみたいですね。

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越知町に入ると、県道18号を仁淀川に沿ってまた1時間、ひた走ります。対向車はほぼ来ないので道の細さは気にならないのですが、ガードレールなどあるはずもなく、時々えげつないバンプもあるので一切気は抜けません。

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この棚田の付近にくると、小さな緑の看板とその辺りのオジイが立っているので、とりあえず話しかけてみてください。「高松から?ようそなな遠いとこからきちゅうね。なんにもなかろうが?」と訝しげにさらに細い道を教えてくれます。

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道沿いにずっと置かれている謎の箱。名前が書いているので、私はお骨が入ったお墓だと勘違いして丹念に手を合わせたのですが、後からオジイに聞いたらニホンミツバチの巣箱だそう。残念ながら最近はほとんどいなくなってしまいましたが、ニホンミツバチは巣も蜜で拵えるので食べてしまえるのだとか。

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最終的に、こんな場所で原木栽培をしながら、肉厚の椎茸に醤油とバターをちょっぴり垂らして貪りつつ細々と人生を終えるのが夢です。

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石垣で拵えられた美しい棚田。この量を全部積み終えるのにどれだけのご苦労があったことでしょう。

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5台ほど停められる駐車場兼休憩所が車の限界地点。ここからは歩いて登らねばなりません。

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休憩所にはなぜかサラブレッドのぬいぐるみと、無造作に置かれたイノシシの頭蓋骨が。夜は絶対に訪れたくない場所です。胴体は美味しくいただかれてしまったのでしょうか。

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ミニマリズムを極めたわかりやすい地図を頼りに登っていきます。生まれながらの無鉄砲なので、現地で調べればいいやと登山道については全く情報を入れないで行ったのですが、これが大失敗でした。携帯の電波がはいらない!! とりあえず、まずは対岸から眺め、そのあと本堂に向かう左のルートを取ることに。

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いや、無理でしょう。スニーカーにトレーナー。ストレイテナーのライブに行くような格好で登る場所ではありません。

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降りてからあの地図を見ると、「しんどい坂」と書いてありました。コンプライアンス的には、一応しんどいと書いてあるので大丈夫なのでしょうが、しんどいというよりもしにそうですし、坂というより崖です。

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写真よりも全然急です。ロープも死んでいます。ちょっとメソったあと、何かが壊れてずっと「シェイク!ちんぽ!シェイク!ちんぽ!」とリズミカルに独り言を発しつつ、不気味に笑いながらなんとか登頂することができました。

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いやー苦労の甲斐がある絶景ですねえ。5分くらいで飽きて、上から本堂の方に廻りましたが。こちらは緩やかな道です。完全にルート選択を誤りました。さらに調子に乗ってパシャパシャ写真を撮っていたら、スマホの充電が切れてしまいました。マイ愛フォンちゃんの限界は1時間。車に帰って充電です。

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私は秘境ハンターなので大丈夫ですが、 秘境ハンター以外の方は、断然危険度80から登ってくださいね。

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帰路は土佐藩士の街、佐川町で歴史を感じます。

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青山文庫のお庭が素晴らしかったですね。後ろの山まで庭として考えられているそうです。

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運転サウドントラックは GRAPEVINE のライブアルバムでした。大声で歌っていないと寝てしまうので、長時間の運転にはたいてい、歌詞をほぼ覚えているバンドのアルバムをかけますね。このライブ盤は長年聴き続けて、今では田中さんの 「オオサッカ!」「ええ感じや!」「どうもサンキュー!」といった合いの手まで完璧にコピーできます。音楽はもちろんですが、ちょうど青年から中年に差し掛かるオジサナギには "風待ち" や "白日" の歌詞も沁みて沁みて。

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今日の一軒目はいけこ。多度津の港付近に最近できたお店です。岡山香川県民の実に8割が見ているテレビ番組「金バク」で今週紹介されたので、すぐに駆けつけました。

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鴨かけうどんが絶品でしたね。もともと料亭で腕をふるっていたという店主。やっぱり鴨のことを深く理解しているのでしょう。讃岐うどんのダシに鴨の旨味が混ざり合って、えも言われぬ上品さを醸し出しています。鴨だけに。

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ふんだんに用意された薬味にも拘りがあります。関西出身の店主らしい紅生姜の天かす。瀬戸内の花塩に生姜、何より柚子胡椒がまた鴨に合うんです。

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二軒目はめん一。こちらも多度津、海岸寺から南にしばらく進むと田んぼの中に忽然と登場します。

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出ました。紫芋釜玉です。紫芋を練りこんでいます。なぜ紫の芋を練り込んでしまったのでしょうか。ちょっとミミズ感があります。生まれながらの無鉄砲なのでしょうか。でもこのモチモチは悪くない。仄かに香るお芋の香りも食欲をそそります。

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というわけで、もし第十九釜があればお会いしましょう。シェイクちんぽ!


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