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英語で褒められると日本語よりダイレクトに心に届いて嬉しい気がする

声をかけられた英語に不思議と強く胸を打たれるときがあります。

たとえば誉め言葉。先日一緒に仕事をしている他部署の同僚(オーストラリア人)からこのように言ってもらえました。

I appreciate everything you do, your understanding, and big picture thinking. You are the best sales of all.

ダイレクトですよね。本当にうれしかったのをよく覚えています。そもそも仕事中に日本語で気恥ずかしいくらい真っすぐに褒めてもらえることは滅多にありませんが、このように英語で褒められると心に響くんです。

これは一体どうしてなのか。

仮説としては、私は英語がネイティブではないので、英語から伝わるニュアンスを自分で勝手に拡大解釈して脚色し、嬉しさが増している気がします。(笑) それとも、単純にダイレクトな表現だからなのでしょうか。

褒め言葉に限らず、ジーンときてしまった英文があります。コロナの影響で職場のオフィスを移転する際に、同僚(マレーシア人)がこんな言葉を残していました。

Saying farewell to our office is heartbreaking, all the sweat, pain, tears, fights, laughter, happiness and friendship was built here.

やたら心揺さぶられました。今まで仕事で奮闘したできごとが走馬灯のように頭を駆けめぐる。一つ一つの英単語でその時の情景が思い出されたのです。

なぜこんなにも英語表現に胸を打たれるのだろうと気になったので、夜な夜なネットで情報を探していたところ、「アングロ・ダッチ翻訳ガイド(Anglo-Dutch Translation Guide)」にたどりつきました。同じ英語表現でも、国ごとに使い方や受け取り方のニュアンスが異なるというのです。

出典:【洋書で英語学習】『THE CULTURE MAP』エリン・メイヤー ─ 異文化間のコミュニケーションに悩む人へThe Culture Map: Decoding How People Think, Lead, and Get Things Done Across Cultures

このように同じ英語でも解釈が異なるのは、どうやら国の文化の違いに起因しているようです。文化の多様性を専門とするエリン・メイヤーは著書The Culture Map: Decoding How People Think, Lead, and Get Things Done Across Culturesで、文化の違いをこう分類しています。(もちろん個人差はありますが、あくまでも文化的傾向として。)

・ハイコンテクスト カルチャー(日本、アラブなど)
・ローコンテクスト カルチャー(スイス、オーストラリア、アメリカなど)

*ハイコンテクストとは、コミュニケーションや意思疎通を図るときに、前提となる言語や価値観、考え方などの文脈が近い状態を指す。

*ローコンテクストとは、コミュニケーションや意思疎通を図る際に、前提となる言語や価値観、考え方などの文脈が少なく、より言語に依存したやりとりが中心になること。

出典:「多様性のある職場だから、いい結果が出る」わけではありません。まずは異文化理解から始めよう──エリン・メイヤー, サイボウズ式

日本は「空気を読む」という言葉が浸透しているくらい、まさにハイコンテクストカルチャーの最たる国らしく、一方英語圏はローコンテクストの国が多いそう。

何が言いたいかというと、「なぜ英語の方が心に刺さるのか」はこのカルチャーコンテクストの違いに関係しているのではないかなあとぼんやり考えました。冒頭で述べた仮説はあながち間違っていなくて、ローコンテクストな同僚はただ思ったことをそのまま褒め言葉で表現しただけなのに、ハイコンテクストな私は「ここまでダイレクトに褒めてくれるなんて、よっぽどだろう!」と過度な喜びを抱いてしまっていたのかも。(笑)

褒め言葉くらいなら笑い話にできますが、ここぞというときに相手の気持ちと自分の受け取り方に齟齬があってしまっては困りますよね。様々な人と関わっていくなかで、相手の言葉の背景を妄想しすぎないこと、自分の想いを正確に言語化して伝えることは本当に大切だなあと。なので、日々こうしてnoteで言語化するようにしています。

日常のふとした気づきから興味深いことが分かるものですね~

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