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回復期のステップ } 01

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者で経験談から考え方、メンタリティーについて X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan でお答えさせて頂いています。

今回は摂食障害の回復期について書くnoteです。これまでに書いてきた内容と重なってしまいますが、回復期のステップ(段階)・治療の選択・心のケア・考え方まで私が実践していた事をシェアします。



回復の理由

まずは「回復の理由」の話からシェアさせて下さい。何故ならイメージした"意識"や回復の"目的"が回復期で「大事な心の支え」になったと私は思うからです。

摂食障害の渦中で思う「このままではいけない」とか「もうやめたい」という感情は「痩せていたい・食べていたい」などの摂食障害の声(症状)を通り抜けた「自分の声(本音)」だという事を知ってもらいたいです。

痩せたいはずなのに、甘えてる。と変換しないで欲しいです。「(痩せる事に対して)必死で頑張っているのに思い通りに頑張れない」というのは、心と体の悲鳴でサインかもしれません。

渦中では、自分の声を聞こえないように聞き流したりする癖がついているかもしれません。でも、その声に耳を傾けられるようになって少しでも回復を意識し始めたのなら、それは「前進」だと思います。

回復を意識して、自分がどんな生活がしたいのか?を考えてみる事。これが回復期の「食べる理由」と「痩せを手放す理由」になります。回復期のエナジーです。

私が回復を決めた当初は「自由にファッションを楽しみたい」とか「家族・友人と思い出が作りたい」という願いを強く感じていて、回復期で手足が止まってしまった時に思い出していました。思い出して前に進むパワーになっていました。

摂食障害からの回復についてのイメージも私はよく向き合い考えていた事です。

回復期が終わった後には「それからの人生」があります。その為の「回復期」だと思っています。

摂食障害になった理由は、ずっとどこかに「生き辛さ」があって満たし方が分からなかった「心の凹み」に摂食障害がピタッとフィットしたのだと思います。

単に容姿や食事に執着しているんじゃなくて、守ろうとしているのか?痩せで紛らわしているのか?そんな、どこか苦しい自分の心を回復させていく回復期だと思います。

"悩み方や考え方" に "心の苦しみの原因" があった事に回復期で気が付きます。

これまで向き合う時間もなかったので知らなかったとも言えます。(知りたくもなくて隠していたのかもしれません)が、摂食障害が心の苦しみを体で体現して可視化(見える)されたお陰で、自分自身もこんなに苦しんでいたのかと知る事ができた、と捉えています。

摂食障害になる方はどこか繊細で頑張り屋さんが多いと思います。心の凹みに気がついてあげる事も回復のステップです。

そもそも摂食障害も「人生の一期間」なので、今が苦しくてこれからの生活全てが苦しいまま、なんて事もありません。

これから(回復後)どうにでもなれるので、その為に「今、練習する時間」だと捉えます。


回復を"決める"といっても「絶対・必ず」などの「0か100か?」の基準を持たない心を持って意識して欲しいです。

私は回復期で学んだことの一つなので、ここでシェアして考え方の選択肢として参考にしていただけたら嬉しいです。

何事も変化や新しい試みは「不安や恐怖」があって「失敗」もセットになっていると捉えます。最初から完璧に思い通りにいく事なんてありません。回復期も"一歩進んで二歩下がる"です。

食べると決めても食べられない日があったり、昨日出来た事や思た事が今日明日になったら同じようにできなかった。なんて事は、今でもある事自然な事。回復期は神経質になってしまうかもしれないけど、割とよくある事なんです。

回復期は今だけの時間じゃなく、これからの時間になるものです。悪くなったり自分が何も無い人間になるのでもない。前から抱いていた生き辛さに寄り添える時間です。

今、必死に守っているものを手放して「失うもの」より「得られるもの」にフォーカスしていくと回復期の心の不安や苦しみの支えになると、私は回復期で思いました。

私は「食べる理由」や「痩せを手放す理由」紙に書き起こして見返す事もしていました。どうしても、苦しみや不安は大きくなって忘れてしまいそうになる回復の理由です。目で見て思い出すのも選択肢だと思います。

これらを含めて「回復期」であり、回復への大事な最初のステップだと思います。


治療の選択

精神科に通院・カウンセリングを受ける、などの治療の選択について書こうと思います。

経験談になりますが、1人で回復期を過ごすのはとても難しいと思います。摂食障害の自覚を持ってから、1人で抱え込んでいた時期は負担がとても大きく経済的な面も不安定な為に病院に行く事もできませんでした。(当時は学生でした)

サポートを受けるというのは回復期の大事なステップです。親や身近にいる頼れる大人に相談することもサポートの一つです。


摂食障害を親に告白してから精神科に付き添ってもらい受診しました。が、結論から書くと何件も転々として「通院治療」の選択肢は選びませんでした。

精神科の受診時のアドバイス:低体重(35kg以下)の患者は受け入れない方針の病院も多くあります。受診対象なのか電話などで確認してから予約を入れる事をお勧めします。

