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GAFAが個人情報の取り扱いに注目し始めた理由とは?

明けましておめでとうございます。

昨年は記事を読んで頂きありがとうございました。

年末に個人情報に関する記事を紹介したのですが、これは今年からデータを取り扱うビジネスを行う上で避けて通る事ができない大きな変化になっていくと考えています。

SNSやデジタル広告に関しては自分も2010年頃から取り組み始め、特に2015年以降は当時大統領選が行われた事もあり少しづつ変化が始まってきていたと感じています。

Bot含めた個人のフェイクアカウントが増え始めたのもこの時期でBotによって世論が左右されるなど、アカウントデータ数を集める事が果たして正しいのかという議論が本格的に沸き起こり始めたのも一つの大きなきっかけになっています。

個人的に個人情報の取り扱いに関心を持っている理由としては、個人のプライバシー権を前提としていないアルゴリズムデータ拡大至上主義へのアンチテーゼとして新しい動きが始まっている点にあります。

勿論、デジタル技術によって便利になった点や恩恵を受けるポイントも出てきており、今後さらにデータを活用した社会へと変わっていくと思いますが、その上で個人のデータに関する議論に着目していく事は非常に重要だと思っています。

データ至上主義に対する変化

これまで私たちの活動はデジタルデータとして特定の場所に記録され、管理されてきました。

日々ソーシャルメディアにアクセスしたり、インターネットを通じて情報を検索するなど利便性が向上するに伴って個人の活動をデジタルデータとしてログ化していく機会が増えていきます。

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(出典:Forbes 175 Zettabytes By 2025)

IDCの調査では2025年に全世界のデータ量は175ZB(ゼタバイト)まで拡大していくだろうと見込んでいます。

2018年の33 ZB(ゼタバイト)から5倍以上拡大する事になり、これは全宇宙にある星の数を軽く凌駕する規模の数字です。

これまでのデジタル空間だけのデータではなく、センサーを通じてリアルの世界とデジタル空間が繋がる事によってさらに私たちの活動はデジタルデータとして記録されていく事になります。

ここから分かる通りビジネスの世界でもいかにデータを沢山保有するかというゲームが行われています。

データ量に対する期待が集まる証拠としては、現在世界の時価総額トップの企業はデータ社会において確立されたアセットを有している企業ばかりです。(サウジアラムコは少し事情が異なります)

データ量が増えていく事によってトップ企業はさらに拡大し、私たちの生活に便益として様々なものを齎してくれるだろう期待されています。

これまでのデータ社会の定説が進む一方で、膨大なデータを抱え込む事による懸念も発生してきています。

情報の流出可能性に加えて、情報の第三者提供、そして情報の操作、利活用に対する懸念です。

データを活用する事で収益を生むビジネス構造を拡大する上で、データ自体に対する考え方に注目が集まりつつあります。

データを活用して私たちユーザーの利便性を向上させる一方、どのデータに対する向き合い方が問われ始めています。

さらに、今年大統領選を控えるアメリカでは選挙のテーマとしてGAFA(GAFAMの方が適切かもしれません)を中心としたテクノロジー企業に対する世論への訴えかけが加速しています。

選挙結果が出るまで主張が多数決で支持されるものかどうかはわかりませんが、テック大手企業の影響力が社会全体まで広がりこれまでのアルゴリズムデータ拡大至上主義に対してYesかNoを突き付けるところまで進んできています。

テクノロジー大手企業にとっては生き残るためにいかに政府と上手く付き合うかが鍵になりつつあり、その一つの分岐点として個人情報に関する法律を始めとして新しい動きが徐々に進みつつあります。

変化するGAFAMと個人情報関連の対応

データが社会全体に影響を及ぼす中で、テクノロジー大手企業の風向きは徐々に変化してきています。

2020年1月よりカリフォルニアでは「カリフォルニア州消費者プライバシー法」が実際に施行されています。

この変化に対してGAFAM(日本だとGAFA)と呼ばれるテクノロジー大手企業は既に動きを始めています。

マイクロソフト

マイクロソフトはカリフォルニアでスタートする個人情報保護に関してオープンな姿勢を見せており、プライバシーデータを前提とした取り組みを積極的に進めています。

カリフォルニアだけでなく、アメリカ全土を含めたプライバシーに対する取り組みを進めているマイクロソフトの動きはGAFAMの中でも一歩進んでいるのではないかと思います。

Google

GDPRの影響もありGoogleも早くからカリフォルニアでの対策を進めています。

特にビジネスモデルの主となる広告モデルに大きな影響を与える事になるため、技術的な解決策だけでなくガバナンス含めた全体設計に取り組んでいます。

Apple

顧客データのトラッキングなど対応が必要な顧客情報が多岐に渡ることもあり、GDPRと異なりオプトアウトと呼ばれる消費者が個人情報を収集・売却しないよう要求できる仕組みを提供する必要がありサイトを通じて設計しています。

Amazon

アマゾンでも同様にプライベートポリシーの公開を行なっています。

取得している個人情報に関するカテゴリーの明確化と、実際に消費者から要求があった際の対応に関して明確化しています。

Facebook

Facebookも同様に個人情報関連の対応を進めています。

Facebookはこれ以外にも個人でデータにアクセス、削除できるツールの提供を発表しています。

大手テクノロジー系の企業は昨年より対応を進めてきており、1月当初のスタートに関しては各社それぞれの対応を表明している段階です。

政府及び司法の対応

カリフォルニア州司法長官ザビエル・べセラ氏は施行後初期の6ヶ月に渡りコンプライアンスに関するレビューを行い、特に13歳以下の子供向けの親の同意、及び13〜16歳の個人情報の取り扱いに注視していくと発表しています。

子供の個人情報のようなセンシティブな情報に関しては特段取り扱いに対して注意を払う必要があり、特に広告ビジネスなどには大きな影響があるのではないかと考えられます。

特に "Sale" データ販売に関しては定義が一部不明確な部分がある事に加えて、広告モデルに依存している企業にとっては大きなインパクトが考えられます。

アドテク系の企業含め取り扱う広告に関しても注力が必要になってくるため、広告系のビジネスを展開する企業は今後の動向に注目です。

個人情報の未来とこれから

今年はカリフォルニアを契機にして、各州、各国で個人情報の取り扱いにまつわる議論が盛り上がってくるだろうと思います。

新しい法律の制定だけでなく、これまでのアルゴリズムデータ拡大至上主義で誕生したビジネスモデル自体を見直す時期が訪れてきているのだと思います。

初期は広告やマーケティング関連のビジネスを中心に話題になっていくだろうと考えられますが、IoT含めたセンサー関連の技術が発達していく事で幅広い適応が求められていくだろうと考えられます。

世界の個人情報に関する情報は引き続き、新規データビジネス含めて追っていきたいと思うので、今年も宜しくお願い致します。

※一部法的な解釈を紹介していますが、個人の意見として書いているため法的なアドバイス、助言ではありません。

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