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自分なりの哲学を持つ人間に

2023年7月20日 木曜日 涼しめな晴れ 17:35
ずっとに気になっていた福◯市のとあるカフェで

自分なりの哲学を持って生きる人間になりたい。

かっこいい大人に出会った。
とある場所でコーヒーショップを営む男性。

あんまり詳しくは言えないけど、
そのカフェは店主のこだわりで沢山のルールがあって。
Googleマップにも正式な名前では載っていない。
もちろんクチコミもないし、店内の写真もない。

クチコミで選ばれるような時代の中で、
逆に「お客さんを選ぶカフェ」だと思う。

だから、行くのにちょっと緊張するし、
店内も訪れたお客さんの緊張感が走っている。

そんな緊張感をもののするように
ポツポツと不安げにお店の扉を開く
おひとり様のお客さんたちを
4席あるカウンター席に並べていく。

まるで、受験の面接待ちで
教室前の廊下に陳列された椅子に
案内されるような気分になる。

ただ、受験と違う点は、
着席後は意外にも店主が気さくに
話しかけてくれるところだ。

「どこからきたんですか?」
「なんで知ってくれたんですか?」
こんな具合に。

話しかけられたお客さんは、
気持ち程度に背筋を伸ばして一言一言、
静かに、慎重に、丁寧に答える。

まるで質問には正解があるようにも感じて
話しかけられたときはその正解を探るように。
そんな雰囲気を誰もが醸し出すのだ。

店主は、一人一人に話しかけるが、
そこにいる他の人を自ら巻き込んだりしない。

だから他の人たちは、
携帯も触れない雰囲気の中で店内を見回したり、
店主の作るコーヒーを眺めている。
会話は筒抜けだが、まるで聞こえていないかのように。

正直、居心地は100%良好なわけではない。
でも、なぜかクセになる。
実際に、私は2杯目を注文してしまった。

コーヒーが美味しいのもある。
でもそれ以上に、店主の魅力を感じた。

そんな緊張感を出せるほどの、
ルール作りや雰囲気作り、
店主の空気感は誰にも真似できるものではない。

まるで、芸能人を見たときにいう
「オーラ」を感じるのかもしれない。

印象的な会話を記録しておこう

ーーー
その1
女性「ゲイシャみたいな珈琲ありますか?」
店主「うちはそういうのありませんよ」
女性「じゃあ、口当たりが軽めなやつ」
店主「珈琲界隈ではそういう考えは更新されました」
  「今は舌の感覚なんて人によって違う考えが主流で」
女性「でもなかなか来れないから」
  「失敗したくないのでおすすめなもの」
店主「まずは自分で試してみることが大切」
  「意外と名前で選ぶ方が口に合ったりするものです」
  「西洋思想的ではなく東洋思想的に
   物事を捉えてみるといいかもしれないですね」
ーーー

その2
店主「先日までインドネシアで農園に行ってました」
  「来月はラオスに農園の調査にいく予定です」
  「論文も書きたいけどまだ私は浅いので」
  「もっと勉強が必要です」
夫婦「長崎にもそうおっしゃる方がいました」
店主「今は日本が世界的に注目浴びてます」
  「島国だから外の方が魅力だと思うでしょ」
  「でも日本は独自の珈琲文化が発展してて」
  「意外と地方の喫茶とかにあるんですよ」
夫婦「確かに山の中に喫茶があります」
  「正直、すごいとっつきにくい店主で」
店主「都会はシェア文化があるから均一化されます」
  「現に江戸時代より世界は狭いでしょ」
  「飛行機などで行き来が簡単になって
   知らず知らずのうちに影響を与え合う」
  「昔よりもどんどん均一化されて人間は似てくる」
夫婦「地方はシェアされないということですね」
店主「そう、日本は地方のおじさんたちが力を発揮する」
  「シェアされずに自己流を貫いてきた人の面白み」
  「業界から言わせると”そんなやり方でやる?”っていう」
  「その人の好みと人間性と感性が活かされた珈琲」
  「それがまた面白いんです」
ーーー

その3
私 「なんで珈琲を始めたんですか?」
店主「実は珈琲界隈って哲学が深い人が多い」
  「早稲田中退みたいな人とか外れた人が多くて」
  「あぁ、そういう生き方もあるんだって」
  「そんな魅力に惹かれたんだと思います」
私 「なるほど、実は私もバイト生活で」
店主「じゃあ私と似ていますね」
  「私、昔は税理士事務所で働いていたんですよ」
  「全然違うでしょ?でもやめて、彷徨っていた」
  「アルバイトで生活繋いだりしてね」
  「そういう時の方が感情が動いて色々考えるんですよ」
  「それで珈琲界隈の人と出会い、魅力を知った」
  「僕も最初はアルバイトから始めましたよ」
私 「それでコーヒーの道に、、、」
店主「えぇ、もう僕は珈琲という道が見えたけど」
  「20代なんて迷う、
   どっちに転べばいいかわからない
   逆にどちらに転んでも時間もあるし
   伸びる可能性もある」
  「でもこれだけは言える、、、」
  「20代のうちはお金とか将来性ではなくて
   ”これなら本気で頑張れる”と思えるものをやるべき」
ーーー

自分の哲学を持って生きる人ってかっこいい。
私も、自分の哲学をもち、信じていきたい。

今日は素敵な大人に出会えた記念日。

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