精神科を選んだ理由は2つ。①血液検査や思考検査(能力テスト)など受けて自分の体と心の状態を知る事ができる。②海外留学の際の持参する処方箋を英語で書いて下さる。

(親も私も)摂食障害がそもそもどんな病気で、どう治していくものか?右も左も分からないところからの脱出というイメージでした。アドバイスを聞く感覚でした。

留学を控えていたのもあり、病院を選んで「一旦」診てもらう選択肢を作っただけで、私が親に告白した時期は回復を望んでいませんでした。ここ(回復の意思の有無)が最も重要なのでは?と思う事です。

治療を受ける前提に、自分が持っている「回復の意思」が1番の良薬であり心の支えになります。

回復の意思が無かったら?(当時の私です)先生にアドバイスをもらっても、健康の大切さを伝えられても、指導を受けてやるべき事を提示されても何も「感じない・やらない」からです。

変化や回復の意思というのは、他人に与えられて生まれるものではありません。自分が「思うか・望むか・行動するか」なんです。

なので「回復を望む気持ち」があれば、お医者様のアドバイスの元で自分ができる事をやったり、話を聞く耳立てて参考にできたりするのかもしれません。当時は回復は考えていない時期で、精神科に受診してから症状も悪化した私でした。

合わなかっただけ、というより回復を望んでいなかっただけ、です。それによって治療の選択肢は大きく変わると思います。

以下も同じく、カウンセリングに行っても病院を転々としても「合う」と思わなかったのは「回復の意思」が無かったから、でした。

回復を目指した時期に改めて回復期とは、どんなものでどう過ごしていくのか?を知るのに、摂食障害の専門医の方にお会いしてアドバイスを受けました。

その後は「自宅治療」の選択で回復期を過ごします。ですが、回復期では体に様々な「副反応」のような症状が出ます。

例えば、浮腫みや消化不良など。そういった体の症状は内科に受診して症状を緩和させる薬を処方して頂きました。

浮腫や消化器系の問題は摂食障害の栄養不足や低体重による「機能低下」が原因で起こる回復期の体の反応です。次第に機能も戻って浮腫やお腹の調子は治ります。ですが、酷い場合や生活に支障が出るのなら病院に行くことをお勧めします。

心にも「副反応」が出ます。"回復期鬱"と呼ばれる心の症状です。やはり回復を決めたから、と言ってもその道のりは簡単ではありません。どれだけ強い意思を持っていても、今まで怖い・不安と思っていた事と毎日直面する時間です。

私も回復期鬱と診断された時期は「イライラ」が酷く衝動性があって自分を痛めつけてしまいそうな危険な時期でした。鬱に対する薬はあっても回復期鬱は明確な原因があるので、効果というより眠るとかぼんやりさせるという一時的に紛らわす作用です。

私の個人的な意見としては、薬を飲むことで食欲や生活のリズムが崩れてしまうので薬に慣れてしまうよりは慎重に回復期を過ごして、次第に栄養を蓄え考えたり心と体が元気になるのを待っていく事が回復期鬱の乗り越え方だと思いました。

こういった心の症状は「身近な存在に頼る」というのも回復のステップです。

話を聞いてもらったり、不安をぶつけるのでも怒りに任せてでも本音を語れる時間が必要です。親や友達に話せない方もカウンセリングなどの心理療法で、心の症状が緩和されると思います。


最後に


今回のテーマでは本文がとても長くなってしまいます。Partを分けて書こうと思いますのでお待ちください。

今回書いた「回復の理由」と「治療の選択」は回復期のステップで言うと「最初の一歩」です。

ですが、その一歩がとてもとても大きな一歩だと言う事を皆さんには知って頂きたいです。

日々頂くQ & A では「回復を決めたのに〇〇ができません」とか「回復期なのに〇〇です」という回復を決めたのに上手く進まないという質問やお悩みを頂戴します。

忘れて欲しく無いのは、既に回復を見据えているから向き合い悩める事だという事です。悩みや疑問、不安や恐怖心は「回復」から遠く離れている場所では抱けない気持ちなのかもしれません。しっかり向き合って考えようとしているという事です。

その自覚を持って、自分なりのペースややり方で回復期を過ごして欲しいと願います。私の経験談も私なりの回復期のシェアなので「正解」でも「お手本」でもありません。

これらを考え方の選択肢として、何を選んでどう取り込むか?は読者の方の自由なんです。そこに「正解・不正解」はありません。

次回は「回復期の食事」や「回復期の心」について書いていこうと思います。フォローやいいねで次回のコラムを確認していただけると幸いです。




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