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回復期のステップ } 02

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者で経験談から考え方、メンタリティーについて X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan でお答えさせて頂いています。

前回に引き続き「回復期のステップ」ついてシェアしていこうと思います。



回復期の食事:初期

今回は「回復期初期」の食事にフォーカスして書いていこうと思います。この時期は「食べる」という動きに慣れるための時間だと思います。最初から今まで避けてきた事を取り入れるのは困難です。「練習」していけばいいのです。

症状によって心も生活も「回復の手順」も異なります。私は摂食障害の「過食嘔吐+拒食症」で、朝と晩に過食と嘔吐をしてそれ以外は食べない生活でした。

食べる「物の質」や「量」などは回復期に関係ありません。バランスも規則性も健康的か?どうか?も考える必要はありません。なぜなら普通より体にエネルギーが必要な回復期(治療中)だからです。

では、どう進めていくか?それは「食べたい物を選ぶ→口に入れる→飲み込む」事です。

回復初期では「食べたい物=食べられる物(安心できるもの)」でもいいと思います。

症状の"何も口にしないor排出したい気持ち"を「手放す」そして「食べた」という経験をしてみる時間です。

食べられるものから、選んで、用意して、口に運んで、飲み込む。この流れと感覚に、まずは「慣れていく」事がこの時期の食べる目的としています。

この時期の私が習慣にできた食事のリズムです。

朝:コーヒーとチョコをひとかけ 昼:サラダ 夜:過食と嘔吐

一見、栄養が足りないし過食嘔吐もしていますが渦中と比べると違いは一目瞭然です。凄い前進です。

こうして微量ながらも「食べる」事に慣れる時間を過ごしていると、体に栄養が入ってくるという「信号」をキャッチします。

ここでようやく体が動き出すイメージなのですが、伴って体に反応が現れます。

低タンパク状態で起こる浮腫や消化不調など、体が大きく見えたりお腹が出ているように感じます。が、これらは一時的な副反応でありずっと続くものではありません。

そして、これまで鈍っていた信号をキャッチした脳(心)や体は「栄養が足りない」と訴えかけてきます。これが所謂「回復過食期」です。

心と体のバランスやこの時期に感じる不安についてまとめたコラムも書いているので合わせて読んでいただけると幸いです。

回復過食期の訪れは人によって異なりますが必ずやってくるものです。それまでの間の食事のリズムとして「3食3間」を推奨しています。(3度の食事と3回のおやつ)

先程の私の食事のリズムですが、次第に心が慣れて「怖いけど食べたい物を食べてみよう」と思うようになりました。それを行動に移して食べるか?たべないか?は「私(当事者)次第」です。

食べたかった物や行きたかったお店に行く、何より家族と一緒にご飯を食べるというのが嬉しい事でした。


食べたい物に挑戦した時期の食事のリズムです。

朝:パン 昼:ランチに出かける 夜:家でご飯 この間におやつを食べたりもしています。

この辺りで摂食障害の「過食と嘔吐」の症状(気持ち)が湧かなくなって自然と辞める事ができました。それについては後程詳しく書こうと思います。


食べたい物を食べる、頑張ってみる。すごい事だし嬉しい事です。だけど怖いは怖いです。摂食障害の声(症状)は簡単には消えてくれません。そんな時、前に進むには「回復期のステップ:Part1」でも書いた「回復の理由」を思い返す事。

こうして心と体のバランスを取りながら、しっかり食べるという行動を伴わせる事。

ちゃんと前に進めているので、1日の中で「できた・できなかった」事を気にしなくて大丈夫。

0か100かの極端な思考を手放してあげて、少しでも「食べる」事ができたのなら、それは凄い事だと寄り添ってあげて欲しいと願います。

回復初期の食事の目的は「慣れる事」です。量や質などは関係ありませんがまずは食べる動作を練習する為に食べられるものから食べていきます。次第に、体に変化が現れますが「一時的」な事です。中々食べ進められない方や増やし方が分からない方には、「3食3間」のリズムを作ってみるのも、オススメです。


回復期の他人との比較

心の話を書きます。回復期を迎えた多くの方が「他人との比較」に悩まされています。一体何故なのか?私の経験談や考えからシェアさせてください。

私は摂食障害の渦中では「摂食障害アカウント」を作っていました、日々の食事や心内を投稿していました。と、同じように「摂食障害回復アカウント」というのを作って回復の情報や様子を投稿しておりました。

多くの方がSNSというツールを使って、心の安らぎや居場所にしているのではないでしょうか?

これは病気とか関係なく全てに置き換えて言える事ですがSNSは「日常の一部分を切り取ったもの」です。大前提に「違う人間」である事、忘れてはいけない距離感です。

「同じ病気・同じ環境」だと、共通点があって親しみもあります。が、故に自分と比較しやすいと思えます。

先程書いた通り、回復期は摂食障害の症状や発症した原因・理由が違うように、ペースも手順も違います。

誰かが「これくらい食べた」という投稿をして自分と比較して少ない・多いと判断して「安心・焦り」を感じます。

ここまで読んでくださった方なら分かると思いますが「意味」があるか?ないか?の二択で言えば「意味がない」と言えます。

自分が意思を持って、選んで食べる。その先には自分なりの回復の目的・理由があります。回復期という時間は、誰のものか?自分です。だから、誰かの時間に重ねて真似ても自分の為にはならないという事。

ただ、比較してしまうのは自然な感情です、何故ならお手本があれば安心するし、正解あれば分かりやすいからです。

でも、心の病気には「正解・不正解」がありません。だから、怖いんです。だから、お手本となるような(あるいは)正解のような共通した環境にいる人との繋がりを求めます。

あくまで、同志(仲間)であってその人に回復の手足の舵を握らせるのは違う気がします。

自分が決めていい、自分のペースでいい、自分がやった事・できた事を見てあげる。忘れないで欲しい心の距離感です。


近しい存在の「家族」と自分を重ねてしまうのではないでしょうか?SNSと似ていますが、より詳細に目に見えたり音が聞こえたりします。自然と比較の対象となってしまいます。

具体的な生活のリズムや食事の内容が、繊細な心に飛び込んできて気になってしまうんです。

ですが、もう一度繰り返しますが「違う人間」です。大きな違いは「健康」と「治療中」という時間の違いです。

サポートする側の家族も「違い」を理解してもらえるように声をかけていく事は大事です。

当事者も「回復の理由」を思い出しながら「何の為の今の時間」を思い返して、家族や誰かの食事量に心を奪われないように意識するのも回復期のステップだと思います。

回復に向けたアカウントで心が苦しくなったり、回復に向けた行動に邪魔があるなら辞めましょう。家族は家族の健康を守るために食事をしています、回復期を迎えた当事者は自分の「理由」の為に心と体を守る食事をしています。

最後に

回復を決めて、食事の練習から次第に変わる心と体についてシェアしました。手順も進め方も人それぞれなので「考え方の選択肢の一つ」として参考程度に読んでください。

何度も書きますが「少しでも変わった」のならそれは「前進」です。でも頑張れなかった日や思い通りに行かない日もあります。

誰かと比べてしまうのも自然な事ですが、それで自分の回復のペースを乱されたり、心が苦しくなってしまうなら手放してみるのも「回復のステップ」です。

距離感を持って、自分の心と寄り添ってあげて欲しいと思います。次回も回復期のステップについて書いていこうと思いますので、いいねやフォローよろしくお願い致します。

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