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昆虫を守ることは、地球環境を守ること~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.455 2023.5.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第58弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「静かに消えゆく昆虫たち」です。


「1989年から2016年までの27年間に、ドイツ全域の自然保護区で飛翔性昆虫の生物量が76%も減少した」(p.6)ことに代表されるように、世界各地で昆虫が減っているそうです。

「地球上の植物種の約8割は、昆虫がいなければ受粉できません。人間にとって最も直接的な恩恵は、私たちが栽培する農作物の75%が昆虫によって受粉しているということです」(p.6)という、イギリスの生物学者のデイヴ・グールソンさんの言葉に象徴されるとおり、昆虫がいないと私たちは大変なことになってしまいます。現に「中国南西部の一部の地域では、送粉者である昆虫がほとんど消えたために、農家の人々が人工授粉しなければリンゴやナシが育たな」(p.6)くなっているとか。

他にも「昆虫は生態系のほとんどすべてのプロセスに関与しています。多くの大型生物の食料となり、生き物の糞や市外をリサイクルしてくれます」(p.6~7)。

大げさでもなんでもなく、昆虫を守ることは、地球環境を守ることなわけです。

すでにEU全域でネオニコチド系殺虫剤の使用は禁止され、フランスでは市域内での合成殺虫剤使用禁止が法制化されているそうで、日本は立ち遅れています。

まず私たちが出来ることは、「昆虫の重要性を認識し、見かけたらすぐ駆除するのをやめて、おおらかな気持ちで見守るところから始め」(p.11)ることだと、昆虫学者の石井実さんは語っています。


特集以外で印象的だったのは、比叡山にある第18代天台座主の良源(元山大師)の御廟は「掃除はしないように」との遺言に従って、人の手が入っていないため、ブナの木が生えているという話(p.21)。それこそ昆虫も、のびのび暮らしているんでしょうね。

あと「販売者に会いにゆく」のヤマノベさんの、「『趣味は掃除』と言えるくらいキレイ好きだから、シェルターを出る時は、入居時よりピカピカにしていこうと思っているんです」(p.25)という言葉も心に残りました。ヤマノベさんがどういう経緯で路上生活に至ったかは分かりませんが、こんなに素敵な心がけを持っている方が路上生活を送ることになってしまう日本は、やはりどこかおかしいと思います。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。ただし今号については、6月1日に次号が発売されるまでは、販売者さんからのみ購入することができます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった宮本さん、いつもありがとうございます!



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