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「6」 梨 著

きました。
暑い夏にピッタリの一冊。

もう、最初から最後まで一貫して不気味。
細部まで「不気味」を追求するとこうなるのか、、と。

ヒトは「わからないものを怖がる」と言われている。
例えば、虫は「どう動くかわからない」から怖い。
幽霊は「いつどこに出て何をしたいのかわからない」から怖い。
こちらは「得体の知れない怖さ」と言えそう。

逆に、「わかったら怖い」という怖さもある。
例えば、サイコパス診断。
こちらは、先述の「得体の知れない怖さ」ではなく、
「全く想定外の現象や行動、思考が理解出来た怖さ」と言えそう。

この本、もれなくどちらの怖さもばっちばちに感じられる。

加えて、表現の仕方が本当に秀逸。
日常の傍らに「違和感」を常にぶっこまれ続ける感じの表現。

全6編の短編によって構成されており、各話文章の体裁が違う。
実体験の体で書かれた話、取材内容の体で書かれた話、
撮影したビデオの会話を文字起こしした体で書かれた話、
宗教の勧誘マニュアルの体で書かれた話。。
その文章の体裁も不気味さをガンガン演出してくる。

この本、果たして本当にフィクションなのか?
というくらい、リアルで、リアルじゃない。
だから、不気味。

今年、まだ暑いうちに是非。

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