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「コミュニケーションが苦手なあなたへ」~HSPが考える、コミュ障のためのがんばらない処方箋 day21~あとがきに代えて

こんにちは!
ほいみん です。

コミュニケーションをテーマにしたこのnoteも、
今回で21回目を迎えることができました。
もともとは、
ほいみんが自分の経験を通して得たスキルについて
(そんなたいそうなものではないですが(笑))
自分でも忘れないよう書き留めておくために始めたものです。

ところが、いったん始めたら、
あれも書きたい、これも書いておきたいと、
ついつい興が乗ってしまい…(笑)
気づいたら20回オーバー!
これも皆様が続けて目を通してくださったからこそ、です。
誠にありがとうございました!

今日は皆様にどうしてもお伝えしたい話があって、筆を執りました。
以前、ほいみんが専門学校で働いていたときのこと。
最後の年に受け持った学生についてお伝えして、
このテーマを終わりにしたいと思います。

専門学校は基本的に2年制です。
4年生の大学とは、ここが大きく異なるところ。
自己分析に取り組み、
ESを作成し、
企業説明会に参加する。
就職活動の準備を、1年生の秋から進めていかなくてはいけないのです。

もちろん、進路が明確に決まっている学生ばかりではありません。
とはいえ2年間という限られた時間の中で、
結果を出していかなくてはいけない。
大変だよな~と思って見ていました。

彼の名をA君としましょう。
入学前からA君を知っていたのですが、
年齢の割に大人びたしっかりした学生というのが、
ぼくの第一印象でした。

入学後も、その印象が変わることはありませんでした。
地頭がいい。
サービススキルもある。
そのうえ、モチベーションも高い。
彼ならいい企業から内定がもらえるのではないか。
ぼくは密かにそう考えていました。

ところが、A君には(ほいみんから見た)欠点がひとつありました。
能力が高い学生にはよく見られる傾向かもしれませんが…
自信がありすぎる、という点です。
いわゆる、「過信」ですね。
そうした素振りが、その当時の彼には見てとれたのです。

自信があるのは構わない。
でも時としてそれが過信に変わり、周りを見下してしまう。
けれど就職活動は相手ありき、です。
いくら能力が高くても、相手が気に入ってくれなければ、
どうしようもない。
これが改善されない限り、結果を出すのは難しいのでは…
内心、一抹の不安を抱いていました。

ぼくの不安は的中しました。
同級生が次々と内定をもらっていくなか、
彼に内定を出してくれる企業はなかなか現れませんでした。

季節はあっという間に過ぎ去り、夏休みへ。
ふだんは落ち着いている彼に、
少しずつ焦りの色が見え始めていました。

8月も半ばを過ぎたあたりでしょうか。
A君から連絡が入ったのです。
「先生、面談やってもらえませんか?」
珍しいな、さては、おそらく就活が進んでいないな…
自分ひとりである程度のことを解決してしまう彼にとって、
そう頼ってくるのはめったにないことでした。

オンラインで話した彼は、珍しく悩んでいました。
「なかなか結果が出なくって…
いろいろ考えちゃうんですよね…」
思った通り、就活は進んでいないとのこと。
彼には珍しく、自信を失っているように見えました。

悩む彼に、ぼくは言いました。
君ががんばっているのは、オレ(ほいみん)が一番わかってる。
オレもなかなか結果が出なくて、悩んだ時期があったからね。
でもね、いま悩んでいることは、のちのち必ず自分の財産になるはず。
もう少し肩の力を抜いてやってみたらどう。
君ならきっとできるはずだから。

そう彼に語りかけたぼくは、あれッ?と思いました。
目が潤んでいるように見えたのです。
泣いているのかな…
大人びている彼は、
ふだん感情をあらわにすることはめったにありませんでした。
もちろん画面越しなので、細かいところまではわかりません。
でも彼の感情がちょっと動いたように、
そのときのぼくには映ったのです。

夏休みが明けて、2学期が始まりました。
彼は以前と変わらず淡々と授業に出席し、
やるべきことに取り組んでいました。
でも少し変わったようにも見えました。
以前と比べて、表情が柔らかくなった。
ぼくはそう感じたのです。

結果が出るまで時間はかかりませんでした。
「先生! オレ、内定、出たわ!」
そう報告を受けたのは
少しずつ秋めいてきたころだったと思います。

よほどうれしかったのでしょう。
彼は満面の笑みで、伝えてくれました。
まずは一安心。
でも、ぼくもとてもうれしかった!
喜ぶ彼の笑顔を見ていると、
ああ、変わったんだな~とつくづく思いました。

後日、ぼくは珍しく彼からお礼を言われました。
「先生、いろいろありがとうございました。
前にオンラインで話を聞いてもらったじゃないですか。
あのとき、オレ、珍しくウルッときたんですよ」
そう彼は語ってくれました。

そうか、やっぱり泣いていたのか…
しんどかったんだな…
けれど、うれしかったのが、
オンラインで話をしたにも関わらず、
ぼくの気持ちがストレートに彼に届いたということでした。

彼はその後、無事に卒業し、この春から働き始めました。
社会人一年目。
いろいろ大変なこともあるでしょう。
けれど自分を変えることができた彼なら、
待ち受ける困難もきっと乗り越えられるはず。
ぼくはそう信じています。

同時に彼からは大切なことを教えてもらいました。
人を信じるからこそ、人の心を動かすことができる。
それには一切、オンライン・オフラインが関係ないことも。
大変なことばかりが多かったこの仕事ですが、
あぁ、やってて良かったな… 
そう思えた瞬間でした。

コミュニケーションは難しい。
でも、他者と真摯に向き合い、
それを続けることで、
もしかしたら心が震える瞬間に立ち会えるかもしれない。
それがコミュニケーションの醍醐味なのかもしれません。

ほいみんもこの先、悪戦苦闘を繰り返していくことでしょう(笑)
でも、きっと道はあるはず。
そう信じて進んでいきたいと思います。

最後に毎回の長文にも関わらず、お付き合い頂いた読者の皆様、
そしてこのシリーズを通して
ステキな画像を使わせて頂いた「かなかな」さんに感謝の意を伝え、
筆を置かせて頂きます。
誠にありがとうございました!!

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