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価値観の変化をみるのは人生の楽しみ:【学びと気づき:NFT 完全初心者への徹底解説】

昨日、日曜朝のZoom勉強会、2冊目の書籍は「NFT 完全初心者への徹底解説」です。

最近、英語の頭文字をとった言葉がさらに増えてきていて、聞いたことはあるけれど、意味はよく知らない言葉のひとつに「NFT」がありました。

「NFT」は、特に日常の生活を送る中においては、絶対に知っておかなければならないことではありませんし、アルファベットの文字が並ぶとなんとなく難しそうなイメージもありますよね。

でも、知れば面白いし、人生が楽しくなるかもしれない、それが教養であって「NFT」もそのひとつ。「NFT」そのものに対しての興味は無くても、そこから派生するひらめきや繋がり、発想の転換などがあるかもしれません。

今回もそんな気づきのある発表でした。

・勉強会アウトプットの内容

NFTは「Non-Fungible Token」の頭文字をとった略語で、日本語では非代替性トークンという意味です。

つまりは、代替不可能なしるしのことで、例えば量産された野球ボールは代替が可能ですが、そのボール一つに有名選手のサインが入っていたとしたら、それは世界で一つだけのボールとなりますので代替不可能となりますよね。

NFTはデジタルアートやビデオゲームのアイテムなどのデジタル創作物に対して、唯一無二の価値を持たせることを可能にした技術のことを言います。

勉強会の中では、NFTに使われている技術であるブロックチェーン、ハッシュ計算についての説明がありました。

また、NFTのメリットとしてはデジタルデータに対しての所有権を証明できるだけでなく、取引の履歴も保証が可能となり、さらに中古での取引でも作者に対して利益が還元されるといったことがあります。

さらに、NFTの技術によって、現実に存在するモノよりも偽造が難しくなるということもあり、最近では特にデジタル創造物を所有することへの価値が高まっているようです。

・実存しないモノの「価値」

勉強会の中では、実際のNFTデジタルアートの紹介がありました。

VR空間に3Dアートを描くアーティスト・せきぐちあいみさん。
私は今まで彼女を知らなかったのですが、VRゴーグルをつけてアートを描く姿は新しい芸術でとても美しかったです。

また、open seaというサイトではNFTで表され価値を与えられた様々なデジタル創造物を購入することもできます。

実在するモノではなく、目には見えているけれど、実際の空間には存在しないモノに価値がある、なんだか不思議な気持ちになりました。

ただ、身の回りのことを思い出してみると、以前私はスマートフォンアプリのゲームをやっていて、ゲームの中のアイテムをお金を出して買っていました。
現実世界では存在せず、ゲームの世界のみで価値のあるものです。

ゲームなどの仮想世界には音も映像もあります。そしてそれらは、デジタルの技術によって創り出されたもの、つまりは私自身も気づかないうちに実存しないモノに価値を見出していたことになりますね。

・技術の進歩と価値観の変化

発表についての感想の共有の中で、歌手の美空ひばりさんの歌声がバーチャル(AI)で生き返ったという話題がでました。

美空ひばりさんは既に故人で、この世には存在しません。存在しない人の歌声を蘇らせたことは、死者への冒涜ではないか等の賛否両論がありましたが、音や声を録音して残すという技術が生まれる前までは不可能だったことです。

録音ができるようになったのは1877年にエジソンが蓄音機を発明してからで、今から144年前のこと。現在の世界最高齢の田中カ子さんが118歳なので、田中さんが生まれるたった26年前までは「録音」もできない世界だったということになります。

そして、144年後の今、ブロックチェーン技術によって情報を管理しながら、固有のものであることを証明し改ざんを不可にした上で、実際の空間に存在しないデジタル空間の中のみに存在するモノにも「所有」や「価値」という観念が生まれました。

既にこの世に存在しないヒト、空間に存在しないモノの「価値」が唯一性を持って永遠となるというのは、新しい価値観です。

そしてそれは良いことでも悪いことでもなくて、技術(テクノロジー)の進歩と生命・生物(バイオロジー)の進化において、技術がどんどん生命に対しての干渉を強めている印象を私は改めて感じました。

きっとそのうちにAIがもっと発達して、デジタル化された人の人格もそれ自体に価値を持つようになって、そういった思考パターンなどもNFT化されて販売されるようになったりするのかなぁと、なんだかSFの世界ですね。

・今日の学びのまとめ

今、私たちの身の回りには空間に存在する「モノ」がどんどん無くなってきています。

昨日も友人と焼き肉を食べた後のお会計でも現金を持ち歩かなくなった、カードかスマートフォンのアプリで済ませているという話もあって、私もその一人でした。紙幣やコインというモノに日常生活で触れなくなり、銀行の金庫からではなく、データで支払いをする、ほんの10、20年前からすっかり生活も変わったことを感じます。

今回は「NFT」を通して、日ごろは意識的にみていなかった世の中の価値観の変化を学ぶことができました。

1冊目の「老い」の話にも繋がりますが、長く生きているとこうして時代の変化を体感できます。
それも人生の一つの楽しみですね。


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