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最後の玉結びはしない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.439 2022.9.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第42弾です。

そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「コロナ禍、医療崩壊と再生」です。


何といっても心に残ったのは、特集の最後の以下の言葉。

経済学者の宇沢弘文氏が説いたように、医療は水道・道路・環境などと同じ、私たちの命を支える「社会的共通資本」だと考える本田(宏)さん。
「水道を民営化した欧州でも、経営の不透明さや水道料金の高騰、水質など、さまざまな問題から”再公営化”の動きが強まっています。病院があれば地域の税収も上がるし、医療関係者だけでなく、食事やリネンなどのクリーニング、清掃などの雇用も生まれ、みんなが安心して暮らせるようになる。そんな観点からも、日本の医療を再公営化していく必要性を考えてほしいと願っています」

p.14

水道の再公営化の話は、「ビッグイシュー日本版」の429号でも取り上げていました。


他に印象に残ったのは、まずは「私の分岐点」の柳美里さんの言葉。

今ある「私」は過去に出会った他者の総体に過ぎない。「私」を布地にたとえるとしたら、糸で編まれた布はいつでもほどけるし、再び編み直し、編み広げることもできる。他者との出会いに向かって開いていれば、年齢なんて関係ありません。だからいつでもほどけるように、最後の玉結びはしないほうがいい。

p.3

そんなしなやかさに憧れます。いや憧れているだけではなく、そうでなければいけませんね。

なお柳美里さんの『JR上野駅公園口』についての感想は、以下の通りです。


「浜矩子の新ストリートエコノミクス」にあった、レイ・ブラッドベリの『金の凧、銀の風』についての浜さんの解釈も珠玉。

ポイントはお互いの幸せがお互いの存在に依存するということだ。この関係を見いだせたことに、至高の意味がある。
グローバル時代とは、こういうものだったのではないのか。ウクライナとロシアが、米国と中国が、そして韓国と北朝鮮も、金の凧と銀の風の関係を見いだせる日。その日が待ちわびられる。どれだけ、やっつけ合いを繰り返せば、その日に到達することができるのか。地球が壊れてしまわない前に、その日が来てほしい。

p.18


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。
ただし今号については、2022年10月1日に次号が発売されるまでは、街角の販売者さんからのみ購入可能です。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった「平川」さん、ありがとうございます!



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