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圧倒的な歌唱力で圧倒的な多幸感が得られるけど、セバスチャンのカニ感とフランダーの魚感も圧倒的だった『リトル・マーメイド』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:5/84
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:The Little Mermaid
  製作年:2023年
  製作国:アメリカ
   配給:ディズニー
 上映時間:135分
 ジャンル:ミュージカル、ファンタジー、ラブストーリー
元ネタなど:童話『人魚姫』(1837)
      映画『リトル・マーメイド』(1989)

【あらすじ】

美しい歌声をもち、人間の世界に憧れている人魚アリエル(ハリー・ベイリー)。掟によって禁じられているにも関わらず、ある日彼女は人間の世界に近づき、嵐に遭った王子エリック(ジョナ・ハウアー=キング)を救う。この運命の出会いによって、人間の世界に飛び出したいというアリエルの思いは、もはや抑えきれなくなる。

そんな彼女に海の魔女アースラ(メリッサ・マッカーシー)が近づき、恐ろしい取引を申し出る。それは、3日間だけ人間の姿になれる代わりに、世界で最も美しい声をアースラに差し出すことだった…。

【感想】

ディズニーの長編アニメーション映画『リトル・マーメイド』(1989)の実写版です。アレンジされている部分ももちろんありますが、アニメ版に忠実すぎる作りに驚く映画です。本当によく再現したなと。

<アリエルの圧倒的な歌唱力はすべての批判を吹き飛ばす>

今回の映画では、個人的に推せるポイントが2つありました。まずひとつめは、やっぱりアリエルを演じたハリー・ベイリーの歌唱力ですね。予告からでもすごいなと思うんですけど、これをIMAXで観たらもう歌を聴いただけで涙が出てきちゃうぐらいよくて。。。この歌声を聴くだけで、幸せな気分になれる人、いっぱいいると思いますよ。僕はもともと『Part of Your World』が好きなんですけど、アニメ版以上に抑揚をつけた歌い方ですごく感情がこもっていたんですね。『Under the Sea』もかなりパワーアップしていました。あの海の中のファンタジックな映像との相乗効果でメチャクチャよかったです!そういえば、"Under the Sea"の部分の字幕が、アニメ版だと「海の底は最高」だけど、今回は「海の底は安全」ってなってたのは、人間の世界に憧れるアリエルを抑えるための意味合いがあったからですかねえ。

<アニメ版よりわかりやすくなったストーリー>

ふたつ目の推しポイントは、ストーリーに補足要素が加えられたことです。アニメ版では、なぜトリトン王(ハビエル・バルデム)が人間を嫌うのかがはっきりとわかりませんでしたが、今回はそこの言及もありましたし、アースラの設定も少し変わっていて、関係性が理解しやすくなっていました。また、アリエルがエリックに惹かれる理由も、アニメ版では一目惚れ要素が強かったのですが、今回はそれだけじゃなく、中身の部分でも惹かれる要素が加わっていて、好きになる理由に腹落ち感があります。最後も、多様性を認める現代に即した形になっており、うまくアレンジしたなーと思いました。

<キャラクターのヴィジュアルに注目>

他に印象的だったところと言えば、セバスチャン(ダヴィート・ディグス)とフランダー(ジェイコブ・トレンブイ)の見た目です。アニメ版のセバスチャンは、顔が前を向いていて前後に動くから、てっきりエビかとずっと思ってたんですけど、今回ようやく彼がカニだということを実感できました(笑)そして、フランダー。マジでただの魚ですから。いや、実写だから当然なんですけど、それでも魚すぎだろって(笑)

あと、アースラもよかったんですよ。動きが『スパイダーマン』シリーズに出てくるドクター・オクトパスそのもので、逆にドクター・オクトパスのタコの動きすげーなって思ったんですが、このアースラが今回の映画の中では一番アニメ版を忠実に再現したヴィジュアルでした。

<そんなわけで>

やっぱり、アニメ版が好きで思い入れが強い人の方がなおさら楽しめる作品だろうなって思います。僕も楽しめましたけど、個人的にはもともと『アラジン』(1992)や『美女と野獣』(1993)の方が好きなので、実写版においてもその2作品の方が好きです。この映画に関しても、アニメ版の好き嫌いで受け取り方変わるんじゃないかなあと思います。まあ、ここまで忠実に実写化するならね、アリエルは白人の役者さんでもよかった気がしなくもないんですけど、先に書いた通り、そんなの吹き飛ばすぐらいの歌唱力に心を打たれます。これは映画館で観てこそなので、ぜひ劇場へ足を運んでみてください~。


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