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科学者の役目~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.450 2023.3.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第53弾です。

そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「ふくしまの12年」です。


トリチウムを含む汚染水の放出に政府がこだわる理由が、小出裕章さんの説明で分かりました。

福島のトリチウムを海に流していけないとなれば、六ヶ所再処理工場を動かすことはできず、ウランやプルトニウムが取り出せなくなり、日本の原子力政策の根幹が崩壊してしまう

p.9

六ヶ所村でも、沖合に敷設したパイプからトリチウムを流すことを想定しているそうです。


愕然としたこと。

ある専門家グループを案内した時のこと。専門家たちが持つ放射能測定器の針が、長泥のあちこちで振れ、音がする。「あっ、(放射能が)あった!」。興奮した面持ちの専門家たち。それを見て、鴫原さんは思わず言い放った。「あんだらは楽しみでやってんのがい。それとも俺らの支援のためにやってんのがい」。返ってきた答えは、「半分、半分です」。

p.11

抗議されて、それでも「半分、半分」と言える神経が信じられません。同じ専門家でも、今も継続して帰還困難区域での放射能の変化を測定している木村真三さんの言葉には、科学者の果たすべき役目が表れています。

科学者には、生活空間や生活習慣を知ったうえで、線量を測って住民や行政に助言する責任がある。(中略)測定結果の共有と同時に、住民のために何ができるのかを考えるのも科学者の役目だと思う

p.13


民法学者の米倉明さんの言葉も、印象的でした。

腐敗した政治がいつ終わるという保証なしに続き、回復の見込みが見えない場合には、国民の間から決然立って抗議の声を上げる人が現れるのは当然で、それこそ健全な国民の存在の証拠で「抵抗権の発動」と呼んでもいい、と米倉さんは考える。
抵抗権の発動を具体的に挙げると、国民の集会、デモ、選挙における少数政党への投票、大規模ストライキ、大規模署名活動などが考えられる。

p.15

権力をほしいままに、総理なのに法を侵害し、自己の違法な命令に従わない下級官僚を(中略)自死に追い込んで平気でいるような総理が現れた時、しかも閣僚、行政官僚、検察・警察官僚のなかで、だれもこうした総理に再考を求める人はおらず、そういう場合、総理本人に思い知らせるにはどのような手段があるのか

p.15

来月には統一地方選挙がありますが、ささやかながら「抵抗権の発動」として、投票には必ず行くつもりです。


造形作家の織田千代さんの言葉も、心に残りました。

もともとの自分と全然違うことはできない。自分ができることをしていく

p.7


特集以外では、ケニアの電力供給の95%が水力などの再生可能エネルギーでまかなわれていること(p.18)、そしてストーンアーティストのAkieさんの作品が印象的でした。作品は全て掌に載せた状態で撮られているのですが、私もぜひ手に取ってみたくなりました。特に「こぞうさん」(2022年)が可愛い!

以下はAkieさんのフェイスブックページです。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった木村さん、いつもありがとうございます!



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