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ベルリンのギャラリーその2:Ehemalige Jüdische Mädchenschule

ベルリンに留学中の建築学生の私が紹介する、ベルリンのおすすめのギャラリー第2弾、Ehemalige Jüdische Mädchenschuleです。

旧ユダヤ人女学校だった建物をリノベーションし、現在3つギャラリー、1つの博物館とレストラン、カフェになっている建物です。
こちらは観光ガイドにも載っているのでご存知の方も多いかもしれません。

ギャラリーの目抜通り、MitteのAugst strasseにあります。
外見はレンガの建物でまさかこの中にギャラリーが入っているとは気づかないかもしれません。


しかし扉を開けてみると、緑がアクセントになった可愛らしいドア、モザイクタイルの世界が広がります。

1927-28年にユダヤ人女学校として建てられ、ナチスドイツ時代は軍の病院、東西分割時は東ドイツの学校として使われていたそうです。



いつもバウハウスやジードルング(集合住宅)装飾のないモダニズム以降の建築を見慣れているので、こういう建築をみるとびっくりします。でも可愛らしくて愛おしい。

大学の授業を受けていても思いますが、特にドイツの建築はマッシブでクリーン、シンプルなファサードをしている印象です。しかし、ドイツ表現主義の時代もあるし戦前は装飾的なファサードで街は構成されていました。

私が特に気に入ったのは、既存のコンクリの床や階段の手すり、柱に対して、ガラスをはめたマテリアルの組み合わせ方。対比が両方の良さを際立たせている。
というか、この柱がすごく不思議です。角柱にこんな風にタイルを意匠的なパターンでつけるなんて、あまりない。
タイルの抽象的なパターンはバウハウスの抽象絵画を彷彿をさせなくもないですが、バウハウスの建築は完全にモダニズムでタイルを使ったりはしません。

この錆びた階段の手すりとコンクリに対して、エレベーターが違和感なく入っているあたり、すごくセンスを感じます。

廊下だった場所に作品が展示されてます。

照明や、ベンチが当時使われていたものをそのまま使っていて、可愛らしいです。実際に座れます。

こちらは教室だった空間。

学校を美術館にリノベーションする事例は、日本国内にもあります。アーツ千代田3331などが思い浮かびます。
このギャラリーと比べて何が違うのか考えてみると日本の場合、小学校だったことが生々しくわかるような気がします。もちろん私が外国人だから、ドイツの小学校のデザインを知らないからというのもあるかもしれませんが。

例えば、日本では床はフローリングのままだったり、小学校の椅子や机を利用していたりします。

一方でこのギャラリーは、床はコンクリ、壁は白、天井はコンクリの梁を露出させていて、抽象的な空間をしっかりつくり、一部の壁や柱はタイルをそのままに残している。かなりしっかり、「引き算」がされていると思いました。


Ehemalige Jüdische Mädchenschule
Auguststraße 11-13
D-10117 Berlin
info(at)maedchenschule.org

http://www.maedchenschule.org/de/startseite.html


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