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【インサイト】ブロックチェーンを活用したユーザー巻き込み型のインセンティブ設計とは?
ゴールデンウィーク企画でマーケティングの観点からブロックチェーンの可能性に関して紹介しています。
コラボゲートでは、産業でのブロックチェーン活用の話を企業の方と行なっっていますが、これは顧客活動の変化というのが一つ大きなポイントになってスタートしています。
最後はこれからの未来の話と、現在その未来に向けて取り組んでいる話を紹介します。
1、ユーザー、社会課題を中心としたカテゴリーを、ユーザーと共創し作り上げて行く
今まで社会課題を持ち出すとCSRや社会貢献という事がベースに考えられて来ていたと思います。しかし、これからのブランド作りはいかにカテゴリーの対象を自社ではなく、社会そしてユーザー中心型に考えられるかという事が一番のポイントになっていきます。これは今まで、セグメンテーションやドメインを設定した後に、ターゲティングを行うという従来型の「自社を中心としたマーケティング戦略」では成り立たなくなる時代が来るのです。
「共創」というキーワードを上げた際に、カテゴリーを広げて行くために競合ブランドとも活動を共にする必要性に関して話をして来ました。この「共創」という言葉の中には、競合ブランド以外にもユーザーを巻き込むという新しいモデルも考えられるのです。
その際に、いかに巻き込んだユーザーに対して競合へのインセンティブ設計同様に、価値の交換を行うのかという議論が必要になります。
ここで参考に既に始まっている一例を紹介します。
「プラスティックバンク」と呼ばれるプロジェクトで、ハイチの廃棄プラスティックの回収だけでなく、ローカルエコノミーのエコシステムとしても機能するように現在取り組みを進めています。
このプロジェクトはシェルがスポンサーとなり現地でプラスティックを回収する人たちへの資金的なサポートを行なっています。この活動によって、ローカル経済のサステナビリティに貢献しています。
さらにIBMが提供するブロックチェーンテクノロジーを活用して、プラスティックを交換して得る事ができた対価をブロックチェーン上に書き込み、食品や飲料などのものと交換できる仕組みを現在開発しています。
これによって、紙の紙幣を活用する必要がなくなりプラスティック資源だけでなく紙の浪費への取り組みとしても注目を集めています。ここで集められたプラスティックは資源として再度活用され、市場にブランドとして戻っていきます。
HenkelやSC Johnsonなど同業種の企業がプラスティックバンクのエコシステムに賛同し、商品開発に関連したサポートなどを行なっています。
このモデルは、先にユーザーと社会貢献の間でインセンティブ設計作りを行い、そこでできたエコシステムの中に企業を巻き込み、最終的にブロックチェーン技術でそのインセンティブを自動化するというものです。
① プラスティックの廃棄、放棄をゴミ収集活動で減らすことによって、初期スポンサーからユーザーは対価を受け取る
② 収集したプラスティックを再利用しブランド化したい企業をスポンサー、パートナーとしてエコシステムに募る
③ ブロックチェーン技術を活用し、エコシステム内のインセンティブを自動化しさらにエコシステムの拡大を目指す
という一連の流れです。
社会貢献という新しいカテゴリーを先にユーザーが求める形で設計することにより、同業種での共創が生まれ、さらに新たな技術によってエコシステム自体の価値が向上します。このエコシステムに参加している企業は、プラスティックの削減という社会課題に貢献するブランドという新しいカテゴリーを開拓する事ができ、「プラスティックの削減」という課題に関心のある層に向けたブランド活動を行う事ができるようになります。
「自社」ブランドから発信したブランド活動ではなくても、エコシステム全体に貢献することによってカテゴリー内での認知が広がることになります。これによって、カテゴリーから新しい顧客層の獲得ができるようになりビジネス価値の向上にもつながります。
1、ユーザー、社会課題を中心としたカテゴリーを、ユーザーと共創し作り上げて行く
まずはユーザー巻き込み型をテーマにブロックチェーンを活用したインセンティブ設計のエコシステムの話を紹介していきました。
次回は、別の視点からも可能性を探っていきたいと思います。
本日のトピックは以上で終了です!
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