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オランダ移住(1年10ヶ月目)|産休に入りました。

前回、オランダでの就職報告に関する投稿をしてから、気付けば一年以上が経過していた。ここ最近は、家庭内でこそガーナ人夫と日本語で話すのだが、友人家族とのLINE以外「日本語を書く」という機会が無くなり、こうして日本語で文章を書くことに少々ぎこちなさを覚えている。

偶然が重なった2023年6月

2022年の10月にNGOで働き始めてから9ヶ月ほど経ったころ、念願のプロジェクトマネジメント部署に異動することとなった。しかも主に担当するのは、「欧州・アジアにおける子育て世帯向けの金融教育支援プロジェクト」。幼児期の家庭環境や保護者の経済状況が子どもの発育に大きなウエイトを占めることに興味を持ち、大学院時代に論文のテーマにもしていた身としては、この上ない機会に胸を躍らせていた。

そんなわけで意気揚々と新規プロジェクトの立ち上げ準備に取り掛かっていたころ、今までに感じたことのない慢性的な眠気と気だるさを感じるようになっていた。

子育て世帯向けのプロジェクト始動とともに、なんという偶然だろう。お腹の中に新しい命が芽吹いていた。(眠気に関しては「今までに感じたことのない」というのは嘘で、高校生の時1~7限までほとんどぶっ通しで居眠りしていた時期があったような気がするが。。。)

心当たりはあったので、というか結婚して5年弱が経ちオランダでの生活にも馴染んできたころだったので、夫婦間でそろそろだねという話をしていたこともあり、想定内といえば想定内だった。といっても、私の中で「妊娠・出産とフルタイムの仕事って両立できるの・・・?」という不安は、静かにずっと燻ぶっていた。

妊娠報告と周囲の反応

新しい命を迎える嬉しさを噛みしめていたのも束の間、恐れていたつわりの症状が出てくるようになった。

寝ても寝てもとにかく眠い。眠気くらいなら我慢できるやろうと思っていたが、これが思ったよりもキツかった。朝スッキリ起きれないのに加えて、日中も強烈に眠く、PCの前に座っていられない。頭と身体が鉛のようにぐで~んとしてくる。そして、継続的に込み上げてくる吐き気と、止まらないよだれ。わたしの場合は貧血も重なったようで、徒歩5分のスーパーに行くのにも途中でベンチに座ったりと、休憩が必要だった。これでも、他の妊婦さんに比べると症状は軽い方だと思うから、世の中のお母さんたちは本当にすごい。

その頃、弊社は週3出勤・週2在宅勤務というルールだった。最初の数週間は自分に鞭打ちながら出勤していたものの、前述の症状に耐えながら出社することに身体が限界を迎え、妊娠報告としてはだいぶ早めの妊娠9週頃に直属の上司と副CEOに妊娠を報告した。

実は、直属の上司とは年齢も近く、日頃から「どっちが先妊娠するかなー?笑」と話せる間柄だったこと、そして彼女も数ヶ月前から妊娠中だったことが重なって、報告の際の心理的ハードルはだいぶ低かった。副CEOも「おめでとう!(キャリア継続の面で)何も心配することはないからね。体調が落ち着くまでは在宅で、自分のペースで仕事してね。」と、温かい言葉をかけてくれたことが本当に救いだった。その後、つわりのピーク期間の2ヶ月ほどは、完全在宅で仕事をしていた。

プロジェクトの佳境と妊婦ならではの免疫力の低さが重なり、途中コロナに罹患するというハプニングがありながらも、体調が安定してきた妊娠中期以降は、周囲のサポートのおかげで35週で産休に入るまで順調に働くことができた。

産休に入った今、思うこと

今思えば、妊娠発覚から産休までの7ヶ月ほど、自分しか守ることのできない小さな命と仕事への責任感との狭間で、日々綱引きをしているような感覚だった。時に、お腹が張っていると分かりながら、夜中までPCに向かい続けている時もあれば、ベッドで横になりながら「もー、無理ー。」とカメラオフでオンライン会議に出席していることもあった。

果たして妊娠前、極度に心配していた「妊娠と仕事の両立」はできていたのだろうか。振り替えってみると「だましだまし乗り切った」というのが一番しっくりくる表現かもしれない。

でも、これで良かったんだと思う。来月、出産という大仕事を終えると、復職予定の3ヶ月後には「育児と仕事の両立」という半ば終わりのない挑戦が待っている。いくら仕事が切迫していたって、切り上げてナーサリーに子どもを迎えに行かないといけないかもしれない。逆に、子どもが体調を崩していても、対応しないといけない仕事が発生するかもしれない。

ただ、そんな時「まあ、こうゆう日もあるよね。家族みんな生きてるし、ハナマル大吉!」って、60点の自分を認められる心の余裕をもっていたいな、と思うのだった。

つづく。

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