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人殺しにはなりたくない

2月に入ってヴィガニュアリーが終わりましたね。ヴィーガン食をこのまま続ける人も、お肉やお魚を食べる人も、ぜひにぜひにethically sourced (環境や社会に配慮した調達の仕方)を念頭に毎日のお食事を楽しんでくださいね。

ヴィガニュアリーが終わってから選ぶ肉、魚食品類のすヽめ 'Life After Veganuary' 英ガーディアン紙英語版 ーこちらでは放牧で草を食べているブリティッシュビーフやオーガニックミルクの選択を勧めています。記事中に絶滅危惧されているお魚ガイドのアプリもダウンロードできます。(ヨーロッパ地域の情報主)


栄養価が高く森のバターとも呼ばれる美味しいアボカドは人気食材の一つですね。日本の生産量は輸入量のわずか0.01%で、世界の生産のほとんどはメキシコに頼っています。それが近年非常に問題になっています。日本やヨーロッパのうなぎ上りの需要に答える為に中南米で森林破壊が広がっています…とそこまではよく聞く話ですよね。農地を確保するためのアマゾンなどの森林破壊はもう何十年も前から有名な話です。そしてそこにはもう一つ恐ろしい事実があります。殺人です。

オメロ・ゴメス・ゴンザレスはメキシコ中部、ミチョアカン州の木こりの家に生まれました。森林を伐採するよりもこの豊かな自然を生かしての観光を収入源にしようと地域に呼びかけ、今はこのエリアでの伐木は違法となりました。彼はユネスコ世界遺産にも登録されている、オオカバマダラ生物圏保護区の運営、PRも担当し、世界に向けて活動してきました。オオカバマダラは蝶々でカナダから越冬する為にメキシコへ渡ってきます。ゴンザレスさんは10億もの蝶が冬を越せるように美しい自然を守ってきたわけですが、先月このTwitterビデオを最後に行方不明になりました。そして先週1月29日彼の遺体が井戸に浮かんでいるのが発見されました。彼の遺体には拷問の痕跡があったそうです。その数日後、そこでツアーガイドとして働いていたフェルナンデスさんも他殺体で発見されました。(2人の殺人が繋がっているかはまだ不明)

こんな優しいおじさんがなぜ?


ゴンザレスさんはメキシコのドラッグカルテル(犯罪組織)に殺された味方が強く、その理由は伐木アボカド農園の邪魔をしているための見せしめだと思われます。あの恐ろしいドラッグカルテルはアメリカやヨーロッパに輸出するコカイン製造に止まらず、アボカド農業にも介入してきているようです。血のアボカドと呼ばれアボカドを使わないレストランもイギリス国内で増えているようです。西の欲を満たすためだけに…人の欲って恐ろしいです。

ゴンザレスさんに限らず、メキシコでこのような森林保護人権の為に戦っている人を迫害のみならず殺していく件数は減りません。グローバルウィットネスによるとメキシコでは2018年に14人が殺害されています。ブラジルはアマゾン界隈でもその手の話はつきません。だから私はファストフードを食べません、絶対に。そして外国産の安いものは買わないようにしています。安いもの影には必ず何か非人道があるのです。

クリスマスシーズン、イギリスではクリスマスカードを送り合う風習がありますが、(年賀状の感覚ですね)ある大手スーパーに並ぶクリスマスカードからこんなメッセージが発見され大きなニュースになりました。「助けて!自分の意思とは関係なく働かされている」そのカードは中国で生産されていたようです。外国で作られたものはその生産過程で不透明な部分が多いです。特にコーヒー豆、カカオ栽培なども奴隷や子供が使われているので、この二つに関してイギリスではFair Trade(公正取引)という認定がある製品流通が主流です。全ての製品にFair Trade認証をして欲しいところですが…やはり国産を選ぶことが大切ですね。

メキシコ産のアボカド食べてないですか?原産国?えっどこのだろう?見てもないし、気にしてもなかったーじゃあつまりませぬよ。自分が食べる食品くらいは原産国がどこかくらいは知らないといけない。遠い南の国からきたものならばカーボンフットプリントも考えなければいけないし、その国の労働環境がどうなのかと考えないといけない。自分達だけ安く上がらせて美味しいものをたくさん食べたいという腐った根性は軽蔑もんです。こうゆう先進国の上から目線はグローバリゼーションがもたらした完全な負の遺産です。

季節を問わずスーパーに並ぶ安いアボカドを手に取るときゴンザレスさんの姿を思い出してください。私はメキシコ原産のアボカドをもう買わないし、食べません。なぜなら人殺しになりたくないからです。


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