見出し画像

ナイロビでの出産費用に含まれていた、ナゾなアイテムとは?【検診編】


ケニアに来て2年ちょっと経った頃。

そもそも結婚願望も子ども欲しい願望も、周りの女子に比べてダンゼン低かった私が、ナイロビで妊娠した。

当時、オットとはまだ結婚もしていなく、そして出産しても結婚しなかったので、「できちゃった結婚」というよりは、「できても結婚しなかった結婚」になる(その後本格的に結婚してみた)。

初めての妊娠で、きわめて順調であったと言えると思うのだけど、日本で出産をしたことがない私は、その比較ができず、ケニア方式を当たり前と思って妊娠期間を過ごしていた。


画像1


駐在という手厚い待遇で日本から派遣されていたわけでもなく、ナイロビに居候した人間だったので、産もうと思えばどこの病院でも埋めたのだが、出産年齢30代半ばすぎ。万が一何かがあったときにと、ナイロビの2大有名病院のうちの1つで産むことにした。


ナゾな中身の『出産パッケージ』

他の病院がすべてではない、という前置きはしておくが、ケニアの病院での出産は『出産パッケージ』なるものがあり、検診、エコー、血液検査、葉酸サプリ、助産師代などが含まれ、当時90,000シリング(約9万円)。

当たり前だが、パッケージの方が1回ごとに検診や検査代を支払うより安くなっているので、ナイロビで産むことを決めていた私は、パッケージを購入。ふむふむと読みながら、そのパッケージには他に何が入っているのかを見てみると・・・

【含まれるもの】:おむつ、たらい、ベッド

【含まれないもの】:体温計

おかしくないかい?

病院なのに、体温計が含まれないってどういうことやねん?熱を測るたびに別途料金かかるの?

というか、【含まれるもの】にある「たらい」って何だよ?? 

ナゾに包まれたそのパッケージ内容だったけど、他に選択肢もないため、とにかくそれを購入することにし、私は出産に備えることにした。この「たらい」が後に大変なことになるともに知らず・・・。

画像2


院内大移動を起こす、ケニアの病院システム

基本、9ヶ月の妊娠期間中、ドクターと話すときは、


ドクター:”How are you? Any problems?"
私:”No, I'm good.”


という、本人の報告ベースでカルテが書かれ、触診が全くない。出産予定日は、私の目の前でドクターがスマホアプリを取り出し、「1月14日だね」と言う。それ、家でやったってば!

新米妊婦としては、ベッドに寝転がり、お腹周りを計測し、エコーで様子を見てウフフとほほ笑んだり、というイメージでいた。

なので、毎回検診のときは、脱ぎやすいようにとゴムのスカートをはき、念のために少々のかわいい下着をはいていった(女心である)。

しかし、まったくもってそんなことが起こらない。

毎回、毎回、5分話して終わり。待ち時間2時間で5分のトークって、アイドルの握手会かよ?来る意味あるのかなと思うのと同時に、初妊娠で勝手がよく分からない私は、人生で初めて「先生、私を触って」とお願いしたくなったくらいである。

しかし徐々に分かってきた。

出産パッケージにエコーは含まれるが、9ヶ月でたった1回分のみ。日本のように毎回エコーチェックをしない。1回以上撮りたいときは、別料金であることもさることながら、「マタニティー棟」から「放射線撮影棟」に移動し、別日を予約し、また外来しなくてはならない。

そう、ケニアの病院はすべてが縦割りだった

Antenatal care(出産前の産科)、血液検査、エコー、会計、何もかもが、別々のところにあり、要件ごとにあちこち動くシステムだった。一応こっちは身重である。なんならそこをパッケージにしてもらいたかった。

そんな妊娠期間も終盤にかかり、いよいよ出産の日が近づいてきたのだが、この出産も一筋縄ではいかぬ、摩訶不思議な出来事になるとは、この時私は知る由もなかった。

【出産編】↓↓へと続く。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?