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住所が存在しない国、ドバイのデリバリー事情(2/2) by『世界デジタル紀行』

●ドバイのオンラインショッピング

オンラインショッピングはAmazonの他に、Noon(ヌーン)というサービスが人気で、オプション料金を支払うと当日中に届けてくれる。

NAMSHI(ナンシー)はアパレルに特化したサイトで、若い女性に人気がある。ローカル(出稼ぎ労働者ではないアラブ人)の女性は外ではアバヤと呼ばれる黒い布を羽織っていて、アバヤも買うことができる。

私が現地の人の家を訪ねた時、アバヤを脱いだ女性が、肩出しルックに深いスリットのぴったりスカート、ゴールドの宝飾品をじゃらじゃら、メイクも目元から口元までばっちりで女性らしさにあふれているのに驚いた。

NAMSHIでは、そんな女性らしいセクシーな服もたくさん並んでいる。

色っぽい服が並ぶNAMSHIのサイト
アバヤの下にはこんな服を着ている

●ドバイの配送はひと苦労

面白いのはドバイには住所がないことだ。以前、タクシーに乗った時に、ホテルの場所を伝えるのにとても困った。はじめは通りの名前で説明していたが、知らない運転手も多く、地図を見せるようにしていた。

デジタルサービスではGPSで地図上の位置を伝えることができるので住所がないドバイでも、地図さえ読めればとても便利だ。住所とは違いGPSでは場所の特定が難しいので、配達のドライバーは近くまでくると、何度も電話をかけてきて目印を聞いてくる。

支払いは現金でもクレジットカードでも大丈夫。ドバイの富裕層は当然クレジットカードを所有しているが、出稼ぎ労働者は賃金不払い防止のため、給与を銀行口座振込でもらうことが法律で定められているので、銀行口座は持っているものの、クレジットカードは持っている人は少ない。(つづく)

●つづきはこちらの本で

※この文章は、『世界デジタル紀行』に収録している内容を一部編集し、改題したものです。
※この旅行は、新型コロナウイルス流行前におこないました。
<目次>
第1章.日常生活に欠かせないデジタルサービス
第2章.世界の国々とデジタルサービス
(1)シンガポール
(2)ネパール
(3)アラブ首長国連邦(ドバイ)
(4)フィンランド
(5)エストニア
(6)ロシア
(7)イタリア
(8)モザンピーク・ルワンダ
(9)ブラジル
(10)アメリカ
第3章.世界のデジタルサービスが教えてくれること
第4章.デジタル時代の小売サービス
第5章.デジタル時代の金融サービス
第6章.日本のデジタル社会構築に向けて 

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