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ロックスターの危機
ロックスターはロックでなければならない。ロックな生き方をするからこそのスターなのである。しかし・・・。たとえ生き方がロックだったとしても、羨望の眼差しで見られるべきスターとしての立場が危うくなってしまうようなネガティヴなファクターが存在する。
以下、そんなロックスターにとっての危機について述べてみる。
1.太る
ロックスターは痩せていなきゃいけない。特に脚なんかは細くてナンボだ。フィットしたパンツがキマっていてはじめてスターなのだともいえるのだ。しかし、、、『あら?』っと感じるミュージシャンがいたりする。老舗バンドの中にもドスコイ体型のメンバーが混ざっているのを見つけるのだが、残念ながらそれがビジュアル系と呼ばれるカテゴリーなんかの場合にはちょっとキツい。
ロックというのは満ち足りていてはいけないから、当然飽食を思わせる要素があってはならない。引き合いに出して申し訳ないが 大阪は松原の星、flumpool(フランプール)のギタリストである阪井一生氏は、太り過ぎてバンドにふさわしくない容姿になったという理由で、ダイエットのために活動を休止したという過去があるほどである。
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記事のギタリストがどの方なのかは
きっとすぐおわかりいただけると思う
《例外》
しかしアメリカは西海岸あたりでロックをやっているオッサンバンドはデブOKだと思う。古くは素肌に革ジャン、ハーレーを駆るヒゲ面ロン毛の白人バンドとか。実際違和感なくデッカいヤツがメンバーにいるし、それはそれでカッコ良くもある。
2.ハゲる
こちらはちっとも望まないのに、向こうから勝手にやってきてしまう男性型脱毛症(AGA)。遺伝や体質、環境や嗜好によって程度はあるものの、多くの人を悩ませるイヤなヤツだ。ギャグバンドならそれをウリにすればいいのかもしれないが、シリアスなバンドの場合はそうはいかない。いっそスキンにするってのもアリかもしれないが、ビジュアル系バンドなんかの場合は その姿が音楽性に合わない(そう考えるとビジュアル系バンドは先程から制約が多い)。
ちなみにビジュアル系バンドの、特にボーカルに関していえば、スキンはおろかショートカットの方もほぼいない(GACKTさんもバンド時代はショートカットではなかった)。ましてやハゲ散らかした(失礼!)ボーカリストでは残念ながら絵にならず、どんなにロックな生き方をしているミュージシャンだったとしても、 ステージ上でヘドバン(ヘッドバンキング)などされた日にゃあ、間違いなく笑ってしまうではないか。
《例外》
日本においては髪型としてのスキンヘッドは、そのインパクトが欧米の10倍はある。彼の地ではそれが普通のこととして成立しているから、頭を剃ったビジネスマンや教師というものが 見る人に特殊な感じを与えない。しかし我が国においては スキンヘッドなんかにすると、ご近所の噂になることも覚悟しないとダメだ。
さてミュージシャンに限って述べるなら、スキンヘッドのミュージシャンは少々ハゲててもそうとはわからないから大丈夫だ(笑) よってハゲのロッカーはスキンズに走るべし。まぁスキンまでいかずとも 『アラァ 最近薄くなってきたねぇ』程度だったとしても、やっぱり欧米と日本では扱われ方が違う。そう、欧米は薄毛全般に優しいと言える。
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特に80年代の “ ジェネシス ” での
連続大ヒットは薄毛界の希望の星だった
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何年か前 映画でスキンになった橋本環奈さん
あれ? しかし似合わない・・・
顔立ちがフェミニン過ぎることと、アジア人
特有で眉と目の距離があるからかな
3.メガネ
メガネのロックスターはなかなかいない。確かに条件が合えば皆無というわけではないが、少なくともヘビーメタル系、ビジュアル系(また出たw)のような、シャウトしながらステージ上を激しく動き回るタイプのバンドにメガネは似合わない。コール&レスポンスを呼びかけ叫ぶボーカリストが、眉間に人差し指を当ててズレ落ちたメガネを直していては、興ざめではないだろうか。
《例外》
しかしメガネがカッコ良いと思える状況もある。60年代のイギリスのモッズ系orインテリ系バンドにはメガネメンバーがいて、それもカッコ良かった。ジョン・レノンだって、ビートルズ後にはメガネだったし、クセスゴのエルビス・コステロがかけてた黒縁メガネは、随分後にメガネが必要になった私が 彼の装いを思い出して 実際に真似する位カッコ良かった。
我が国のバンドシーンにも、『wacci』の橋口洋平さんや『サンボマスター』の山口隆さんなど、有名なメガネ愛用者がいる(橋口さんは伊達メガネらしいが)。
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『その辺りにいる人』感が強く、
これまでのロックスターとは一線を画している
しかしメガネの奥の小さな目から発せられる
情熱と魂の歌声には心動かされる
4.老いる
個人的には最も他の力でカバーできる項目だと思っている。だから例外という項目は作らないでおく。カッコいい人は何歳になってもロックである。たとえば皺なんかもそのミュージシャンが辿ってきた道のりの証だ(でも年齢を重ねた結果という意味では同じなのに、前述のハゲはそうは受け取ってもらえないのが悲しい w)。車いすでステージに立ち続けたロッカ―もいたが、そんな風にステージ上で命尽きるまで全力で走る覚悟なのがロックなのか、きれいな引き際を目指して、惜しまれながらスッパリ後を引かずにやめる方がロックなのか・・・。
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◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ロックスターはとことん果てしなくカッコ良くあってほしい。ここにあげた各項目は、見る人がその『果てしないカッコ良さ』に翳りや曇りを感じてしまうものなのだろう。
スターたるもの、たとえワンルームのアパートで UFO焼きそばを食っていようと(ニューヨークやロンドンにもUFO的なものがあるかどうかは知らないが)、観衆の夢と憧れを体現するために非現実世界に住まう まぶしい存在でなきゃいけないのである。
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