読書記録『フルキャリマネジメント』
私、フルキャリだったんだ・・・
noteで何気なく見つけた記事で知った本。
フルの題名は『フルキャリマネジメント: 子育てしながら働く部下を持つマネジャーの心得』
私みたいな部下を持つ上司向けの本ですが、そもそも
私、フルキャリなんだ・・・！と名前が付いたことで、安堵感？のようなものを得られた。
ワーママとして働いていく中での葛藤が、言語化されていて、
「そうそうそう」と思いながら読んだ。
”フルキャリ”
暮らしにも子育てにも、キャリアにも意欲的に取り組みたいと考える働き手の総称。
キャリア重視の「バリキャリ」でも、私生活重視の「ゆるキャリ」でもない、新しい価値観や思考・行動性を持つ働き手
本は、全体的に論文のような構成だけど、アンケートの数値の説明→考察のような作りなので、考察部分をぱあーーっと読めばそんなに難しくない。
正直「●●は43.5％で、▲は20.4％で～」の記載は読まんｗ
感想
①フルキャリの扱いに困る上司
そもそも、女性の部下の扱いすら慣れない上に、フルキャリという新人類の扱いを知らない上司が多い。
これは、私も実感していて、1人目の産休に入るときの上司が、育休の部下を持つこと自体初めてだった。会社の制度や手続きも知らないし、その上、その部下のキャリアについて深く突っ込むなんてできないだろうな。
休職中の上司の手続きを「初めてだからわかんない」って調べることすら私に丸投げする始末。私だって初めてですけど？
②ハード面をいくら整えても満たされない心
2015年に女性活躍推進法が成立した（らしい）あと、確かにベビーシッター制度、時短の柔軟性、保活コンシェルジュ、ダイバーシティ推進室などなど、会社のハード面は急速に整っていった。
2019年に産育休に入るまでは、「ほー、うちの会社頑張ってるな」と思っていたけど、実際当事者になると、「そーんな、いくら整えても活用できないのよ」が正直なところ。
フルキャリが求めているのは、心の満足度。
使いきれない制度を盾に、「働きやすいでしょ！戻ってきやすいでしょ！」と言われても、「・・・はぁ。」となってしまう。
（もちろん、整っていることは大変恵まれた環境であります。）
③フルキャリは、ワーク・ライフ・グロースバランス
ハード面が整っていても心が満たされないことは、上述の通り。
じゃあ、心を満たすものは？
「グロース（成長・貢献）」
限られた時間であっても、仕事への意欲は変わらない。
時短でも出世してみたい。
むしろ子供を保育園に預けている自分のことをできる時間で、濃度の濃い成長できる働き方をしたい。
これがフルキャリの本音。
そして、今の仕事・会社をできるのであれば長く続けたい。
（ここは、子持ちで転職のハードルの高さや体力がないなどの外的要因もあると思う）
こんなに、意欲的で貢献精神のある社員、とっても有益な人材じゃないですか？！ねえ、会社さんよ。ぼーっと働いているよくわからん定年を待っている人よりよっぽど大事にするべきだと思いますけど？！
④上司とのコミュニケーションをもっととりたい
何かといえばハラスメントといわれるから、若手と話をするにも気を遣う、ましてや女性社員相手なんて。というのは、よく聞く話。
確かにどうせ接していいかわからないだろうな、とこちら側も思ってしまう。
でもフルキャリは、むしろ積極的に家庭の事情や旦那さんとの分担、キャリアについて聞いてほしい。（少なくとも私はそう。）
上司は配慮から、
「家庭優先でいいよ！」
「会社は何とかなるけど、お母さんは一人だから」
「今は大変でしょ？」
と言ってくれるけど、フルキャリはそれを、
「仕事も頑張りたいのに・・・」
「会社には私の代わりはいるよね・・・」
「確かに大変だけど、日中は保育園に預けてるし・・・」
と自分に期待されていないような言葉に受け取ってしまい、残念なミスコミュニケーションが起きている。
ここがやりがいややる気をそいでいた気がする。
フルキャリが一番自覚しています
いやいや、仕事も家庭も暮らしもなんて、欲張り過ぎません？
「トレードオフ」「あっちを立てればこっちが立たず」って知らないの？
という声が、聞こえてきそうだ。
それは、フルキャリが一番自覚している。
欲張りなのかな？私・・・
でも、そんな中で上司から
「どちらも頑張ることを応援するよ。仕事でも期待している。一緒に頑張ろう」と言ってもらえたらどれだけ、心強いだろうか。
この上司に一生ついていきます！と言ってしまいそう。
物理的に働く時間が1人未満なのは事実だが、それにともなって、本人のやる気や意欲が下がるとは限らないのだ。
そこを行間を読んだがごとく、思いやりによってミスコミュニケーションが起きていることがとてももったいない。
私は来年の復職予定だけど、うまいこと上司とコミュニケーションがとれると良いなあ。。。
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