しあわせの朝の散歩:2021年10月9日(散歩の日)
私が引っ越しをするときにこだわっていたのは、なるべく会社まで徒歩で行ける場所だった。
近すぎず、遠すぎずの場所がいい。
今までの勤め先で電車やバス通勤をしたのは、マレーシアに来る前に東京で通勤した客先のオフィスだけで、以外の住まいは会社まで歩いて2,30分というところを選んでいた。
会社の行き帰りで歩いていると、日本では道端に咲いている花や気候の変化で四季を感じることもできる。
雨の日を除いて、暑い日は日陰をうまく探しながら、寒い日はホッカイロを背中に貼って歩いて行く会社までの道のり。好きな音楽を聴いたり、考えごとをしたり、または周りの景色だけみながら頭を空っぽにしていく大事な時間だった。
10月8日は散歩の日。「て(10)く(9)てく」と読む語呂合わせから、散歩を通じて広域の渋谷圏の魅力を発信することを目的として制定された日だ。
マレーシアに引っ越してから、今は在宅勤務だけど、会社と家が近くともオフィスまでは朝はタクシーを使っていた。
家から会社までは車で5分ほど、歩いて30分の距離なので、ここが日本であれば毎朝と帰りは歩いていただろう。
ただ、マレーシアは車社会なので道を歩いている人がほとんどいない。
ちょっとそこまで出かけるにも車を使うし、マレーシアで自動車を保有する世帯は全人口の8割以上だそうだ。
また、私が住んでいる家と会社はクアラルンプール郊外にあるので、自然もいっぱい、野犬や猿、トカゲもいる。
特に怖いのは野犬だ。以前ベトナムに住んでいる友人が、ベトナムで野犬に手を噛まれて「狂犬病で死ぬかもしれない」と連絡があってからさらに怖くなった。
歩くには気候の問題もある。
朝の時間帯は涼しいのだけど、日中の気温は30℃を超えて日陰もない道ばかりなので、会社に着くか家に帰ったときには汗だくになってしまうのだ。
なので、マレーシアで歩くのは、もっぱら土日などの休みの日の朝の散歩になった。
日の出は7時少し前ごろなので、7時10分くらいに家を出て近所を30分から1時間かけて歩き、屋台で朝ごはんを食べて帰るのが定番だ。
家の周りでは私と同じように歩いたり、ジョギングをしている人たちもいて、今は飲食店も営業時間が拡張されて朝早くから開店しているところも多いから、多くの人が朝ごはんを楽しんでいる。
マレーシアでは外食文化が発達しているので、朝からみんな外で食べることが多い。
定番の朝ごはんは、世界一健康な朝食と言われているナシレマ、焼きたての小麦パンであるロティチャナイ、中華粥、カヤジャムトーストなどと一緒にコーヒーや紅茶、フルーツジュースなどの飲み物を楽しむのだ。
日本での朝ごはんは、家で済ませてから出かけることがほぼ毎日だったので、「朝ご飯を外食するなんて贅沢だな」って思っていたけれど、マレーシアの安くて出来立ての朝ごはんはすっかり当たり前になった。
今朝も散歩にでかけた。
30分ほど家の周りを歩いていたら、今日は野犬に遭遇してしまった。
うちの近くの野犬たちは群れで生活してるようだ。
今日も成犬が2頭と子犬たちが3頭、子犬たちは好奇心が旺盛なので、50mほど先にいた私と目があう。すると寝そべっていた母犬がゆっくりを身を起こすのが見えたので、思わず踵を返し来た道を引き返した。
今日は外食はせずに、ファミリーマートでパンを買って帰ると、既にムルクは朝ごはんを食べ終わっていて、遊んでほしいと足に上りあがってくる。
いつもは屋台でロティチャナイ(小麦パンとカレーソース)とコーヒーで2.5リンギ(60円)くらいで朝ごはんを済ませるのだけど、ファミリーマートのパンは2.7リンギなのでちょっと贅沢。
朝の散歩は、幸せホルモンであるセロトニンが分泌されるので、心身の健康に効果的だそうだ。
歩くことは体のリズムを整えられるし、マレーシアでは朝ごはんを外で食べればなんとなく贅沢な幸せな気分になれる。
(途中で野犬に遭遇しないか?という緊張感と脳への刺激のオプション付き)
朝の歩く時間は、日本でもマレーシアでも私にとってはなくてはならない時間だ。
明日も朝はいつも通りに早起きして、散歩に出かけよう。
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