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緩和ケアとは何か?

「緩和ケア」と言われてどういうイメージを持ちますか?


私は家族がガンになった時、亡くなる3ヶ月前から緩和ケアチームにお世話になることが出来ました。その時に思ったことは、治療の最初から緩和ケアチームに出会いたかった。最初から緩和ケアが受けたかったということ。緩和ケアチームに会うことで、本当に楽になることが出来たからです。

もっと早くに出会えていれば、感じなくて良い痛みや、出来たこと、出掛けられた場所があったっんじゃないかと思いました。あの日、幼なじみの結婚式を辛くて途中退出せず、最後までいられたんじゃないかなと。

ですが、治療の初期は「緩和ケア」とは「終末期だけのもの」「亡くなる直前にかかるもの」「私達にはまだ早い、関係ない」と思っていたのです。

「緩和ケア」=終末期だけのもの ?

違います。

ことばのイメージが先行していますが、本当は治療の初期から常にあるものです。

わかりやすく言うと、
治療をしながらでも、
常に、
「生活の質をあげること、保つこと」
そうなることを患者本人も、家族も、医療者も目指すこと。

健康な人であれば「生活の質を保つこと」は意識しなくても出来てしまいます。

病気になると今までなかった症状や苦痛があり、今まで通りに生活をすることが出来ません。気持ちも落ち込みます。ショックを受けます。仕事が出来なくなったり、休まなければならないかもしれません。家族も辛いです。

生活が一変します。体だけでなく精神的、社会的な痛みによって生活の質が下がるかもしれません。

体、気持ち、環境が変化した中で今まで通りに生活が出来ない。その中で生活の質を少しでもあげることが、緩和ケアです。

「緩和ケアという言葉が無くなった方が良い。」と言う緩和ケアのお医者さんがいますが、本当にその通りかもしれません。

「治療なんだから苦しまなくちゃ。」
「病気だから仕方がない。」
「痛い思いをしなければ治らない。」

こんな風に大切な人が思うのは嫌じゃないですか。

人生をこんな風に思いながら生きるのはおかしいじゃないですか。

「患者さんの生活の質をあげる」これが緩和ケアだと私は思うのです。


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