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24時間かけて焼くパン

確かに「教えてね」と言ってはいました。がある日突然さあ今から焼こう!と言ってくるのが家族の間柄。え、予定してなかったよー

いきなり娘が持ち込んだのがベトナム製のバスケットと15年物の酵母。全く手に入りにくいものをどこで仕入れてきたのやら。話を聞くとイタリア女性ダニエラさんのパン教室に参加したそう。まぁ、あのハードなパンのサワードウが焼けるの⁈それはすごいこと。

西洋人に中国人韓国人日本人の見分けがつかないように、わたしにはフランス人もイタリア人も一緒に見えてしまうのですが、その国民性はずいぶん違うようです。フランス人はお料理をあまりしないのに対してイタリア人は家庭的で新鮮なお野菜をふんだんに使ったお料理などを家でたくさん作るらしいのです。パンを焼いても不思議ではありません。←だいぶ偏見かも。

サワードウのパンはアメリカ時代に大好きだったのに日本ではまだほとんど知名度がなくてお店で見かけることもまずはありません。名前の通り仄かな酸っぱさが特徴です。Babyと呼ばれている酵母こそがその秘密。

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それを使い切ってしまわないように少し残しては同量の粉とお水を足して15年も育ててきたのを分けてもらったのです。ここから育てるのが私の役目らしい。頑張らないと!

材料は強力粉とお水とこのBabyとお塩です。捏ねて休ませて広げて畳んで休ませてを繰り返してバスケットで成型します。食事の準備や他の用事などとの兼ね合いが結構大変。指示通りに行かないのが人間生活です。

なんとかごまかしながらバスケットに投入したら10時間野菜室で寝かせて、クッキングペーパーの上にひっくり返します。

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バスケットを外していざ手ぬぐいをめくると

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ふっくらつやつやな生地がでてきました!写真の影が残念。

これにカミソリで切り込みを入れるのがドキドキします。年代物のカミソリの切れ味は今ひとつ。買い直さなきゃ。

それからオーブンで予熱していた鋳物の鍋に入れるそう。一歩間違えたら大やけどです。

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慎重な上にも慎重に入れて蓋して250度で25分、蓋を外して230度に下げてさらに25分焼きます。なんじゃこりゃ。こんな作り方はじめてです。命懸けのパン…ル・クルーゼをオーブンに入れられるのは知ってましたが初体験。樹脂の蓋の取っ手はねじ回しでわざわざ外しました。

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わぁ。なかなかいい感じじゃない!手間暇かけた分、感激。網でさまします。

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六本木あたりでは2000円か3000円もするというサワードウのパンの焼き上がりです。先生のほどは切り込みが綺麗に出ませんでしたが次回に期待です。

「これは初心者には難しいね」

と娘に言うと

「そう?上手く焼けてるじゃん」

いやいや、1日習ってきただけの貴女には難しいと言っているのです。ママは一年以上パン教室に行ってたの知ってるでしょ。

このようにして私の誕生日にバスケットと酵母の捏ねた生地と作り方の動画を置いていった娘のパンを24時間かけて仕上げました。最初はなんでいま?と思ったけど焼き上がりの美味しさとパパの褒め言葉で報われました。

パン作りの波が押し寄せては引き返す、を繰り返すこと数十年。何度目かのマイブームの到来かもしれません。皆様にも一口召し上がっていただけたらなぁ。

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